表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
しずくのいちご牛乳  作者: ぷらぷらぷらす
48/55

第48話 最終試練04

しずくは、ゆうくんの言葉が脳裏に浮かぶと同時に、その瞬間を感じ取った。


「っ……!」


しずくの体がびくりと跳ね、内側から何かが流れ込んでくる。


顔、目、鼻、口、耳——全ての感覚を通して、ゆうくんの思いが一気にしずくの中に溶けていく。


それは熱く、どろりとした感覚だった。


——視界がぐにゃりと歪む。


「っ、あ……!」


息ができない。呼吸が乱れ、胸が重くなる。


目の奥が熱く、鼻の奥がツンとした刺激で痺れ、耳の中ではゆうくんの声が響く。


「しずく……受け止めて」


その声は、しずくの体の奥深くにまで浸透していき、さらに強く感じられる。


考える余裕なんてない。ただ、ただ溺れていく。


どこまでが自分で、どこからがゆうくんなのか——その境目すらもわからなくなる。


どくん、どくんと心臓が高鳴るたび、体の中にゆうくんの思いがより深く馴染んでいく。


「っ……あ、ぁ……」


止まらない。終わらない。


——しずくのすべてが、ゆうくんで満たされていく。


ああ、これだ——これは、ゆうくんの思いだ。


拒む理由なんて、何一つない。


しずくの中に、静かに、深く、そして広く広がっていく。


流れ込んでくるのが自然で、そして心地よい。


——うれしい。


胸の奥が、じんわりと満たされていく感覚。


しずくの思いが、ゆうくんの思いと重なり、ひとつになっていく。


その共鳴が、いちご牛乳にまで伝わる。


どくん、と鼓動が響き、甘く震えるような感覚。


まるで、命の音のように——


---


しずくの中で、いちご牛乳が流れるたびに、その温もりが広がっていく。しずくの体がその流れに反応し、内側から外側へ、また外側から内側へと、強い共鳴が生まれる。


どんどん、どんどん、その共鳴が広がっていく。しずくは、全身を包み込むような感覚に浸りながら、ただただその流れに身を委ねた。


その温かさに、心地よさとともに、苦しさも感じる。それが、ゆうくんの思いが込められた証だと感じたから、しずくはその感覚に全てを委ねていった。


「ああ、幸せだな。」しずくの胸に、ゆうくんの思いがしっかりと届く。それと同時に、心の奥底で重たくて、甘い感覚が広がっていく。


しずくの体の中で、ゆうくんの思いが渦を巻いている。強く、深く、果てしない。それがしずくの内側を満たして、どんどん大きくなる。


いちご牛乳の温かさが、しずくの鼓動と重なり、震えるように共鳴している。それは甘く、熱く、そしてどこまでも深い感覚となって広がっていく。


——ああ、もう耐えられない……


全身を駆け巡る熱が、限界を超えそうになるその瞬間——


何かが弾けるような感覚が訪れた。


視界が歪み、世界が真っ白に染まる。そのすべてが、しずくの体から遠のいていく。


そして——


しずくの意識は、まるで白い光の中に吸い込まれるように、ふわりと落ちていった。


その中で、ゆうくんが言った言葉がしずくの心に響く。


「僕の思いがしずくの思いより強すぎたら、しずくが耐えられなくなるかもしれない。」


もしかして、私の思いがまだ足りないのかな。でも、こんなに幸せならもういいのかもしれない。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ