いざ!革命少女!4
「ごめん、別れよう、和夜さん。」
「えっ、えっ、どう、どうして!?」
「和夜さん、全然話してくれないんだもん。もう飽きちゃった。俺にはもっといい女がいるから、そっちに行くぜ〜いぇーい!」
「そ、そんな!そんな!!!!」
ガバッ!!
「わたしの、ピクルスあげるから許して!!!!」
ピヨピヨピヨ
外から鳥の囀りが聞こえる。
朝だった。
朝、学校にて………
「わーちゃん、どうだった?」
「見事、撃沈いたしました。」
「えっ!?撃沈って、振られたってこと!?」
「ううん。キャパオーバーで何もできんかった。」
「そ、そうなんだ。まぁ、初めてのデートだし、そんなもんなんじゃないの?」
「それがさぁー、聞いてよー!今朝思いっきり、振られる夢見ちゃってさー!」
「あらら、そりゃつらいね。」
机に突っ伏した頭をよしよしされる。
すると、次第に昨日の記憶、頭を撫で撫でされた記憶が甦り、頬が沸騰したやかんのようにポーッと赤くなり、飛び起きて、部屋の隅に体を寄せた。
「な、なに?どうしたの?」
「ナ、ナニモ、アリマセヌ。」
「そ、そっか。あんまり、無理すんなよ。」
お昼ご飯のとき、騒ぎがあった。
「喧嘩があったみたいだぜ!」
「おう!ちょっと見に行ってみるか?」
「気になる!わたしも行く!」
「あっ!ちょっと、わーちゃん!戻ってきなさい。」
首に腕を回して、とめられる。
「うっ、な、なんで!?」
「あんたがいったら、どうせまた面倒事に巻き込まれるでしょ。あんた、昨日の今日で疲れてんだから、休んどきなさい。」
「やだ!いく!」
「ダーメ!!いかせない!!」
「ふぬぬぬぬっ!!」
「ふぎぎぎぎっ!!」
バゴンッ、と大きな音がした。
一瞬時が止まる。
「きゃあぁぁぁーー!!!!!」
と女の子の悲鳴が学校中に響き渡る。
バッ、とわーちゃんは恵未の腕から抜けて、駆け出す。
すれ違い、女の担任教師とすれ違う。
「先生!救急車!」
「えっ?きゅ、救急車?」
「早く!!!」
体育館を開けると、そこには頭から血を流した男子生徒がいた。
「ううぅ…………」
うめいて、かろうじて意識がある。
その時、裏口から抜け出す生徒を、和夜は見つけていた。
和夜は長めハンカチを取り出し、生徒の頭にぐるぐると巻きつける。そして、近くにいた女子生徒に後を任せて、走り出す。
救急車のサイレンが聞こえる。
校舎裏、雑草の生えた地面の土に、血がついている。その後を追う。
「はぁ、はぁ…………」
男子生徒が裏庭の隅で、息を切らして、膝をついている。
「見つけた。」
「っ!!?」
「あなたが何か関係しているのね。」
「ち、違う!俺は、何も、何もやってない。」
「それは分かっている。一度、深呼吸だ。落ち着いて、スゥー、ハァー。」
「………………?」
「はい、一緒に!スゥー、ハァー。」
「え、えぇ??」
「はい、ご一緒に!スゥー、ハァー。」
「す、スゥー、ハァー。」
「はい!最後!スゥー、ハァー。」
「スゥー、ハァー。」
「どう?落ち着いた?」
「は、はい。何とか。」
「とりあえず、座りましょう。」
裏庭の校舎の壁に2人並んでもたれ掛かる。
「大変だったわね。」
「…………うん。」
「何とかなるわよ。」
「何とか………なるのかな?」
「大丈夫大丈夫!なんかあったら、私が守ったげる!」
ニシシッと、和夜は笑いかける。
「…………あのね、喧嘩になっちゃったんだ。」
「喧嘩?」
「うん。友達と、それでついカッとなって押しちゃって、気づいたらあんなことに………」
「そうだったんだね。」
「………死んじゃったかもしれない。僕は、もう」
「大丈夫よ。止血はしたし、意識もあった。きっとすぐに元気になるわよ。」
「ほ、ほんと?」
「ほんとうよ。だから、あんまり気にしない気にしない。」
よしよし、と頭を撫でる。
カァーッと男の子の顔が赤くなる。
「あっ…………」
わたしはふと気づく。
もしかして、人に頭を撫でられるのって、ものすごく恥ずかしいことなのでは!?
わーちゃん、大きな気づきを得る。
「あ、あはは、ごめんね。急に触ったりして。」
「い、いや、大丈夫です。」
男の子はしばらく俯いてから、立ち上がる。
「僕、友達のところ行ってきます。」
「そう。気をつけて行ってらっしゃい。」
「はい!」
男の子は走っていく。
「ふぅ………。」
ともかく、あの子が無事であればいいけど。
キーンコーンカーンコーン
昼休み終了のチャイムが鳴った。
「あっ、いけない。戻らないと。」
わーちゃんは駆ける。
教室には担任の女教師。
「あ、あのー、遅刻して、ごめんなさい。」
わーちゃんは頭を下げる。
「いいのよ。大事なこと知らせてくれてありがとう。救急車、無事間に合ったわ。わーちゃんのおかげね。」
「………はい!」
わーちゃんは元気に返事をして、自分の席につく。
「やっぱり大変なことになってるじゃない?大丈夫だった?」ボソッ
恵未が心配してくれる。
「何とかね。ともかく救急車に運ばれて行った子が無事だったらいいんだけど。」ボソッ
少し心配になる。
男の子にああは言ったけれど、打ちどころが悪ければ、頭だし万が一がある。
「……………」
恵美が肩をぐいぐいと揉んでくる。
「な、なによ!?」ボソッ
「心配すんな。なんかあったら、私がお前を支えてやるよ。」ボソッ
「なっ!?」
「何があっても、お前のせいじゃない。わーちゃんは、責任感つえーからな。」ボソッ
「恵未…………」
「聞こえてるわよ。お二人さん。」
教室中のみんながこっちを見ている。
わたしたちは、カーッと顔が赤くなる。
仲が良すぎて、変なことを噂されたこともあるからな。まぁ、悪い気はしないけれど。
「はーい、それじゃあ、授業を再開するぞー。」
「橘ー!教科書の10ページ。」
「はい!」
今日も1日は過ぎていく。
色んなことがあるけれど、なんだかかんだ友達との絆や、愛情があれば、乗り越えていけるものだ。




