三、レナ
「…勇者?お前が?」
ソラを落ち着かせたレナ達は、村長の家で話をすることにした
話を聞くと、レナはヒュマリス国が召喚した勇者の一人だという…
「うん、私以外にもクラスメイト…あ、知り合いね?三十人ぐらいいるんだけど…」
「え、多くね?」
ソラのツッコミに「気にしたら負けよ」と返すレナ…
「皆が凄い強いステータスとか、スキルとか、職業持っている中で私はただ一人“薬剤師”っていう非戦闘系の職の上にステータスが低かったのよ…」
「…でも、蠱毒の洞穴を制覇したんだろ?」
「追い出されてから制覇したのよ、あそこは…だって「弱い奴はいらない」とか、「クスリなんて買えばいいんだから薬剤師なんていらないじゃん」とか、挙げ句の果てには「雑魚なんだから俺達の慰み者になれ」なんて犯されそうになるし!!ヤバいと思って助けを求めようとしたら「あいつ等がそんなことするはずない!!」なんて言ってきて着の身着のまま城を追放!!あり得ないでしょう!!」
「た、確かにな…」
―流石にひどくね?
それを聞いたソラも思わず同情したが…
「それで、その時は殆ど裸の状態だったから、如何することも出来なくてわざと盗賊に襲われるふりして周りの薬草とかで毒薬作って其奴等毒殺した後に服はぎ取ってから近くにあったそのダンジョンをストレス発散で制覇したのよ」
「待て、ストレス発散でかなり危険なダンジョンを…?」
流石に引いたソラ
「まぁ、おかげで“蠱毒の法”って言うスキルと“毒魔法”のスキル入手したけどね…因みに制覇した後にこの村にたどり着いて成り行きを話したらこの村で暮らさない?って言われてこうなったのよ」
「凄いはしょりっぷりだな、おい!!?…まぁいいや、ステータスプレートとかあるか?本当かどうか知りたいんだが…」
ツッコミながらもそう言うソラ…
本来、ステータスは本人にしか見えない物だが、それを見られるようにした物がある…
それが、ステータスプレートである
冒険者として登録した物や城で勤務している人にしか広まらないものである
しかし、レナは…
「…あ、ごめん…城に置いたままなの…」
「…じゃあ、仕方が無いな…蠱毒の洞穴のコアを破壊したら、再発行して貰うぞ?その際には俺のグループにはいって貰う」
「?グループに入ってるんですか?」
「?あぁ、言ってなかったな…俺の所属しているグループの名前は」
にこやかにソラが言おうとしたときだった
―バアンッ!!
「村長、大変だ!?」
突然扉を開けながらはいる若者…
「如何した、そんなに急いで…」
それを見た村長は訝しげな顔になる
…てか、村長が話したのなにげに初めてである
「王都の騎士隊が来た!!この村にレナといる女がいるはずだって!!」