かわれるチャンス
堕ちていったはずの僕の身体がある。
いつの間にか全く見知らぬとこでつったている。
嫌いな人の声がたくさん聞こえる。
聞こえるが、それは知っている言葉ではなかった
何を話しているのかわからない。いや、言語が違うんだ。だとしたらここは外国か?僕売り飛ばされてしまったのか....それにしては時代が現代とは言いにくいな、それでも言語が違うことには変わらない。どっちにしろデパートで迷子になった4歳状態だろう。
服装もここではあり得なさそうなパーカーだしどうしたら良いいんだ...
「%々¥:|+**→3々?」
うずくまっているとさっきのよくわからない言語が耳の近くで聞こえる。
「大丈夫?」
唯一喋れる言語の日本語だ。
上を見上げると美女が膝を曲げてこっちを見ている
うずくまってた僕に声をかけてくれたのはの僕と歳が同じであろう女の子だった。
「やっぱり日本人だね、私は色野白子だよ。君は?」
「九重慰....日本人」
「そっか、ところで慰君。なぜ君はこんなとこにいたの?」
「それがよくわからなくて、いつの間にかここに突っ立てて..」
「じゃあ来たばかりかな?もしよかったら、私が案内しようか?」
いつの間にか柔らかい手に握られている
「良いですけど、どこ向かうんですか?」
同世代なのはわかる。だけれども親しくもない相手からのタメ口なんて無礼だ
「丁度ここから受付場は近いんだ。冒険者になるために町の人が向かう市役所のような場所だね。」
続けて一言
「ねぇ慰君。もしよかったすぐ近くに受付場があるわけだし冒険者になってみない?」
「僕がなっても他の人の足の引っ張るだけ...」
「それは努力すれば良いだけの話だよ」
彼女は軽々しく努力と言った。
僕は引き返そうと逆方向を歩いた。だけど彼女は見かけによらず怪力で非力な僕の腕では抵抗なんて一切できなかった。
「冒険してみない?私も助かるからさ」
助ける.......そんな言葉は前の世界では死ぬほど言われた。なのに本気で助けてくれる人なんて現れなかった
僕の中での助けるという意識ですら本物なのかわかわかないのだ。
なのに軽々しく彼女は「努力すればいい」とか言う。
「自分に自身を持てるようになるよ?」
僕はたしかに今自分に対して自信が全くない。それは生きることを放棄したようなことをして全て自分から失わさせるようなことをしたからだ。
「この世界では君のこと知っている人は私と君ぐらいなんだよ?新しい生活を始めるなら今じゃない?」