第二幕2部「最近、巷じゃ使われなくなったよね。デジャブっていう言葉。よくあることなのになぁ」
ええ、タイトル通りデス。今までのことのデジャブがとことん起こります。
俺が意識を失ってからどれくらい経っただろう。時刻はすっかり夕方だった。
「大丈夫か? 玲」
「鳴神くん大丈夫?」
旋と……海帆詩先輩? ……間違えた美夏先輩。
「ここは……」
言うまでもない。保健室だ。倒れる前悟ったし。
「あの後どうなったんだ? 旋」
グリズリーとかその他もろもろ。
「玲が倒れた後……」
旋の記憶編突入。
▲
「玲一クンを保健室に☆」
紅ノ介くん、せめてもっとシリアスに……。
「でもあのグリズリーどうする? 紅ノ介くん」
すると紅ノ介くんは銃を取り出し……、
「えい☆」
バンッ!
満面の笑みで銃を撃った。
ガァ!
グリズリーは再び倒れた。
「………………………………」
先輩方。震えないで。紅ノ介くんの言葉と行動が違いすぎるからって、引くのはかわいそうだと思うよ。
「大丈夫だよ☆ 麻酔銃だから」
すると紅ノ介くんは頭に電球を出すような感じでポンッ! と手を叩いた。
「そうだ☆ 1年生の歓迎会をしよう☆ 熊鍋で☆ 鍋パーティ☆」
「………………………………………」
先輩方。沈黙は良くないですよ。またコードギ●スみたいにほら。返事して。
「そうと決まれば☆」
紅ノ介くんはでっかい包丁を取り出し……。
らん、らんらららんらんらん
ザシュ。
らん、らんらららん
バキボキ。
らんらん、らんらららんらんらんらん
ドグシャ。
らららららんらんらん
ザシュ……。ジャキン!
ナウ●カのメロディーでグリズリーを虐さt……。
ここからはグロテスクな表現ばかりなのでお見せできません。
美しい映像をご覧ください。
ここはのどかな緑の野原。
「ピヨピヨピヨピヨ」
小鳥たちが鳴いている。
△
「ということがあった」
「へ、へぇー」
紅くん……バイオレンス。事件の一部始終を見ていた美夏先輩は、大きく震えていた。ああ、そんなにグロかったのか……。
とそこに疑問点。
「グリズリーって……食べれるの?」
今の俺が一番気になること。だって食べられなかったらまた保健室だぞ? 別に保健室は嫌じゃないけど。
「本当の名前はハイイログマだし、ヒグマ科の1種だから食べられると思うぞ」
さすがだな、旋! よっ、雑学王!
「それじゃあ行くか! 紅くん手伝いに」
すると旋はおそるおそる聞いてきた。
「でも大丈夫か? 今紅ノ介くんが解体ショー開いているが……」
マグロかよ!
「だけどまあ……行こうか」
「そうするか……」
今気づいたがここはR2内だ。この保健室はR2専用と言うことになる。学園内の保健室にも行く機会ができるだろうか? いや、できてほしくないんだけど。
俺は少しグリズリー鍋を楽しみにしていた。
△
―と思っていた俺がバカだった。
今現在俺の前にあるのは『毒鍋』と言っても過言ではないビジュアルをしていかにも体に悪そうな雰囲気をかもちだしている熊鍋、もといグリズリー鍋がある。(よく一息で言えたな、俺)正直紅くんがここまで料理ができないとは思わなかった。
「さぁ歓迎会だ☆ 1人いないけど歓迎会だよ☆ どんどん食べて☆」
……あなたは大量食中毒or大量殺戮を行う気ですか紅くん。これ食ったらホントにマジで死んじゃうって。
「それじゃ、食べる前に一演幕☆」
すると、R2の先輩たちが、ミニスカートで出てくる。ボンボンを持って……、
「R2塾生による歓迎の歌☆ もってけ! セー●―ふく、どうぞ☆」
ちょっと待って!
「曖昧3s……」
「ストップ! 著作権が!」
「この際気にしない☆」
「気にしろよぉおおおおおおおおおおお!」
そんな中でも「もってけ! セー●―ふく」は続く。
ボンボンを振り回して一生懸命なのは分かりますがね、先輩方、これは明らかに著作兼侵―
そんな中、旋が話しかけてくる。
(玲、今のうちにあの毒鍋をなんとかしないと)
(そうだった。どうしようか、あれ)
(こうなったらしょうがない)
(俺もそう思うぜ)
((新しく作り直す!))
こうして俺達の戦いが始まった。
「えっとまずは肉の調理だな」
俺は紅くんが(楽しんで)切ったグリズリー肉を手に取る。正直言って、でかいし重い。
「どうするのが良いと思う? 旋」
「そうだなぁ……」
旋は某リンゴ社のスマホを見つめている。
「見つけた」
旋が見せたのは……熊鍋の調理法だった。
「やっぱりそうなるか……」
だがあの悲劇の大量殺戮兵器はつくらないぞ! ……あれっ? あそこまでできてないとすれば。
「まさか紅くん、レシピ見ずにつくったんじゃ……」
ずーん。重い空気が流れる。そう、食べなくて良かったと。
そして旋が雰囲気を打破する。
「……イタリアン風にしてみるか。ハーブで臭みが消えると思うし」
おっ! それ賛成だ。
「とにかく作ろう、玲」
「あいよ」
「えっとまずは、野菜を煮て……玲、根菜スライス」
「よっしゃ、任せろ!」
スパパパパパパ。はや剥きとかは得意なんだぜ!
「終わり! 次は……」
というかなんか料理番組みたいになってないか? キュー●ー3分クッキングとか。(いつも思う。あれは絶対3分じゃないだろ)
「次はそれを軽く鍋で炒めて」
「油は?」
「サラダ油、後こんにゃくも」
「わかった」
ここからそれぞれの作業に移る。俺は炒めた後にお湯(さっき沸かした)を入れてアクを取る。
そして旋はグリズリー肉を一口サイズ(もともとでかいので大変そう)に切っていく。
「………………………………………………………………」
説明メンドくさくなったのでやめます。
1時間後。
「できた!」
いやー長かったぜ。まさかあそこでああなるとは……。
わからない人多々いると思いますがご了承願います。
とにかく、
「味見してみよう!」
「そうだな」
旋がスープを茶碗に注ぐ。
「「いただきます」」
ゴクッ!
……あ、れ?
「なんか、こう、うーん」
この味は……何とも言えない。いろんな意味で……。というか純粋に味がわからない。
「なんでだ? レシピ通りに作ったのに」
同意見だ、旋。……あれっ?
「なんでここに紅くんが?」
俺と旋の後方に、赤髪にっこりの紅くんが立っていた。
「やあ☆」
いや、『やあ☆』じゃなくて。
「ちょっと手伝わせてもらったよ☆」
手伝わせてもらった? ……まさか!
「鍋に調味料が足りてなかったよ☆ 入れておいたから☆」
まさか!
「? 鍋が」
どうした、旋! あっ!
「鍋が……黒くなっている……」
紅くん……。何を入れたんだ……。
ぎゅるぎゅるぎゅる。
「ぐ、あっ……」
「デジャブぅぅぅぅぅっっ! 死ぬな! 死ぬな旋!! そして俺!」
保健室にGo!
△
「はぁー腹痛ぇー」
本日保健室2回目。まぁR2の保健室なんだけど。
「ぐっ、痛い」
今回は旋もベッドに寝ている。
「ああ、大丈夫なら帰ってもいいわよん」
……マンガとかでよくいる女の保健室の先生だな。ここに奴がいたらスゴイことになってるだろうな。あっ、ちなみに奴というのは俺と旋の小学校の同級生で、俺は中学も一緒だった。名前は出せないが恥ずかしい奴だった。
「まあここにいたって何にもならないし、帰るか」
「そうだな」
寮内廊下。
「うー朝以外飯食ってないのに、全然腹が減らない」
このままではなんかまずい。
「どうする? 旋」
すると旋は腹を押さえて、
「いや、俺は無理……」
「そうか……」
ぎゅるぎゅるぎゅる。
「うっ、い、痛ぇ」
すると部屋にたどり着いた。
「ナイスタイミングだぜ」
「じゃあな」
旋が部屋に帰って行った。
さて、
ぎゅるぎゅるぎゅる。
……寝るか。もう10時だし。
ガチャ。
「おーいひ……好葉ー。起きてるかー……ッ!?」
「!?」
俺の目の前には、
全裸の女子高生がいた!
「……………………………………」
「………………………………キ、キ」
今にも叫びそうなひ……好葉。
だが俺はなぜか冷静だった。女子の裸を見たのは初めてでなんというかもっと自分も恥じらうものかと思っていたのだが違った。なぜなら、
小さいのだ。
言うなれば壁。そう壁なのだ。前に同級生が「女体は神秘だ!!」と言う発言をしていて、俺もそれを信じこんでいた節もある。
だが違った。壁なのだ。これ普通に背中パックリ割れている服を着ているアダルティーな女性見ればいいんじゃね? というようなものなのだ。たぶん、もうちょっとすれば変わるかもしれないが、ともかく今は壁なのだ。
というかなぜ部屋で全裸? 片手に牛乳……なるほど、風呂あがりに壁の厚みを増やそうという案か。その壁を山やきび団子にするために日夜戦っているのだな。感心感心。
だけど言わせてもらいたい。
無理じゃね?
よくても山と言うより丘となるぐらいだと思う。ここまでの思考世界に消費した時間0.1秒。妙に冷静な自分が怖い。人は驚きすぎると冷静になるもんだな―。
「…………………………………………」
ギィー、バタン。
俺は静かにドアを閉じた。
「ちょ! なんで無反応!?」
「いや、俺はな・に・も・見てませんよー」
口笛を吹いてみる。ヒューヒュー。
……鳴らない。
だが口笛を吹いたときに力が抜けたのか、ドア(中から外に開く)が開く。
「きゃあああああああっ!!」
するとドアノブを持っていたのか、ひ……好葉が倒れてくる。
まずい! このままでは押し倒されてしまう!
よけようとするが、間に合わない!
ドスッ!
あぁーのぉー。
この体勢まずくないDEATHか?
今の状況、俺が下。さっき背中を打ってメチャクチャ痛い。好葉が上なんだが……。
「!」
まずいことになった。今現在俺の手には今まで感じたことのない柔らかさを感じる。
そう。
好葉の胸を触ってしまっているのだ。
あれ、俺ってラッキースケベ属性持っているわけ? どっかのラノベで主人公張れるんじゃねーか?
いやーすごいね! 壁だと思っていたのにビックリしたぜ。意外と柔っこくてスベスベしている。そしてほのかに温かい。
でもなんで俺はこんなに冷静なんだろうか。僧目指せるんじゃねーか? 僧。
さーてこの後の展開が読めてくるぞ!
「△×%$○#<*―!!!!!!!!」
バキィィィィィィィィッッッッ!!
コンマ1秒。瞬殺!
2度あることは3度ある。さーて時間だ。次起きるのは何時かな? これこそ走馬灯。
あと頬がメッチャ痛い。
ガクッ。
△
3回目の保健室。だが今回は寮内の保健室だ。
最初と2回目がR2の保健室。妖艶な保健室の先生だ。
寮内の保健室の先生も美人だと思う。奴が見てもそうだと思う。
さて、起きよう。
「本当に大丈夫?」
「ええ、なんとかなります。というか先生のほうが大丈夫ですか?」
今現在日付が変わる時間近くの11時50分。よく先生起きてられるなぁ。
「昼、生徒がいないうちに寝てるから」
そうなんですか。
「それじゃあ失礼します」
そんな適当な会話を交わし、俺は部屋へと戻るため保健室を出た。
はぁ、今までは倒れる前の記憶を持ってたのに、今はすっかり忘れちまった。なんでだろう? ……と、言うことにしておかないとあとで好葉が怒りそうだ。俺は鮮明に覚えてしまっておるからな。
少し思いだして頬が熱くなっていることを感じる。落ち着け! 落ち着け俺! 平常心は何事にも大切だぞ、俺ぇ!
心を鎮めると、部屋の目の前に着く。怖ろしくナイスタイミングだ。
「さぁ寝るか」
ガチャ。
「ひ……好葉。起きてるか?」
すう、すう。
……寝ているみたいだな。じゃあ俺も寝るか。
ふかふかのベッドはとても気持ちよく、そして疲労感ハンパなかったので、倒れこむように俺は寝た。
◆
(み、見られたーっ!)
好葉は起きていた。
それもそのはず。15歳思春期まっさかり女子が同学年の男子に裸を見られたからである。
それどころか胸まで触られてしまったので、かなりの羞恥を感じている。
(どうにかして忘れたい!)
どうにか記憶から抹消しようとするができない。むしろどんどん恥ずかしい歴史としてすでに脳内でバックアップ済みのようだ。
それに触られた時、少し快感だったらしく、頬がとてつもなくほてっている。
(ううーっ!)
彼女の頬は限界値を突破して、真っ赤に染まっていった。
▲
何分か前。となりの部屋では……。
「ただいま。美空、起きてい―」
「!?」
「……大丈夫だ。何も見ていない」
「!? み、御鶴城くんのばかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
第二幕 終幕……。
感想を書いていただけると幸いです。