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風の歯車  作者: 甘い甘~い卵焼き
1/3

一、出会い

書いてみようと思い書いてみました

気に入っていただけたら幸いです

―役立たずはいらない


ねぇ、待ってよ…


―薬剤師なんて必要ないでしょう?


何で?

ポーション作れるんだよ?


―店で買えば良いじゃん


それはそうかもだけど…


―とっとと出てけよ


そんな!?


―お前はいらない存在なんだよ


人を勝手に召喚しといてその言い方はないでしょ!?


―出てけ


―出てけ


―出てけ


―出てけ


やめて…


出てけ出てけ出てけ出てけ出てけ出てけ出てけ出てけ出てけ出てケ出てケ出てケ出てケ出てケ出てケ出てケ出てケ出てケ出てケ出てケ出てケ出てケ出テケ出テケ出テケ出テケ出テケ出テケ出テケ出テケ出テケ出テケ出テケ出テケ出テケ出テケ出テケデテケデテケデテケデテケデテケデテケデテケデテケデテケデテケデテケデテケデテケデテケデテケデテケデテケデテケデテケデテケデテケデテケデテケデテケデテケデテケデテケデテケデテケ


私を…


私を一人にしないでよ!!


●○●○


「……ッ!!!!」


辺境の村にある家…


その一室で、リナは汗を搔きながら飛び起きていた


「…また、あの夢…」


そう呟きながらため息をつく…

まだあれから1週間も経っていない…


夢として出て来ても可笑しくないだろう…


「(あぁ、もう!!一回考えるのは辞め辞め!!)」


―今が充実してるんだ、それでいいじゃない!!


そう結論した彼女は、朝の手伝いをするために着替えるのであった…


○●○●


「盗賊…ですか?」


「そうなんだよ、近々近辺に盗賊が出たという噂が出ているから、村から出ちゃダメだよ?」


―まだ薬草の備蓄あるだろ?


そう言いながら皿を洗うおば様に解りました、と頷くレナ…


しかし翌日、それを早速破ることになってしまった…


村の外に出た子供を探すために森に向かったのだ…

幸い、入った所で見つけたのだがなんか隠れてこそこそやっているのでレナは声をかけてみた


「坊や、何やってるの?」


すると逆にこっちが驚く位に驚き慄く男の子…


最初にこの村に来たときに「ねぇちゃんは俺が護るからな!」と意気揚々と言っていたが、やはり子供だな、とレナは少し笑ってしまう


「な、なんだねえちゃんか…脅かすなよ!」


怒っているわりには音量は小さめであることに疑問を感じるレナ


「お母さん達が心配してるよ?早く帰ろう、盗賊も出てるって言うし、ね?」


「その盗賊ならそこにいるぞ、ほれあそこ」


坊やの指差す方を見ると…


「…盗賊、なのかな…?」


立派な角を持った鹿を連れた、レナと同じくらいの青年がいた…

若葉色の髪がよく似合う


「あいつを倒して爺ちゃんやゴンさんに俺の力を認めさせてやる!」


「いや、大人達に言うから、あなたは「行くぜ、盗賊!!」こ、こら!?」


慌てて止めようとするが、間に合わなかった…


「隙ありぃっ!!!」


石で牽制した後、木剣を青年の顔面に打ち下ろそうとするが、


「ヌオッ!?」パシイッ!!


白羽取りみたく止めてしまった…


その後すぐに降ろすと怒りの形相で見る青年…

まぁ、普通は怒る、怒らない方が寧ろどうにかしてる


「おい!人をいきなり殴りつけるたぁ、一体どういうことだ?」


全くもっておっしゃるとおりです


「う、うるせえ!黙れこの盗賊!」


「盗賊…?」


「最近この辺りに出るって噂だ!」


「俺は盗賊じゃないぞ?」


即答する青年…

そして、傍観するのをやめたレナは男の子の隣に立つ


「ごめんなさい、この子、早とちりをしたらしくて…」


苦笑して言うと、青年も苦笑して返す


「いやいや、大丈夫ですよ、怪我もないですし」


そのまま会話を続ける青年


「そういや挨拶もまだだったな、俺はソラ、ただの…いや、ただのでは無いか…少し訳ありの旅をしてる旅人だ。で、こいつは相棒のティアラだ…この辺は初めてなもんで道に迷ってな…坊やとお嬢さん二人はこの近くの村の住民だろ?悪いが村まで案内してくれないか?」


それを聞いてむっとする男の子


「俺は坊やなんかじゃねぇ!!オルカって名前があるんだ!!いずれ“風の歯車”に入る男だぜ!」


そう言いながらドヤ顔する男の子…オルカ…

“風の歯車”とは冒険者ギルドに所属する冒険者のグループの一つで、レナとオルカの住む村のある国、“ヒュマリス国”の隣にある国、“リブラス国”を中心に活動している冒険者グループである


僅か3年前に出来たグループでありながら様々な高難度の仕事をこなした為、今では“リブラス国”の最高戦力とも言われている…


「私はレナといいます」


オルカを落ち着かせてから自己紹介をするレナ…


「宜しくな…で、オルカ…なんでお前は“風の歯車”を目指したいんだ?」


「そんなの決まってんだろ!かっこいいからに決まってんじゃん!」


目をキラキラさせながらそう語るオルカ…


「この子、風の歯車の話を聞いてあこがれを持ったみたいで…」


レナは苦笑しながらそう言う


「へぇ…」


「何だよ?」


ニヤニヤするソラにムスッとなるオルカ…


「聞くがオルカ、おめーさんは強いのかい?」


その質問にオルカは自信満々にVサインを出しながら高々と言った


「おうよ!毎日素振り2000回に、じいちゃん達の力仕事の手伝いしたり、村の周りを20週したり、腕立て腹筋背筋それぞれ100回ずつやってるぜ!」


「ほ~う(結構頑張ってるんだな…)」


それを聞いてソラは感心した

その時だった


――ざわ!!


「(っ!?殺気!まさか盗賊か!?)」


ソラの背中を冷や汗が走り、彼は瞬時に戦闘態勢をとる


「おい!二人とも下がってろ!!って…」


殺気のする方角に向き直ると同時に自身の視界を埋め尽くす布と白く色っぽい生足、そして…


「二人に…」


「し、白!?」


「何してんのよー!!?」


男とは悲しい生き物、己の危機にすら、その純白の布切れに目を奪われてしまった彼を誰が責めることができようか?

だが悲しいかな…彼にその桃源郷を堪能する猶予は残されてなかった…


「グリパパアアアアアア!!?」


「あっ、ユリ姉ちゃんだ」


「ユ、ユリさん、やりすぎです…」


残念ながら、血反吐を吐きながら吹っ飛んでいくソラの身を案じてくれるような者はこの場にはいないようだ…


因みにその蹴りの破壊力は自分が今まで喰らったどの蹴りよりも凄まじかったと後に彼は語ったという…

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