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クラウディアの考えている事が分からない。
舞踏会が終わった後、私は王子様の部屋にあるベットの上で癖である爪を噛んで悩んでいた。
『国を出る際は誰も追ってこないように』
今まで我が儘を言わなかったクラウディアのたった一つの我が儘。
それはたった一人でこの国を出ていく事だった。
訳が分からなかった。
地位も名誉も財産も彼女は糸も容易く手放し、意気揚々と国を出ていこうとする。
私ならばなんの罪もない罰を受ける事になったら必死になって身の潔白を証明する。
しかしクラウディアはそれすらせずにむしろ受け入れた。
しかも帰り際、誰しもが忘れない一言を残して颯爽と去っていった。
『もしこの条件が破られた際は…お気をつけを』
クラウディアは相変わらずの笑みだった。
ただその笑みを見た時に私は異様さを感じた。
何かを楽しんでいる狡猾さ。 彼女は何かを企んでいる。
その後王子様が部屋に入ってきて私は一旦思考をそらして王子様と体を重ねた。
その数刻経った後、私は王子様にクラウディアの事を切り出した。
「私、クラウディア様が何か企んでいるように見えて怖い…」と話すと王子様は私の隣で優しい笑みを浮かべて頭を撫でてきた。
「アリシアはそんなに彼女が怖いんだね…。 アイツはそんなに君へトラウマを植え付けたのか…」
王子様は相変わらず騙されやすい性質だった。
私が一言何か言えば疑う事はなかったし、絶対に信頼してくれた。
だから今はクラウディアに対して怒りを瞳に宿している。
「ならクラウディアには国外追放以上の罪を与えてやらないとな…」
王子様は何かを考え始めると、私は胸に不安を抱いたまま眠りについた。