表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/163

躻ヶ島。虚ろう影。

黄金の週間故にちょっとした旅行に出ておりました。ので、更新停滞。

復活を宣言いたしますので今後もよろしくお願いします。


気づけば総PV数400超。ここまで続けられたのも皆さんのおかげです。まだ始めたばかりですが、いつ終わるかわかりませんが、ていうか終わるのかな?←

感謝感激でございます。

今後ともよろしくしてやってください。

揺らぐ揺らぐ。虚ろに揺らぐ。虚ろは揺らぐ。


僕は揺らぐ。僕は、虚ろだ。



生涯二度目の運転の機会は、予定より早く訪れた。三笠家の乗用車を操って、僕と赤坂妹、それから白髪の少女は山奥へと登っていく。山道は観光用にかちゃんと整備してあって、登山客の歩行用に車道が無くなるまで、僕らは車で先へ進んだ。登山客用の駐車場に車を停めて、ここから先は歩きだ。

「本当にこの先に家があるの?」

幾度となく繰り返した問いかけを、僕はもう一度繰り返す。ここまでの道のり、民家どころかコンビニの一つも見当たらなかったのだから、疑うのも無理はないだろう。

「あるわ」

少女の答えは、やはり変わらなかった。

「じゃあ行こうか」僕は二人に声をかけて、自ら先頭を歩く。道筋は後から付いてくる少女に聞くとして、一応、男としての役割は果たさないとね。

少女の指示通りに山道を登ること小一時間。僕らは気づけば、山の頂上にたどり着いていた。

やはりというべきか、家なんてどこにも見当たらない。観光地の山頂らしく、今は無人の土産物屋と自販機、それから申し訳程度に古びたベンチがあるだけだ。

「こっちよ」

僕たちが何か言う前に、彼女はもう動いていた。上ってきたのとは違う方向に、下りはじめる。なるほど、山頂も道中でしたか。いや、言われるまでもなく把握して然るべきだったけども。

ある種不可思議なほどに、僕はこの少女を疑っていた。科学者のさがか、もしくは僕の人間性か。後者だとしたら僕という人間の矮小さが嫌というぐらい前面に出てきているということに他ならないことになってしまうのだが、確かにこの感覚は後者の理由のはずなのに、なぜだか僕は、疑うのこそが正しいような気がしてならなかった。考えても分からない、感覚の問題。

この少女は、存在自体が怪しすぎる。

「行きましょう、先輩」

「ああ、うん」

赤坂妹の声で我に返り、僕は先を行く少女の後を追う。しばらく無言で歩くと、不意に少女が口を開いた。

「この島の伝承、知ってる?」

「知らない。赤坂妹は?」

「知りません」

そう、と少女はつぶやき、

「じゃあ、少し教えてあげる、伝承」

後ろ姿の彼女に、一瞬、とてつもない違和感を覚えた僕だったが、聞きたくないと、僕のセリフが声になる前に、少女はすでに続きを語り始めている。

「この島にはね、白い体毛のキツネが住んでいるの。夜な夜な人里に出ては、月に眼を奪われる人間を化かして山奥へ迷わすのね。それで、その獲物を」

少女はその「白い」髪を振って僕らを振り返った。蠱惑的な紅い瞳は、僕の眼を捕えて離さない。

待ってくれ、それじゃあ、そのオチじゃあ。そして、君のその語り口は、その容姿は、

その、髪は。


「山に閉じ込めるのよ。永遠に、息絶えて餌になるまで」


急に、一陣の風が吹いた。強烈な風は、僕と赤坂妹を吹き飛ばさんばかりに吹き付ける。目も開けていられない勢いに必死で抵抗して薄く、瞼を上げる。

「ああもう、」

これは。何なんだよ一体。

僕の現実は、培ってきた知識は、常識は、科学は。何だったって言うんだ。こんなにもあっさり、壊されるものだったのか。当てつけだとでも、言うのか。

「せん、ぱい……?」

無言で拳を握る僕に、ようやく風から逃れた赤坂妹がうかがうように声をかけてくる。

「あの、」

一度言い淀んで。


「あの子は――――?」


「知らないよ」つぶやく。知るかよ、そんなの。「眼を開けたらさ、もういなかったんだ」そう、知るわけない。嘘みたいな話だ。ってことはさ、なんだ、つまり僕は。

キツネに化かされたって言うのか?

……ばかばかしい。

「山を降りられなくなったのかもね、これで」

おどけてみるが、駄目だ、ぎこちないのが自分でもわかる。と、赤坂妹は、混乱する僕に一歩近づいて、右手を挙げた。

「なに―――――」

パアンって。


はい?


「しっかりしてください、先輩。」

真っ白になる頭に響く強い声。ああもう、これだから。

これだから、研究部の連中は。とりわけ、この赤坂妹は。


結局、僕らは何事もなく山を降りることができた。またも僕は、彼女の強さに助けられたのだ。

丁度いい。この機会に、僕が以前、赤坂妹に助けられた時の話を聞いてもらおうか。

すーぱーふぁんたじーたいむ終了。

顕正君が大分打ちひしがれてる感じですがそれが今回の目的だったので知ったことじゃない。

なんかなし崩しに赤坂妹の話に入っちゃいますが、ええと、プロット無いんで(←)正直どうなるかわかりませんw

行き当たりばったりなのでございます。


それでは、感想評価等よろしければお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ