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―Story is art― 【第二回・文章×絵企画】  作者: 些稚 絃羽
injoonさまイラスト 『バイクと墓地』より
3/14

Before morning glow

イラスト:injoonさま ( http://10242.mitemin.net/ )

指定ジャンル・必須要素:文学(準も含む)。もしくは詩。

            『バイク』『墓』『蝶』の描写があること。


→→ ジャンル:詩 

  この作品は534字となっております。

挿絵(By みてみん)




蝶の羽音さえ聞こえるほどの静寂が

闇と共にすべてを包むから

どこにも行けない心が痛い

翼を持たない背中が寒い


バイクの音が通り過ぎる

窓辺に向けた視線の先に ライトの一筋も見えはしなくて

月明かりに浮かぶ静かなフォルムに

残響なのだと瞼を閉じる


鈍い色した見飽きた十字が瞼の裏に貼り付いて

空白な部分を責め立てる

無力な奴は悲しむことすら許されないと

ありもしない瞳を闇に見る



Before morning glow 

共に走り抜けた海岸線

月がふたつ見守る夜を 幾度も過ごして笑い合った

メモリーに残らない数多の日々が ゆっくりと沈んでいく



蝶の羽音さえ愛しいほどの孤独さが

世界と俺を荒く引き裂くから

取り残された心は感じない

幾ら重ねても温まらない


風の強さに窓が軋む

“ノックであれば”淡い期待が 無常な闇に呑み込まれ

月が隠れてもなお 消えない墓標に

なぞるような視線を向ける


広い地にたったひとつのお前の欠片を見守るだけが

俺にできる無意味な懺悔

許してほしいと今更望むことはしないから

せめてもう一度――夢でいいから



Before morning glow

最後に見た霞む三日月

今にも消えるか細いそれを 見ながらお前の息を聞いてた

怖いくらい焼き付く一夜の音が また耳元で鳴る



Before morning glow

朝焼けはもう来ない



もう 来ない



injoonさま、ありがとうございました。


やや重めの詩になってしまいました。

モノクロのイラストが、暗闇の中で月明かりだけで見える景色に思えてしまったもので。物悲しい感じ。

詩なので説明はしない方がいいですね。


この後何作か、詩が続きますがよろしければ。




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