霧の中にはもどらない
掲載日:2025/03/29
心が晴れなくて
ずっと霧の中
暗い暗い思念が纏わり付く
此処はどんな場所なの
問う声に力は無くて
消えそうになる
まるで心細い
どんな決意も折れてしまいそう
道が欲しいの
誰か道をちょうだい
今度は不安で叫んでしまう
応える声は無く
座り込んでしまう
膝を抱えて
涙を流す
嗚呼、私はもう終わりなのだろうか
とくとく、と音が聞こえた
心臓の音だ
私の、生きてる音
まだ、まだまだ
私の一部は動いている
動くことを止めない
「信じているよ」
ふいに何処からか声がした
心の片隅で
記憶の底で
幼い"わたし"が私を見ている
「信じているよ」
声はもう一度だけそう言った
胸があったかかった
ぎゅっとした
そうか、と私は立ち上がる
ずっと目を閉じていたんだ
ずっと目を背けていたんだ
わたしは私とずっと一緒に居てくれた
私は一人じゃない
信じていてくれたわたしが居た
霧が晴れてきた
光が一筋スッと胸に伸びた
心が光っている
もう今は大丈夫
また霧の中で迷子になるかもしれない
その時は
その時は
内なる扉を見つめてみよう
きっとあの頃の私が心配してくれているに違いない
手を伸ばそう
霧の向こうには晴れた空に虹かかかっている
そう、信じているから
お読みくださり、本当にありがとうございました。




