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もう一度だけ世界を救え!

宇宙に衛星がばかすかと打ち上げられた時代。といっても俺は宇宙開発とは無縁の高校生だった。

人智を越えた能力、その発展と向上に注力した高校「再全高校」。

人は今まで魔法や錬金術など空想の物と扱っていたが、突如として人に―――特に青年に能力が発現するようになった。

そういう俺も能力者だった。それも珍しい生まれつきのだ。

突如発現した能力は家系や血筋ではなくどの段階で能力者になったかで実力を計られる。

生まれつきは10%、10代前までが10%、10代過ぎてからが30%。

残りの50%は何かって?能力が発現しなかった人間だ。


生まれつきの能力者の俺は赤ん坊の頃から再全高校入学を決められたようなものだった。

もっとも、再全高校が開校するのはもっと先の話だったが。

そして、ついに俺はこの高校入学を果たすときが来た。

校門前から立ち止まって見渡すと国をあげた高校なだけあって、どの設備にも金がかかっている。

生徒を逃がすまいと高校の周りに立てられた3mはあるバリケード、校門に設置してある入校のためのカードタッチ式設備。

寮も完備されており全部個室でシャワーやトイレも個々にあるらしい。確か入校説明で話してあったかな。


五分ほど立ち止まってようやく俺は入校する事に決めた。

財布からカードを取り出し30はある改札のような機械にタッチする。そうするとバーが開き入れた。

ようやく俺も高校生活が始まるのかとドキドキした。

そう意気込んでいるとチャイムがなった。予鈴か。

初日から遅刻はマズイと足早に高校に入ろうとすると背後から爆発音が聞こえた。ああ、聞き覚えのある音だ。

まるで地雷原を走るようになり止まない爆発音。

後ろを振り向くと彼女が走っていた。

真城ちゃん。それが彼女の名前だった。

足が地面を蹴る度に小さな爆発が起き、徐々に加速しながらこっちに近付いてきた。

およそマッハに到達する頃合いにカードを取り出し機械にタッチしてバーが開くより前に宙へと飛び通学してきた。


「お兄ちゃん、なんで私を置いていくのさ!」

「だって真城ちゃんが起きないんだもん。自分が寝ていて何で俺が怒られないと駄目なんだよ。」

「そうだけどさー!」

真城ちゃんは俺の双子の妹だ。そして俺と同じ生まれつきの能力者だ。

二卵性双生児って事になっているので外見はにていないし、性格も似てはいない。

黒いロングの髪をポニーテールるで結んでいるのが特徴だ。そしていつもは、黒い上下のジャージが正装だ。

今日に限ってジャージで来るわけにはいかないので流石に制服ではあるが。


「さぁ、いくよ真城ちゃん。初日に遅刻はマズイ。」

「オーケーお兄ちゃん、私に捕まって!」

そういうと、妹はおぶる姿勢になった。

恥ずかしいが遅刻よりはマシだろう。

素直におぶられるとさっきと同じように駆け出し、地面を蹴っては小さな爆発を起こし加速していく。

ああ、地面がコンクリートでよかった―――

これから波瀾万丈な高校生活が始まるなんて俺はまだ知るよしもなかった。

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