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週間ランキングにも下位ながら食い込ませてもらいました‼
皆様のお陰でございますm(_ _)m
職人街は様々な物を製作する事を生業にしている職人達が沢山いる。
生活用品を始め、衣類やら小物類、剣に盾やつまようじみたいな物まで様々な物が売られていた。
中には金にならないようなガラクタや何に使うか分からないような奇妙な物まで売っていたが、私はそれに期待した。
私のように前世の記憶を持つ者がいるならば、私が求めている代物を作っている変わり者もいるだろう。 そう考えて通ってはいるのだが、この16歳になった今日まで見つかる事はなかった。
そう今日までである。
とある店の前を通りかかろうとした時であった。
店主であろう男の怒鳴り声と共に店先から殴り飛ばされた若い男が私の前に転がってきた。
蹴飛ばそうとしたが、そこは淑女らしく笑顔で手を差し伸べてやると若い男は多少躊躇はしたものの頬を紅潮させながら立ち上がった。
眼鏡を付けた冴えない男だったが、その男が持っていた紙に私は驚愕した。
粗末な設計図だったが、男が持っていた設計図は銃だった。
それも様々な種類の物で、私が使っていた代物まである。
事情を聞くと男もどうやら前世の記憶を持つ転生者だと判明した。
そして貧乏な家庭を少しでも裕福にしたいが為に武器を開発しようと思い立ったのだが、平和なこの国ではうまくいかず、先立つ物もないのでほとんどの職人に断られたのだという。
これは天恵、幸運と言うしかなかった。
すぐさま私は彼ことアルフォンスに融資を持ちかけると、図案をより正確化する為に私も全てを話して何度も会議を重ねながら腕の良い職人をありとあらゆる方法で手駒にし、試作を重ねに重ねてようやく二丁の拳銃と一丁の小銃を手に入れた。
現代にあるようなオートマチック式拳銃はまだ技術的に不可能なので、リボルバーを採用した。
小銃はリボルバーに合わせて西部劇のウィンチェスターをとアルフォンスが提案してきたが、命中精度の高さと装填数、合わせて近接戦の際に効果を発揮する銃剣を装着出来るボルトアクション方式を採用した。
初めて試射した時は感動すら覚えた。
歓喜し何処にぶつけていいか分からないこの興奮をアルフォンスに向けて発散した。
私は純潔を散らしたのである。
これがバレれば不貞と罵られても言い訳は出来ないが、この時にはもう尻軽女が王子に近付いている事を勝手に友達ぶいている取り巻き達からの密告を聞いていたので完全に仲は冷えきっていた。
なので最低限しか会わなくなった。
王子も最初は煩かったが、ある程度期間が経つと大して口を出す事はなくなった。
ここで深窓の令嬢なら悲しみ嘆くだろうが、私は手を叩いて喜んだ。
その頃だろうか? あのあ、あ、あ…なんだっけ? あぁアバズレが私の前に頻繁に現れるようになったのは?
確か…『アンタが来ないとフラグ立たないのよ!!』とか『なんで王子様と仲が冷えきって今にも婚約破棄しそうなのよ!!』とか意味不明な事を叫んでいたのを思い出す。
とりあえず首を傾げて『お前何言ってんの?』みたいな感じで答えると顔を真っ赤にさせて怒り肩で何処かへ去ってしまう。
まぁ別に気にしない事にした。
そしてあれよあれよと色々な事をしている内にとうとう待ちわびた日がやって来たのだった。