1-2 ずっと憧れていた、その姿
そして、翌朝になった。
早起き…っていうか全然寝れなかった少女真田は、そのまま桜の木の下へ来た。
そっと木を撫でながら考えようとしたが、できないとふっと思った。
綿の隣にいたい、彼の助手になりたい。
そう願っているのに、そういう力がないと知ってる。
悩んでいる真田の目の前に、やっと綿の姿が現れた。
「朝田さん…?」
今回、綿はもう一人を連れてきた。
それはちょっと真面目な…むしろ、ちょっと天然な男だった。
笑顔はとても爽やかだけど。
「真田くん、答えが出たか?」
綿の笑顔を見て、真田はふっと分かった。
「この問題を出すことってつまり、私じゃ答えられないと思ってるんじゃないですか?そうでしたら、私もそう思います。」
「おぉ?そうか。」
真田の答えに、綿は返事が薄い。
かわりに、彼は隣のあの男を見ていた。
「黒沢、君は?」
黒沢と呼ばれる男は少し考えて、そして笑って言いました。
「七夕で、好きな人のために書いた、一人の少女でしょうか。」
黒沢の結論を聞いて、真田は納得できない目線をした。
「失礼致します。黒沢さん、七夕の笹と言えば、高い方がいいとご存知でしょうか?
「なのに、この笹はたった130センチです。
「小さな子供にしか考えられません。
「この"わたし"を見て、女の子だと判断できます。
「女の子がこういう言葉を書くことから考えると、好きな人じゃなく、憧れの相手に書いてるものです。
「以上が、修正すべきな所だと、私は思います。」
真田がペラペラと喋ったあと、ビックリした黒沢と笑ってる綿がいた。
でも、一番驚いたのは、真田自身かもしれない。
「真田くんすごいな…黒沢を完敗されちゃった。」
黒沢は綿に不満な視線を投げたあと、真田を見つめている。
「それほど知ってるなら、なぜ最初から言いませんか?」
笑顔が消えて、綿は真田を真面目に見つめる。
「黒沢の言う通りだ。やる前に諦めるなんて、最低だ。」
「…はい。」
真田がへこんでるのを見て、綿は笑いながら、彼女の髪をめちゃくちゃにした。
「あ…朝田さん?」
「へこむな。合格だぞ!今日から君が僕の見習い助手になったってことだ!」
見習い助手になった真田も、正式的に黒沢と知り合った。
黒沢義孝、神社の仕事をしてる男。
真面目な性格で、勉強も抜群だが、推理は少し下手。
因縁のおかげで、彼は綿と一緒に行動によって、自分の視界を広げようと決めた。
「真田ちゃん、どうぞ。」
綿の事務所で、義孝は三杯の紅茶を運んで、その一杯を真田に渡した。
「あぁ、ありがとうございます。名前の"やな"で呼んでください。朝田さんもお願いします。」
言って、やなはコップを両手で持って、少しずつ飲む。
「それにしても朝田、今回の問題は難しすぎですよ。本当に答えを知っていますか?」
「知ってるよ。」
紅茶を持って、綿はすぐ飲み干した。
「そう…?」
義孝は疑いながら座り、ゆっくりと飲んでいた。
その時、電話が鳴った。
義孝はすぐコップを置いて、電話を受けた。
「…わかりました。朝田、事件です。」
「桜の木の下」の始まりをお読みいただき、ありがとうございます。
この作品は、私の初めての推理小説なので、謎の仕掛けなど、甘い部分もありうると思いますが、どうかご了承ください。
自分で中国語から日本語に翻訳したので、書き方おかしい、と思うところもあるかもしれません。コメントとかで言ってくれると嬉しいです。
「桜の木の下」は全部14事件がありまして、サブタイトルに書いてる数字は、事件ナンバーと、これはこの事件の何話目を表しています。例えば、2-5はつまり、二件目の事件の第五話、という意味です。
今はまだ、このサイトを使ったばっかりなので、不慣れなところはたくさんありまして、少しバタバタになります。
今回はここで後書きしましたが、これからは作品の最終話で書くことにします。
それでは、次の更新でまた会いましょう。
これからもよろしくお願いします。
雨上がりでした。