表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

短編小説

氷の仮面

作者: うわの空

 さあさあ 今日も踊りましょう

 歪ないびつな 氷の仮面




 色んな仮面がありますね

 あなたの仮面は何製ですか?

 わたしの仮面は氷製です

 大丈夫 溶けませんよ

 世間も私の心も 冷たいから



 温かい場所には行けません

 素顔を見せるわけにはいきません

 人様に見せられる顔じゃありませんので

 氷の仮面じゃ透けちゃうよ?

 そんな言葉は聞こえません



 さあさあ 今日も踊りましょう

 歪ないびつな その顔で




 布団の中は温かいですね

 世間から少しだけ隔離されたその中で

 私が毎日水を流しているのは

 仮面が溶けているからです

 あなたの言う 涙なんかじゃありません



 死ぬまで踊り続ければいいのです

 とてもとても 簡単な話

 死ぬまで一人でいればいいのです

 とてもとても 単純明快


 うそつきは ひとごろしは わたしです



 さあさあ 今日も踊りましょう

 歪ないびつな 舞台の上で





 知ってるの 分かってるの 

 世間はそこまで冷たくないの

 滑稽なのはわたしなの

 見放されるのが怖くて 助けてと言えないの



 斜に構える 受け流す

 投げだして 諦める

 格好いい生き方でしょう?

 格好いい死に方でしょう?


 うそつきは ひとごろしは わたしです




 温かい場所には行けません

 ポケットの中にも行けません

 素顔の透けた仮面をつけて

 何もかもを拒否して笑いましょう

 ほら これで元通り



 さあさあ 今日も踊りましょう

 歪ないびつな わたし一人で




 今日も明日も明後日も

 歪んだまま 滑稽なまま

 氷の仮面をつけたまま

 もうしばらく このままで




 ありがと ばいばい


 知ってた?


 わたし うそつきなんだよ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点]  「氷の仮面」ですか。  独特で正確で面白い表現です。 [気になる点]  所々の、あえて平仮名の部分。  あそこが無ければ、引きこもりの詩ですけど…  私の読解力が無いせいか、今一つ意味が…
2012/05/08 17:52 退会済み
管理
[一言] 奥が深いですね。 ひょっとしたら、私も、仮面を付けて生きている...?
[一言] うわさんが、どういう思いで作ったかはわかんないですけど、自分はこの作品好きです。 自分が読み取った感じでは、自分の姿とそっくりなので。 >世間とはかかわりを・・・自分は周りとは・・・ なん…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ