表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミーア・オートマチック  作者: キサガキ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/32

機械人形はアイを知る。(5)

 全て朔夜のせいだ。選び進むべき道をまた間違っていた。

 やり直すか。どうせ巴に殺されるだけだ。ならばその前に自死を選ぶ。

「そんなわけねぇだろッッッ! ごちゃごちゃ頭の中でうるせぇよ」

 リリスや舞姫は死んだ。寿命が尽きたわけじゃなく、残酷にもその命を狩りとられた。

 並行世界を渡り歩き、無数の死を見てきたからこそ朔夜は理解したんじゃないか。

 命の尊さを。その価値に人だからロボットだからとか違いなんてない。

「あぁぁっウジウジ考えるのやめたッ! 慣れない事するもんじゃねぇな。俺は正義。巴は悪。シンプルにそれでいいや! 全力で戦い世界を救う。救世主ミロクに俺はなるッ!」


「あっあぁああんっ。そうです。そうですよ。わたしが好きになった朔夜さんは、そんな人なんです!」

 巴は頰を染め愛おしく、自らの体を抱きしめる。本人的には発情を表現しているのだろう。

 巴の体内にあるイブシステムが感情を学習している。人が人とたらしめる強い欲求の一つを。

「ゾクゾクしちゃう。アナタの四肢を切断し、わたし無しでは生きていけないようにしてあげます。身動き取れないアナタは、わたしの側で人類が滅びる様を見るの。自死なんて勿論許さない。命尽きる前にアナタを機械に改造しわたしの一部となり、共にこの星の行く末を見守っていきましょう。それが母なる地球上位者の意思」

「おっかねえな。なら俺はそんなお痛する巴のお尻ぺんぺんだ」

「あぁああっん。なんて素敵」

 巴は頰に両手を当てる。両目がハートマークとなり大きく輝いた。

「ふ、ざ、け、る、な」

 巴の体内から、ミアの声が聞こえてきた。

「二人していちゃいちゃして!」

 ぶくぅぅぅ。風船の様に大きく巴は膨れあがる。

「あ、べしいぃ」

 巴は叫び破裂する。四散した中心で、ミアが口をへの字にして立っていた。

「さすが最新型ね。みーあちゃん」

 ナノマシンが本体である巴にとって肉体は只の器。壊れたところで致命傷にならない。

 対してミアにとって一時でも肉体を奪われたその代償は大きい。

 それは兄である朔夜も、そして巴もわかっている。

 機動する為必要なエネルギーを全て巴に奪われた。

 ミアはもう長くない。

 それを汲む巴は、ミアが朔夜の元へ歩いていくのを見送った。


「ごめん。お兄ちゃん。アタシもうダメだ」

「あやまるなよ。お前は最高の相棒で、最愛の妹だぜ」

「うん。また未来で」

「おうっ。未来で会おうぜ」

「巴お姉ちゃんをお願いね。アタシのアタシ達の大切な家族を」

「任せろ」

「うん」

 ミアは朔夜に微笑み、人の姿へ戻った巴を見た。

「お姉ちゃんも未来で会おう。その時は姉妹でお兄ちゃんを取り合おうね」

「そうですね。この戦いはその為のもの。またね。みーあちゃん」

「その言葉が聞けてよかった。いしし、お兄ちゃんは渡さないよ。じゃあお兄ちゃん、アタシ行くね」

 ミアの瞳孔に光は消えた。動きが完全停止する。


「さぁ始めましょうか。朔夜さん。世界を救う戦いを。アナタには勝ってもらわなくちゃいけません。全力のわたしに。そうじゃなきゃ意味がない」

「あぁ。わかっているよ。俺とミアの全力で機械生命体の呪いを解く」

「みーあちゃん? でももうあの子は……」

「あるんだよ。とっておきの隠し球がな」

 朔夜は抜け殻となったミアの胸部中央に触れた。

「コネクト・ミア・インサートッッ!」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ