2015年8月
蝉時雨ふりあおぐ目に映る空
もう8月は終わり。子供は夏休みが終わる頃。まだ蝉は鳴いていますが、そろそろ秋らしい蝉になってきました。
林檎飴祭り囃子に染まる紅
お盆の頃は夏祭りが多いですね。縁日とか屋台とかいうと、やはり林檎飴が欲しくなります。または杏飴。いずれも、氷で冷えた果物と飴の取り合わせがたまりません。普段は食べられないし、格別の祭りの菓子です。
打ち上がる花火に缶ビール交わす君の遠き眸を悼む
お盆ですので、亡き人を悼む一歌を。生前は、何度か篠崎の実家にお邪魔して、江戸川の花火を見ながらヱビスビールを飲んだものです。あなたとの日々は私にとっても幸せであった。
雨音に溶け行く幾千万の夏
通り雨に、猛暑が少しは楽になるかと期待する人はたくさんいそう。一方、夏休みなのに、とがっかりする子供もいそう。
蝉時雨に涙ひとつ落ちるなり
降るような蝉の声が聞こえる季節となりました。その声に、どこか哀しい響きを感じるのは、どうしてでしょう。
向日葵は身を焦がすほどの恋
向日葵は太陽神に恋したニンフが変身したものという伝説がギリシアにはあるといいます。ならば、花の中心が大きく黒いのは、恋して太陽を見つめすぎて、焦げるほど恋した彼女の姿をそのまま映したのかもしれないですねえ。
熱帯夜に身を寄せてくるぬくもりをふわふわと撫づふわふわと撫づ
猫を実際に飼った事はありませんが、たとえ熱帯夜でも、猫が身を寄せてきたらやっぱり撫でてしまうだろうなあ、と思うのです。