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萌えとは一体何ですか?

作者: 北西みなみ

エッセイというか、私信ですね。でもきっと、イケボという単語を知らずに、意味を知りたいと思っていた人もいるはず!

仕事が忙しく、小説を書かずに、時々見るだけだったみなみさん。ある日、友人に言われた。


さぼんな、と。いやいや、今とっても忙しいし、そもそもそんな義務があるもんでもないんだから、書かなくても文句言われる筋合いはないでしょ、といったことを反論してみた。


これだけ忙しいんだい、と実情を訴えたら、労しげな目で納得されてしまった。そ、そこまで同情されるほど、ひどい状態じゃない……はずよ!?


ほ、ほら。一日二時間残業で、土日のどちらかに十時間ほど出れば、普通に週二十時間残業になるじゃない。その場合、九時-十八時が定時なうちは、平均すれば二十時半くらいには帰れているということ。


これだけ見たら、結構早いと思うっしょ? え? 計算合わない? いやいや、十八時から三十分は休憩取ってることになってるんだから、間違ってないよ。毎日二十二時越えたりすると、何かやる気なくなってくるけど、二十時台に「お先に失礼しま~す」っていえるのは、そう遅くもないでしょ?


大体、週三十時間じゃないんだから、サラリーマンには結構あることじゃん? ね、ね?


言えば言うほど、眼をそらし、肩をぽんぽんっと叩く友人。これもきっと、新たな冗談に違いない。うん、きっとそうよ。そうと言わないと泣くぞ、おんどりゃー!


さ、さて。そんな友人が、書く暇ないなら、これ読んでみろ、と勧めてくれた、ある小説。これで、萌えを理解せよ、とのこと。


そんなに長いものでもないみたいなので、素直に読んでみるみなみさん。



  ……チッチッチッチーン!



とりあえず、一話目を読んでの、みなみさんの行動を、RPG風にまとめてみよう。



 あ、野生の『イケボ』が現れた。どうする?

 

 みなみの攻撃。助けて、Google先生! :イケメン坊主

  ヒット! みなみは、何かを叩いた。「よっしゃ! ……あれ?」

 

 『イケボ』の攻撃。「イケボには、女もいるんだよ」

 

 みなみは混乱した。みなみの攻撃。助けて、Google先生! :いけてるボンボン

  ヒット! みなみは、ガールズバンド:ボンボンブランコを攻撃した。「……なんか違う」

 

 『イケボ』はぴんぴんしている。『イケボ』はそっぽを向いてしまった。

 

 みなみは混乱している。みなみの必殺技。助けて、友人えもーん! :草加煎餅を献上。

  クリティカルヒット! 『イケボ』の正体を見抜いた! 『イケボ』は降参している。

 

  チャララチャッチャチャー

 

 みなみは、レベルが2に上がった。みなみは称号:萌えの道を歩もうとする者 を手に入れた。



こんな感じ。


因みに、最初はいけてる凡人か、いけない煩悩だと思ってたんだけど、前者は、いけてる時点で凡人つける必要ないだろ、と却下。後者は、煩悩持ってるのは相手じゃなくて主人公の方なので、主人公が相手に対して「いけぼーいけぼー」叫んでいる今回では、意味が違うな、と却下してみました。



そんなこんなでやっと知った『イケボ』の正体。それは、『いけてるボイス』だった。


「大体さー、何で素直にイケボをググんないで、予想入れたのさ?」


「いや、イケメン坊主、結構自信あったんだよ。きっと、人気坊主に、いけぼー! と騒いでいるサイトが見つかるに違いない、と思ったんだけどなぁ」


「いや、ないだろ。大体、読んでりゃ、大体予想つくでしょ、内容から」


「まぁね。読んでる内に、ボイスかなってのは検討ついてきたけどね。Voiceなら、イケヴォかイケヴじゃないの、とかいう突っ込みも一緒に浮かんだので、初期の候補から外れてただけで、話が終わるまでには理解出来てたさ、流石に」


理系といえども、そこまで読解力低くはないんだよ、私は。


「で、小説の中のイケボ達、分かった? アニメは見てないだろうけど、漫画は見てるのがいたんだけど」


「へ?」


どうやら、私の見たことのある漫画のキャラが賞賛されていたらしい。正直、賞賛対象が声なら、漫画見てても意味ない気がするが……。


結局分からなかったみなみさん。答えは教えてもらえず、感想欄にて答え合わせ。

うん、確かに一人いたわ。


「あぁ、この強欲な人造人間さんってのは、あの漫画のキャラだったのかぁ」


「そうそう。アニメで格好いい声になってたってことね」


「そうか。私、何となく、オズと魔法使いのブリキさんが浮かんでたけど、結構違うな」


「……因みに、どんな声?」


「え? 一定音の聞き心地のいい機械音だけど。イケボイケボ」


ワレワレハ ウチュウジンダ って言わせると、きっと優秀賞とかもらえちゃうタイプのイケボ。


「…………他に、何となく声のイメージついたのってない?」


「後は、最後の女の子、銀河の妖精さんってのが、何となく銀髪ストレートの可憐な美少女顔になってる」


「それ、声じゃないじゃん」


「いやいや、声は何でも鑑定団の銀河○丈さんが浮かんできたからばっちりだよ」


  ゴフッ


友人が、身体を使ったツッコミを覚えた。しかし、まだ使いこなせず、げほごほと苦しそうだ。


「ぎ、銀髪美少女が、銀河万○かい!」


「鈴の音鳴らしそうな美少女から出てくる低目のセクシーボイス。イケボじゃない?」


「それはいいけど、銀○万丈が、低めの女のセクシーボイスって……」


「いや、だって、結構明るめの声じゃない? まぁ、後ろに流れる、チャーラ~ チャララチャーラ~ チャララ チャーチャーチャーチャーチャー チャラララ~ って歌が、ちょっぴりイケボ度を下げてるけどさぁ」


「何鑑定してるんだよ!?」


「うーん、主人公の正気度?」


「むしろ、お前の正気度を疑うよ!」


うん、何だか怒られた。どうも、私の中のイメージが気に入らないらしい。


いやでもさぁ。態々「何かイメージわかない?」って聞かれたから、結構頑張ったんだけど。顔が松尾伴内な美少女キャラ(ほら、出張鑑定団やってるからさぁ)より、結構いい仕事してると思うよ、私の想像の中のお嬢さん。


「いやでも、声が浮かんでるんだよ? 声優さんの名前をばっちし思い出したんだよ? 凄くない? ねぇねぇ、頑張ってない?」


例え、喋る言葉が、尾形光琳の幻の作、発見なるか!? とかいうのばっかりだったとしても。きっと、骨董に興味ありまくりのお嬢さんなのよ。ほら、一、十、百、千、万って金額教えてくれる強欲な人造人間のご家族(人造人間のお姉さんと見たね!)と仲良くなれそうじゃん。というか、尾形光琳、見て楽しいじゃん。


とか言ってたら、友人にさらっと脅された。


「メトロポリタンミュージアムに行って、大好きな(光琳の)絵の中へ閉じ込められたらどうすんのさ?」


ひぃえー! 怖いよ! 赤い靴下だってあげないよ!? というか、閉じ込められた絵、どう見ても光琳じゃないよ? あれ、ドガでしょ? ドガは好きじゃないから、近寄らないよ!? なんて恐ろしいことを言うおなごだこと。


「他に知ってる名前は?」


「え? モネとかゴーギャンとかフェルメールとか?」


「メトロポリタンに行ってどうすんのさ。。そうじゃなくて声優でってこと」


何だ、そうか。芸術、詳しくないので、聞かれても困るから助かった。私ゃ、モネが『種をまく人』書いたって言われたって「あれ、そうだったっけ? 勘違いしてたー」と、騙されそうなくらい、疎いんだよ。ミレーだろ、なんてツッコミ入れないレベルの酷さだよ。


とか思いつつ、考えつくまま、名前を挙げてみる。えーっと、大山のぶ代さんでしょー。……ところで、大山のぶ代は、今も現役なんだろうか? そもそも、ドラえもんの声変わっちゃった今、道徳の授業の大山のぶ代さんの話って、どうなってるんだろうか? もうないのか、ドラえもん以外の話になっているのか。


ちょっぴり気になりつつも、必死に脳内検索をかけるみなみさん。


「んー。林原めぐみさんとー、松本梨香さんとー、パクロミンとー、グリーンリバーライト」


「おい。最後変なの混じってる」


折角知ってるのを言ったのに、何故かツッコミが。しかし、これは譲れない。


「え? グリーンリバーライトさん? A子(私と友人共通の友達)の、一番のお気に入りだよ。我が嫁!! グリーンリバーライト!! って言ってるじゃん」


深イイ声なんだと。私がやってたゲーム(音声オフ)に出てきたもんで、音声出すことを強制され、人を焦らす音楽や掛け声のせいで、パズルがぼろぼろで、その深イイ声に勝手に失望された恨み、忘れるものか。


「……。うん、正式名称、緑川光っていうんだ。覚えとけ」


グリーンのリバーのライト……。緑の川の光……。


「………な、なかなかに、直訳だね。世界で通用しそうな大物っぷりだ」


そうか、私に対して「ふっ。お前結構不器用なんだな」って言いやがったのは、おかしな名前じゃなくて、それなりに普通な日本人の名前だったのか。。。


ということは、パクロミンさんも、正式名称あるのかと思ったが、パクロミンは、日本人じゃないから本名らしい。何か、薬みたいな名前だけど、どの系統の名前だ??? ドイツでもフランスでもアメリカでもないよねぇ? 名前に詳しくないせいで、どこの人間だかさっぱり分からん。


しかも、人気ないのかGoogle先生にも相手されてないし。確か、bleachの日番谷隊長やってるよって聞いた気がしたのに、人気ないのか。つまり、bleach自体、人気ないのか。まぁ、私もルキア助けて現世帰った辺りで終わっておくのが一番綺麗な終わり方だとは思ったけれども。


「ん……? 何言ってんの? パクロミンは、凄い人気あるよ? それこそハガレンのエドだってやったし」


「え? でもほら。情報全然ないよ?」


  しばし沈黙。


「パクロミ、ね。ン、いらない」


「…………へ?」


「続けて言ってたけど、パク・ロミ。漢字で書くと朴 璐美。韓国人です」


「パクさん?」


「おぅ。ロミちゃんだ」


騙された! パクロミンなんて、マクロミルとかロキソニンみたいな名前だから、さん付けするとむしろパクロミン酸っぽいなって思ってたのに! デオキシリボ核酸とか友達にいそうだな、とか思ったのに! 海外でのキラキラネームなのかしら、とかも考えてたのに!!


いやいや、でもだよ? つまりは、こういうことか。


「私は今日、イケボを理解した! そして、グリーンリバーライトとパクロミンの正体も暴いた! これは、全人類のとてもとても小さなる一歩ではなかろうか!?」


勿論、大いなる進歩とは言いません。みなみさんはケンキョデスカラ。


「そだね。……あんたの努力を感じたよ。うん、頑張ったね。頑張った……」


このようにして、私は萌え理解の大いなる一歩を踏み出した。踏み出せたことは、努力を認めた友人の言葉が証明しているはず!!(だよね? 友人!?)

ここで一句。

 イケボとは イケてるボイス いうんだよ


いやぁ、素直で心に染み渡る川柳ですね! 皆様も、とても楽しい(らしい)萌えへの第一歩を踏み出してみませんか?

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