2-1 探偵さんが作った偶然
「被害者は名瀬蛍。男性。職業は予備校の数学教師。」
運転席に入り、義孝は車を発進して、現場へ向かった。
同時に、彼はさっきもらった資料をまとめて、二人に報告している。
「死者昨日は朝と午後、二つのコースがありました。
「朝のコースが終わったあと、死者は事務室に戻りました。昼ご飯は外出で解決、一時間くらいかかりました。
「午後のコースが始まる前に、教師に声をかける係の生徒は彼を見つけられませんでした。
「結局、トイレで遺体を発見しました。」
「それだけ?つまらない。こんなに簡単な案件でさえ解決できないの?」
「いや、案件次第は簡単かもしれないけど、問題は発見の場所です。」
「トイレ…がどうした?」
「それは…女子トイレです。」
「女子トイレ!?」
「はい。資料はこちらです。二人とも目を通しててください。」
名瀬蛍、男性、34歳。
父は若い年で他界したが、母は健在。外見が似てる双子の妹がいる。
大学は元々運動学科だが、そのあと数学学科に転入し、教師資格も手に入れた。
業界の中でも評判がいい、外見も仕草も素敵だと言われている。
資料を見てからすぐ、三人は予備校に到着。
中に入る前に、やなは少し観察をしてみた。
付近の交通施設はとっても抜群、すぐ前を歩けば、大きい建物が一杯揃ってる。
向こうにある素敵なカフェ、「GLOWWORM」は新しい店で、見てる限り客はあまりいなかった。
そして、予備校に入った三人の目の前に、一人の警察官が現れた。
「よぉ!くそ野郎!」
「よぉ。バカ長。」
その警察と綿二人は挨拶のあと、同時に笑った。
「君たちも座れ。こんなバカには遠慮なしだ。」
「相変わらずだな、このくそ野郎目。こいつは誰だい?お前の彼女か?」
警察の質問を聞いて、やなはすぐ立って自己紹介をする。
「はじめまして、真田やなと申します。朝田さんの見習い助手をやっています。」
「おぉ?こいつの助手になれるって、見習いでも半端じゃないな。」
「大袈裟です。」
「さぁ、話を戻すべきだぞ。」
事件にかかれば、綿も普段より少し真面目になった。
「発見の経過と死者の資料はもう見た。この間に何か新しい手かかりでも?」
「死者のテーブルを探ってみたら、こんなものが。」
その警察がそう言ったあと、隣の警官が二つのものを持ってきた。
「これはl死者の日記、それは消費記録。」
「えっと…日記の内容は普通だな…っていうかはっきり書いてねぇな。」
綿の手元から日記を受け取り、やなはすぐ二ヶ月まえほどから見ました。
「最初はいつも景色が美しいと言ってるが、最後は必ず誰かへの思いを書きますね。それに…何でしょう?FW?」
「保留しよう。消費記録ね…ちょ…女装の店しかねぇじゃん!死者は男じゃねぇか!」
簡単に見える案件なのに、複雑になっていく。
これ以上の手がかりがないため、四人は名瀬の住所に行った。
そこにいるのは、名瀬蛍のたった二人の家族の一人、彼の母親だった。
「すみません、ホタルさんのことについて…」
「うん?あぁ!警察さん、間違ってるよ。先生をやってるのはケイちゃんです。」
「ケイ?あぁ、そういえば、そういう呼び方もありましたか。」
「うちの子供はね、名前の漢字は同じだけど、兄がケイで、妹がホタルです。」
綿は少し微笑んで、興味が湧いてきたようだ
それもまた、やなが見つめている。
「それでは質問させてもらう。ケイさんは最近、何かおかしいことでもありませんか?」
名瀬さんは少し考えてみたけど、最後は無いとはっきり言った。
「すみません、僕は朝田と申します。あの…ケイさんとホタルさんの普段な生活について聞きたいと思います。」
「普段?あの子たち、双子でしょう?顔が似てるし、仲もいいんです。時々間違うんですよ。
「昔はよく一緒に買い物とか行くんだけど、最近じゃ自分の仕事に集中しています。」
「ホタルさんはどんな仕事を…?」
「その子はね…兄とずっと一緒にいるから、スポーツに興味を持ち始めました。最近は自転車で島を一周回ろうとか言って、行ってしまいました。」
「兄がなくなったことを…知らせていませんか?」
「したいけど…言えませんでした。」
ドアを開けた時から初めて、名瀬さんの声が震えた。
「実はね、最初は三人の子供がいたのですよ。
「私、娘が欲しいから、ずっと期待していましたが。
「結局、末子の男の子がなくなってしまいました。
「苦しいほど、私はホタルちゃんのことを愛しています。
「あの二人も、お互いのことを大事していて…
「どう言えばいいのでしょう…」
名瀬さんが泣いたのを見て、男三人はどうすればいいのか、わからなくなってしまった。
「大丈夫です。」
やなが微笑んで言った。
「ケイさんにとって、ホタルさんが幸せに生きるだけで、それで十分なのではありませんか?」
やなのおかげで、名瀬さんも冷静になった。
「ところで、どうしてケイさんは数学学科に転入するのですか?」
「私もあんまり聞いていないけど…どうやらホタルちゃんの勉強姿を見て、そう決まったみたいです。」
「ホタルさんの?」
「ホタルちゃんは勉強上手し、好きなんです。いつも数学問題を簡単に解けるみたいですし。」
「そんな彼女が自転車に?」
「私でさえ、二人は交代すべきだと思ったことがあります。」
一瞬で、綿の目が閃いた。
やなはなんとなく、綿が真実を知ったと思ってしまう。
「ふぅ…やな、君はどう思う?」
「私?えっと…」
「黒沢は?」
「わかりません。」
「そうだな。ねぇ、バカ長、疲れた僕たちを見て、ご馳走すべきなのではないか?腹が減ったぞ。」
「まったく。どこに?」
「そっち。GLOWWORM。落ち着けるし、話の内容も人にバレないしね。」
綿のアドバイスによって、四人はそのカフェに入った。
この頃、丁度ひとりも客がいなかった。
「いらっしゃいませ」と言った女店員はそのまま、テーブルを整理してる。
「四杯ラテでお願いします。食べ物はあとで決まってもいいですか?」
「いいですよ。」
「ありがとうございます。一人で留守なんて、大変でしょう。」
「えぇ?いいえ!いつも私だけですから。」
マスクを着けたままでも、女店員のかわいい声は人に元気をつける。
彼女が作ったラテも、実に香ばしい。
「コーヒーも飲んだ。そろそろ言わないと、昼ご飯はなしだ。」
「そんな!バカ長よ、君はそういう言葉でさえ言えるのか!」
二人が騒ぐのを見て、義孝もやなもこっそり笑っていた。
「ところで、お前たちはどうだった?」
「僕からでいいですか。僕は女子生徒がやったと思います。死者の行動を把握できますから。」
義孝ははっきりと言い出した。
「犯人なのかはともかく、ホタルさんは怪しいと思います。このタイミングで出掛けるなんて。」
推理を言ったあと、やなは綿を見てる。
「朝田さん、どう思いますか?」
「二人とも正解。まぁ、ここは当事者が説明してもらおう。」
「当事者!?」
「説明してくれませんか?名瀬さん。」
綿は少し微笑んで、隣の女店員を見ていた。