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幻想にすらウチノメサレル


冒険者になれたということで、クエストに挑んでみ

た。結果はボロボロになって帰ってくることになる


とまあ、命がけはしばらくしないと誓ったので適正レベルのクエストを受けることにした。

場所は崖野原。どちらかというと階段状で、何層も重なる地層の山だ。

依頼の殺してほしいのは僕が初めて殺したスライムで、その代わり報酬が少ない。けれどいいじゃないか。少しでも誰かの役に立てればそう、立てれば。


崖野原の歪な地形に戸惑いながらもスライムを無心で片付けていると、見たことのない巨大生物が現れた。


どでかいイノシシで、はっきりわかる敵意のまなざしでこちらを見てきてヤバいとしか思えなかった。あの魔族の時と同じだ。思考停止している僕をしっかりと獲物と捕らえたイノシシはこちらに全力で突進してきた。


「っ!!」

猪突猛進をしてきたイノシシは途中で方向転換を出来ず、僕の体を風で、カマイタチのように僕を切る、



「大丈夫?!!」

僕が片手を抑えていると、女性が駆けつけてくれた。

「誰にやられたの!」

僕はさっきの突進で掠りあったイノシシに指をさす


「わかった。ちょっとここで待って」

彼女はそう言い、5歩歩いて弓を取り出す。片方の鞘から一本の矢を取り出す。動きに無駄がない。

真直ぐに弓矢を引く。


ヒュンと一瞬聞こえた風の音と同時によだれを垂らしたイノシシのうめき声が響いた。


キメ顔を一瞬だけして、そのまま弱りきったイノシシに近づいたとこで短剣を取り出す。

ザクっと突き刺して縦に下す。一度刃を抜いて向きを変えてもう一刺し。


イノシシの横腹から切り取ったグロイ肉を必死に担いでこっちに戻ってきた。

「この肉は君の報酬でいいかなぁ?」

「いやそんなのもらえませんよ」


「と言うか、あんな中途半端な」

普通こういうのは性別が逆じゃないか?僕が乙女みたいになるじゃないか

スカートはいているからか?


「これは私たちユウランがイノシシがこんなとこに来る前に討伐しておけばよかったことでそのわびということでさ、受け取って欲しいんだ。」

彼女はそう言い、風のような速さで奥のほうへ走って消えてしまった。


「重い。」

彼女も重そうに持っていたけれど、まさか僕も重いと感じてしまうとは...

崖野原が受付場まで近かったのが救いだ


「なにしてんのよ?」

聞き覚えのあるむかつく声に目をやるとツムリだった。

さっき出会ったときはあんなに見捨てるように去っていったのに今や隣で必死こいてグロ肉の片方を持とうとしている。


「いや、なんかすごい冒険者から助けてもらったけど

イノシシを崖野原にまで来させてしまったわびらしい。」

「???まぁいいわ、あなたも運がいいわね。助けてもらったのに加えて肉もくれるなんてしかもユウランの一人に、」 

「そのユウランって何なのさ、」

「選ばれた冒険者。神からのご加護を受けてるとされる勇者。

今崖野原を占領しているのはラシン様ね。」


「ラシン、、、」

豊満な胸に

本当に見えているのか?という糸目。

雑に切った薄い水色の髪が印象に残った

風来坊の様に現れたのだ


「"また"惚れたの?高望みしすぎよ」

「うるさいなあ」


肉を返金場に渡して銀貨13枚を手に入れた。


「服ボロボロね。

惚れたってそんなダサい格好見られたら惚れるにも惚れられないわね。」

さっきの詫びも含めて金で黙らせておこう。


「どこ行くの?」

「図書館。」

「なんで?」

「魔術を学びに行く」

会ってくれないと生きるモチベが下がる。


図書室の奥のほうに古びた棚があって年季の入った魔術の教科書が丁寧に並べてある。

いまさら魔術について学んだここからはbotみたいな喋り方になるかもしれない


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

魔術と魔法

前世でも相違点が漢字ぐらいでしかなかったけれど

魔法は杖(物)に魔素を注ぎ込んで放つことを言って

魔術は空気中に魔素をため込み打ち出すことをいう

魔素の中でどんな属性を場所によって決める。

それを決めなてないものを無属性という。

無属性は属性の中で有利不利をすべてなくせるが、

炎に強い水属性は1.6倍ほどの火力を叩き出せるのにも関わらず無属性の場合は

すべての属性に1.1倍ほどらしい。

魔法の中にも剣士と使いがいて

白子がやっていた魔剣士というのはなるのがとても難しいらしい

魔法と同じで、ものに魔素を貯める。しかし難しいのは、貯め込む物の対象が動くことだ

いい例えがコップに水を注ぎ込むときにそのコップが動き回ること言うのだろうか、

剣を振り回しながらその剣に何かを送らないといけないなるのが難しいのは明白だ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

学んだ実戦でやってみないと意味がないな。


図書室を出て前をふと見てみると

グロ肉を待ってくれたという理由でなんとなくあげた銀貨1枚で買ったであろうサンドウィッチを美味しそうに頬張ってるツムリがいた。丁度いいな  


「銀貨上げたから魔法教えてくれない?」

「え?コレはあの肉のお礼じゃないの?」

「勝手に持ったのはツムリじゃん」



あんなに美味しそうにサンドウィッチを頬張っていた

ツムリは只今失望の目でこっちを見ている。


「そんな盗賊みたいなことしてまで魔法覚えたいなら教えるわよ表でろや」


崖野原の付近についた。


「一番簡単な風魔法からいきましょうか、」

ちょっと貸してといい僕の剣を持ちそのまま目を瞑ってる。懇願してる様に見える。

パッと勢いよく目を開けては、

勢いよく遠くから剣を僕を向けて振った。


シュンっと軽く風がきた。

5秒ぐらい硬直した。

「コレが風の魔法よ。」

「こんなもんなの...?」

「そりゃ風の魔法だからね。一番覚えやすい技に

 強さなんて残ってる訳ないでしょ」


ゲームで最初に手に入る武器は攻撃力が10なのと同じ


なんとなく祈ってみる。誰に対してでもなくなんとなく祈ってみる。


そして空気に対して剣を振る。

軽い風が発生した。

「おぉ。そんな感じだよ」

「なんか思ってたのと違うな」

「さっきも言った通り一番簡単な魔法だからね。魔剣士すらこれくらい初めてでもできるよ」


どうやら自分に才能があると思い込んでいたがそんなことはなかったみたいだ。


つい手を止めてしまう

「もう飽きたの?」

「・・・・」

「思い通りにいかないからなんて理由で投げ出したりしているなら英雄になりたいなんて思わないでよね」


英雄になりたいことを言っていなくても僕の過去を見れる能力があるから見透かされている。彼女を投げ飛ばしたいけど今の僕の身寄りの人はツムリぐらいだ。


意味がないと思いつつやるしかなかった。理由なんてない。そんなことしか考えられない僕は強くなんてなれないことも知ってる

剣の中から風を起こす。あの無意味だと思っていた白子との素振りトレーニングが少しでも生かされたと思うと少しだけ希望が生まれる。


剣を振る素振りと風を発生させる練習をする。


繰り返しの動きを続ける。バレー部をやっていた時の自主練習と同じだ。

格闘ゲームのトレーニングと同じだ

なんだ上達しなかった事の事じゃないか


僕は最初は何もかもうまくいった。

何かの才能が欲しかった僕はゲームの低いレートでは無双ができた。

しかし、レートが上がるたびに勝てなくなっていじけた僕は結局そのゲームを売った。

決定打は数少ない友達に動きがCPUみたいだといわれたからだ。

僕の動きは相手次第でしか大きくなれない。

いずれは誰かに置いて行かれる。


今やっていることすらも無駄だというのなら僕は存在しないほうがよかったのだと思う。

だめだ。ネガティブなことで手が止まってしまう。


足音が近づいてくる。

「あっ君はさっきの。」


「なぜあなたみたいな勇者様がここに?」

「トレーニングだよ。」


「そうなんですね。私たちも今ちょうど風属性魔法の練習をしていたところなんです。」

ツムリが敬語を使うということは相当すごい人なのだろう。いや、助けてもらったときにこの人のすごさはわかってる。本物だ。

「もしよかったら私が相手しようか」

今まで白子とは悪魔でトレーニングをしてきた。戦ったことなんてない。急に戦闘なんてしたところでぼこぼこに…いや。素振りとかに逃げてたらだめだ。


「わかりました。」

ここで断る理由なんてない。強くなりたいんだったやるしかない。

「いくよ」

その一言で繰り出された一撃の風は木すらにも伝う。

「ちょっと勇者様!力が強すぎませんか」

ツムリが僕を心配してくれたのだろうか、驚いた表情で言う。

「ごめんなさい。この子からは何かのを感じるの。」

きっと呪いだ。


「うわっ」

情けない声でもう一度だけ奇跡的によける。ほんとに情けない。

所詮風の攻撃。そう、所詮風なのに刃のように切れ味がいい。そんなのを繰り出すには、手加減なんてできない。答えは判っている。


本気で闘いに来ている。どうしてだ!

「っ!!」

考える暇もなく本気の風の刃が飛んでくる。

本気で来てると思うとよけられずそのままもろに食らった

木が倒れずとも遠くからの刻みで切れるほどなのだ。食らったら怪我を負うのは当たり前だ。

血しぶきが舞う。

「所詮風でもこんな強くなるんだ。トレーニング頑張ってね。」

彼女はそう言うと町の方へトボトボ帰っていった。


きっと僕が呪いに掛かっていることを知っている。

じゃないとこんなのは繰り出してこない、

「大丈夫?!」

血しぶきを少し浴びたツムリが近づいてきては僕の横腹を撫でる。

よく顔を見ると顔にまで血がついているではないか

「ツムリ。顔」

「え?ああ、ありがと」

頬に着いた血を片目をつぶりながらぬぐい取る。正確に言えば擦ってる


「?…もう傷が治ってる来てる…本当に回復早いんだね」


腕を消し飛ばされても4時間程度で治る。

回復速度は本物だ。


横腹を撫でられてこしょばゆい。

「帰りましょう?」

「先帰ってて、」

「カッコつけて言うのはいいけど、そもそも宿を見つけてないじゃない」

「あっ」


崖野原で迷ったとき用の宿に銀貨1枚で同じ宿で止めてもらった。風魔法を教えてあげたかったにしても

腹を切ってきた相手から貰ったような金で泊まる。


情けないなぁ

ツムリは...

もう寝てるな。


目を閉じる。暗闇に安心する。目を瞑ると何もかも

知らん振りができる全てのことを第三者みたいに嘲笑える。


安心してると悪夢を見た。






キブン

コノセカイニユウグウサレテイルシュジンコウガスデニイルノナラバオレハアクヤクニナル。

ヤサシサダケデツクラレタレールハイツカクズレルコトグライシッテイタンジャナイカッテネ





































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