#01 好きは突然に
「 ゆうき、弱いかもしれない 」
これが全ての始まりだった________。
彼女は大事な大会を控えていた。
わたしたちはまだただの 友達 だった。
そして良き相談相手だったね。
彼女にとって中学最後の大会。
不安もたくさんあるに決まってる。
友達として支えてあげたい
わたしはそう思ってたの。
でもね、普段は真っ直ぐで強いきみが
「ゆうき、弱いかもしれない」
なんて弱いところ見せるんだもん。
いつしかどんなときも彼女のことばかり
考えるようになってたんだ。
そして迎えた大会当日。
テストが近いにも関わらず
一日中携帯が鳴るのを待っていた。
待ち受けていたのは厳しい現実だった。
彼女たちは優勝できなかったんだ。
ほんとうはすぐにでも抱きしめたかった。
頑張ったねって言ってあげたかった。
でもわたしには励ましのメールを送ることしかできなかった。
それでもきみは、ゆうきは
とっても喜んでくれたよね。
早く会いたいって言うと
ゆうきもみるに会いたいよって。
みるに本気で惚れそうなんて
冗談だってわかってるのに
喜んでるわたしがそこにいたの。
そのときにはもう、
わたしはきみのことが好きだったんだ。