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プロローグ
彼女との出会いは普通だった。
よく聞く一目惚れというやつだ。
何か奇跡的、または運命的。いや、運命は感じたけれども、誰にでも起こりえる出会いだった。
大学に入学した僕(遠野 雪)は写真同好会に入った。
そこで今の僕の彼女、そして今後生涯を共にする女性(宮鳥 陽)に出会う。
一目惚れという事もあってか普段より行動力はあった。
というより他の人に取られたくなかった。
そんなこともあり、同好会に入って一ヶ月ぐらいで連絡先を交換し、その二ヶ月後ぐらいに告白した。
告白の時のことは今でも鮮明に覚えている。
まあ、その辺の話は追々話すとしよう。
陽との思い出は現在進行形で増えていっているし、振り返ってもたくさんある。
楽しい思い出も、悲しい思い出も二人で乗り越えてきた。
けれども、この思い出は僕と陽にしか存在しない。
決して他人に話しても伝わらない。
"だって遠野 陽は幽霊なのだから。
そう、陽は死んでいるのだから"