登場人物紹介 雪代ノ奥方
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◆『雪代ノ奥方』
【職 業:武家】
【種 族:白虎族】肉食系大型ケモノビト
【階 級:上級武士】筆頭家老職の祖父があり、その孫にあたります
【年 齢:二十二】一端の成人女性です。なおこの時代では結婚適齢期が十五から十七とされます
【段 位:七段】実戦経験は皆無ながら高度な武芸の教育を幼少期より積み、素質もあります
【外 見:白黒】多種族の男性よりも大柄な、大型種の美しい女性です
【好きなもの:家族、食事、温泉、読書】
【嫌いなもの:戦い、粗暴さ、怪我】
【器用】A【敏捷】A【筋力】S【生命】A【知力】A【精神】A+
肉食系大型ケモノビトの中でも最強の種族といわれる白虎族に相応しい能力を有します。
素質に優れるだけでなく、十全な修練を積んでおり、足りないのは覚悟と実戦経験くらいです。
とりわけ突出した筋力は長大な大剣や長槍を難なく使いこなし、弓矢の威力も桁違いです。
竜魔の端くれ程度ならば、素手でも噛み殺せるほどだと噂され、能力的には可能です。
しかしながら額面上の強さを発揮できない事情がいくつかあるようで、なにかと未知数です。
【人物解説】
筆頭家老を輩出する藩政のナンバー2、雪代家の孫娘です。
祖父や父親、また叔父などは藩の重要人物とされており、いわば当世のお姫様です。
婿入りしてきた黄虎族の旦那を失い、武家の習いに従って仇討ちの旅に出ることになりました。
雪代家は男女を問わず武芸を習い、修練を積んで戦いにも赴きます。
戦国時代をはじめ、幾度かは女当主が家を仕切っていたこともあります。
ただし奥方の継承順は四番(長兄、叔父、長女に次ぐ)とされています。
家族親類は多く、兄弟姉妹だけでも二男三女あり、次女にあたります。
千代丸というまだ幼い我が子が居るらしく、そのこともあって決して死ぬまいと誓っています。
しかしながら仇討ちを果たさずに実家に帰ることもできず、現状は牛歩戦術を企んでいます。
なんとか好機を見つけ、家の名誉を守りつつ仇討ちの危機を回避したがっていますが……。
教育や金銭、能力に恵まれて生まれた反面、それに伴う義務やしがらみが多いようです。
利発で教養もあり、文武に長けます。
――しかし当人はのほほんと気楽に暮らしていたいと願ってやまないようです。
怠惰でありたいと願っている黒狐のウコンとは思惑が一致しており、気が合う様子。
親しげに接してきては世話を焼いてくれる銀狐のサコンにも心を許しているようです。
とてもよく寝て、よく食べます。
寝ている時間の方が長いものの、一族皆こうなので昼寝を咎められたことはありません。
旅の最中は男性を装っており、若武者風の凛々しい美男子に化けます。
やや演技力に難があり、時々おかしな言葉遣いや仕草になることも。
人肌脱げば領国一の美女と謳われるほどで、ウコンが釘付けになるほど豊かな体つきだとか。
【異能解説】
『竜魔刀/鬼切真夜綱』
異能を宿す上玉竜魔刀、小太刀。
真夜中に襲ってきた鬼の片腕を切り捨て、難を逃れた逸話があるとされている。
竜魔刀は通常の鉄刀より切れ味と強度が格段に増しており、竜魔に有効打を与えることができる。
使い手次第では、さらに強靭強力な武器ともなりうる。
竜魔の本命から産出する上竜玉は『異能』を有しており、元となる竜魔の力を引き出せます。
ただし、竜魔刀は竜魔の魂と同調することで精神が破綻するリスクを抱えています。
このために精神修行が欠かせず、鍛錬が足りないと握っただけでもおかしくなりかねません。
奥方はああみえて精神鍛錬を十分に積んでいるため、少々のことでは気を違えはしません。
しかし、真の力を発揮するにはそれでも相応の覚悟と『正真正銘』が必要となります。
『虎綱』
白黒の綱を現出させ、変幻自在に操る鬼切真夜綱の異能です。
竜魔の端くれを絞殺せしめる力強さ、強い荷重や衝撃にも耐える頑丈さを備えています。
複数の虎綱を撚り、合わせることで白黒の大蛇と形作ることもできます。
強力無比かつ応用力が高く、相手を縛るだけでなく自分の移動にも利用できます。
【種族解説】『白虎族』
白虎族は最強の種族とされる、超武闘派の肉食系大型ケモノビトです。
他にも有力な戦闘向きのケモノビトはいるものの、一二を争うほど強力無比です。
原種となるトラもまた、肉食動物としては最強格といえる凄まじいパワーとスピードを有します。
なお世界全体を見回せば、ゾウやカバ、キリン、ライオンなど大型の動物が存在するのですが、
この物語の舞台上にはアフリカの大地に暮らすような動物は登場しません。
虎は日本には生息しないものの、日本人には馴染み深い動物ということでひとつ。
白虎族および黄虎族は非常に希少な種族であり、海外渡来の出自だとされています。
原種となる動物の実物を庶民はほとんど見る機会がないことも神秘さに拍車をかけています。
戦いにおいては突出しているものの、それゆえに危険視されてきた過去を持つ一族です。
好戦的であるがゆえに大きな戦乱の時代には合戦続きで絶滅しかけた経緯があります。
数千人に一人という人口割合の希少種であり、大半は少数の藩の重職についています。
白虎族や黄虎族の結婚相手については、それら少数の生き残り同士で行われます。
白虎族に限らず、ケモノビトは同族か近似種との婚姻を基本としています。
差異の大きい種族の場合、子供はできるものの、どちらかの性質を受け継ぐことになります。
「代々犬狼族の家系の次なる当主は猫族になります」ということではお家騒動になるわけです。
ただし庶民の場合、種族違いであっても上流階級ほどは気にしない傾向にあります。
白虎族は黄虎族の白変種であり、じつは黄虎族と同一種であると言ってよい。
白変種や白化は遺伝子欠損によるアルビノと違い、正常で虚弱性を伴うようなものではない。
ホワイトタイガーなどは氷河期時代を生き抜くにあたって白は有利な保護色であった為、遺伝情報として受け継がれているといわれている。
ケモノビトの白虎族の場合、白虎と白虎、黄虎と白虎、黄虎と黄虎いずれかで産まれる。
黄虎族同士であっても遺伝の基礎に白化する可能性があり、逆もまた然りである。
白虎族の家系を保つために嫡子であっても白虎でなければ家督を継げない、あるいは白虎を養子に迎え入れるといったことも度々行われてきた。
確率上はやはり白虎同士が一番に白虎の子が産まれやすいとされている。
白虎族と黄虎族には能力上の差異はなく、また明確な上下関係もない。
白虎族の家柄にあっては黄虎は疎まれるが、黄虎族の家柄にあっては白虎が疎まれることもある。
こうした場合、しばしば互いに養子に出して同じ見た目の子同士で育てるといったこともある。
毛色を巡る議論については白虎族の中でも意見が分かれ、方針は家々や風土で異なっている。
白虎族は瞬発力があるものの持久力が無く、長時間の運動や走行は苦手とします
原種のトラの場合、見通しの悪い茂みなどを利用して近づき、奇襲を掛けて獲物を襲います。
なんといっても力強く、発達した前足と肩の筋肉で抑え込み、鋭いかぎづめで離しません。
そして最大の武器である牙は、ネコ科最長の長さ、噛む力はライオンの二倍とされます。
しかし狩りは十回に一回の成功率とされ、その一回で仕留めた大きな獲物を数日かけて食べます。
ケモノビトの白虎族の場合、原種の発達した前脚や肩の筋力はやはり腕力に反映されています。
隠された武器である歯牙を用いて、鎧の装甲を噛み砕いて敵を倒した逸話もあるとか。
とかく白虎族と一対一で戦おうという命知らずは皆無です。
燃費が悪いのか、睡眠時間がとても長いという弱点があります。一日に最大十五時間も眠ります。
戦いのない平時では食っちゃ寝しがちで他種族には皮肉をいわれたり羨ましがられることも。
しかし睡眠の長い分、精神的にはリフレッシュしやすいようです。
五感は嗅覚、視覚、聴覚いずれも優れており、また暗視もでき夜間行動を得意とします。
また白虎族はじつは水泳が得意な種族であるともいわれています。




