協力者
昼休み、私は日課である図書館でオカルト本探しに来た。こんなの意味があるのかと思うだろうが実は結構意味がある。神様がいるということは妖怪や幽霊だって存在していてもおかしくはない。吸血鬼に狼男、烏天狗だってもしかしたらいるかもしれない。そこから手掛かりを探すことだって可能だ。という事で本棚の前に来た訳だが、明らかに古く他と比べて異質な本が置いてある。
表紙には何も書いていない、意を決して中を開くと様々な神様の名前が書いてある。これ、凄い本なのでは?もしかしたら手掛かりがあるかもと興奮してページを次々めくっていく。
「……また、白紙」
しかし、途中で白紙のページを見つけて手が止まった。前からずっと悩まされていること、それは何故か手掛かりに近い本を読むと1部白紙のページになってしまう事。何故だろうか?…なんて、考えても白紙なのは変わらない。取り敢えず"協力者"を呼んでこの状況を報告しよう。
「また白紙のページ?」
「そうなの……一応だけど、読んでくれない?」
私の協力者は正に爽である。私から協力を仰いだ訳ではなく、彼にバレてしまったから協力者になったという経緯だが。彼はとても優しい、私が神様を探しているという変な事を言っても彼は否定せずに聞いてくれ、更には手伝ってくれているのだから。
「じゃあ行くよ____★●☆□□□。…聞こえた?」
「全然、やっぱり全部ノイズにかかっちゃってる」
やはり前と同じで全ての言葉にノイズが掛かり全く分からない。きっとこれが私の神様の情報なんだと思うが、こうなってる以上手の打ちようがない。
「これじゃあわからないよぉ……もー爽、帰りに甘い物食べに行こ…?」
「ふふ、いいよ。一休みしよっか」
こうして私達は学校か終わった後、そのままの足でいつものカフェに来た。
「美味しい…」
「本当?1口欲しいな」
口を開けておねだりする彼を笑いつつ、自分のスイーツを掬いそのまま口に運ぶ。彼は少し驚いた後嬉しそうにはにかんだ。
「うん、美味しい。もう一口頂戴」
「えっ、う、うぅ〜…」
「あっはは、冗談だよ。自由に食べていいよ」
爽は時々意地悪だ、基本的には優しいのにおちゃめなところもあるものだ。
「…?」
ふと、視線を感じて窓の方を見る。しかし誰かいる訳でも無く、通行人がただ通るだけ。中学生の時からずっと私は訳もなく視線を感じる時がある。しかし多くは誰も居なく、何事も無い。
まあそんなことはどうでもいいと、私は目の前にあるパフェの山に手を付けた。
「……先輩、可愛いなぁ」