僕の本性
目を開けると見慣れてない天井が目に入る
「うわっ!」
天井のシミが顔に見えて驚いてしまった。恥ずかしい
白子に見られてないよな?僕が視線をやると白子はおらず、布団が綺麗に畳まれていた。
なんとかなく外を見る。人間の習性かそれとも落ち着いて外を見れるようになってそのせいか、
理由はわからないが何となく外を見る。ほかの人もそういうことがあると思う。それが僕にもあっただけだ。
外を見ていると、ちょっと遠くに必死に剣でそぶりをとっている美少女がいた。白子だ。
このまま動いても、馴れ馴れしく思われるから軽く挨拶するか
近づいても反応されない!?もう少しで手が届くぐらいになった。触っていいのかこれ。
「何してるの?」
情けない姿を見られた
「いや、起きたからおはようぐらいは言おうかなって」
「おはよう」
宝石みたいに綺麗な目から注目を浴びる。
(そう、お気づきの方もいるだろうけれど僕はその人の魅力を文にするのが大の苦手であるすみません)
「お、おはよう何で素振りなんかしてるの?」
「そりゃ冒険者だからトレーニングぐらいはしないと」
今見ればそうとしか思えない。
「何みてんのさ君もやるんだよ?」
「ば、僕も?」
「冒険者になりたいんでしょ?だったら努力しようよ」
努力しないと冒険者になれないのは受付場を見れば明白である、フリだけでもいいからやるんだ。
「わかったよ。努力する。」
「いい心構えだ!じゃあまず素振り1000回ね。」
漫画でしか聞いたことのない回数だ。
まさか本当にやることになるとは肩が痛い。
こんなのに似たメニューを30分
「きゅ、休憩を..っ」
「まだまだ!ほら見てこの腹筋、筋トレ続けてたらこうなれるよ」
「み、見せなくていいよ」
ギリギリのラインで服を捲り上げる。
正直あまり割れてなかった。
そんな事を言ったらショック受けるだろうから言わないが....
この後もずっと筋トレに付き合わされた。
「よし、そろそろご飯にしようか」
「や、やったぁ、」
今まで生きていて一番体の限界を迎えそうだ
「じゃあ作っておくから今のうちにシャワー入っておきな〜」
そんなに汗臭くなっていたのか僕
外に出てカーテンが掛かってる小屋に入る。
現代で説明しなくともそれだと理解できるシャワー?のダイヤルを捻る。
キュゥキュッと
音と同時に冷たい水が出てブルっと震える。1秒後には温かいお湯が出てくる。日本の文化を完全に取り入れているな。
「お湯ちゃんと出るんだな」
一人呟く
僕は何故か人前に出るとどうしても皮をかぶってしまう。弱い雰囲気を醸し出す。いやいや本当に僕は貧弱だ。そうじゃなくて、口調や一人称が弱くなる本当は傲慢で自己中な言動で話すんだ。
白子は僕のことを何も知らない。それは都合のいいことであって、見苦しい。堅苦しいことである。何も知らないことでそのままいい印象を残せる。
僕は昨日、自分でちょっとだけ異世界に行ったのなら冒険者になりたいと思っていた。ちょっと?それは元々思っていたからなのかそれともやりたいって思っていた大きな願望が自分の人生の照らし合わせで小さくなっていったのか、
異世界転移によって現状僕のことを知っている人はゼロであって昨日も言った様に僕は変われるチャンスを手に入れている。だけどどうだ?それを全力で掴み取ろうとしているのか?英雄になりたい?
そんなのは叶うか敵わないかなんてわかってるそれは誰よりも自分を見てきたから言える。だけどそれを全力でやっている様に見えるかい?見える様にぐらいはしないといけないんじゃないか?英雄になりたいんだったら転移して自分の事を知らない人がゼロなのを利用して英雄譚を築けばいいじゃないか
「慰〜、服とタオル置いとくから〜」
いいや着替えよう
カーテンを開けると、明らかにサイズが大きい天ぷら作ったら終わる白いダボっとした異世界らしい服
それにス、スカートっ!?
白子...許さんぞ
「慰〜着替え終わったら、ご飯食べよ〜」
「これス、スカート?」
「そうだよーごめんね、ズボンないんだよ」
とか言いながら白子はズボンを履いている。
こんなクマが多い男にスカート履かせるとは変な趣味だな白子よ
....意外にも履き心地いいなこれ。
ドアノブを握って開けようとするが、びくともしない
そうだ鍵が掛かっているんだ。
「主人の帰宅を....」
「ごめんごめん忘れてた」
危なく凍え死ぬとこだった。
テーブルには豪華な料理が並べられている。
冷蔵庫とかがないかな世界だから樽に氷水を入れて食材を冷やしている。
見知らぬ女子と食卓に並ぶなんて何年ぶりだろう。いや初めてだ。
「いただきます」
体を使ったからなのかそれとも白子が料理上手だったのかどちらにしろすごく美味しかった。
食べ終わったらまた昨日みたいに白子は布団を出してグースカ寝た。なんという無防備なのだろうか、
服は別に薄着ではない。なんなら分厚い服を着こなしている。逆にエロい。同い年の子に欲情しかけるとは
ダメだダメだ寝よう
目を開けるとまた白子がおらず布団が綺麗に畳まれている。
今度はちゃんと意味があって窓から外を眺める。
すると必死に剣を素振りしている美少女がいる。正体はわかってる。白子である
昨日と違って何をしたらいいか知ってるから
外に出て挨拶をしようと近づくけど、
触っていいのかこれ。
昨日より親しくなってもまだこの行動は取れない。
昨日あんなエロい妄想してしまったのに....
「あっ慰おはよう」
「お、おはよう」
昨日と同じ流れで進んでしまった。つまり?
また30分近く筋トレに付き合わされた。
「はいタオル。シャワー行ってきてね⭐️」
またスカート....履き心地がいいからいいけど...
よく考えれば2日連続で女の子と食卓並ぶのはすごい幸せなことではないだろうか?
「はいこれどうぞ」
「なにこれ経典?」
「そんなわけないじゃないか!これはこの世界の言語の学習本だよ。」
僕の為にわざわざ買ってきてくれたのか?
「ありがとう。買ってきたの?」
「いや、いつかこうなることを予想して
買っておいたんだよ」
一昨日、自称案内人とか言っていたし僕みたいな転移者を家に招くことは先に計画立てていたのか。こんな無防備な姿で....ともかくもらっておこう
「毎日30分覚えるんだ。私も徐々にこの国の言語を使っていく。」
英語は五教科の中でも2年生の頃は得意だった。
今でも外国語を学ぶのがだと信じよう。
「わかったよ寝る前にやる。」
意外に鬼畜なとこあるな。いやいつまでの白子の爪をかじる様な生活送るわけには行かないな。
ご飯があるので、一旦本を床に置かせてもらう
ご飯は昨日とは違ったメニューで前の世界でも存在しない様なもしあれば取り合いで戦争が起きる様な味だ
つまりうまい。
白子は隣でグースカ寝ている。また無防備だ。
毛布が布団からズレてる、
どれだけ寝相悪いんだ....
この国の言語習得しないとな、
.....僕は明日も明後日もこんな感じで異世界で暮らすか?さっきも思った通りいつまでも白子のとこにはいれない。言語の事を言ったのは外にで歩いた時の事を言ってくれているんだろうな。
白子は僕みたいな奴がずっと居候してもいいと思っているだろうか、いやニートと同じだ。元々ニート以下の生活を送っていたけれどこの世界では真面目に暮らしたい。決めたぞ
あと2ヶ月以内にはここから出て行こう。
寝るか..