【短編版】結界術師の成り上がり〜迷宮に転移されたけどゲーム知識を使って成り上がる〜
こんにちは、星色です。元々この作品は連載として投稿したものなんですが、自分の都合で削除してしまいました。 この度短編版で投稿すれば「何話も書かなくてよくね?」と思い投稿します。 どうぞよろしくお願い致します。
俺がホームルームの時のときだった。
騒いでいる奴
笑っている奴
机に向かって寝てる奴
チヤホヤされている奴
1ーA組の教室、風桜蒼はいつも通りに空気モブになる。
変なことをして目立ったら、陽キャのパシリにされかねない。
1ーA組担任の『今井大介』先生が教室に入るとクラスは静かになる。今井先生は成績のいい人が大好きだ、まあ噂程度だけど。
もちろん俺は普通の学力なので‥‥‥あとは想像にお任せしよう。
「皆さん、今日は校長先生が各クラスに来ます!今回はかなり先生の評価に影響するので規律正しく過ごしましょう。絶対にですよ!」
「「「はーい先生」」」
今返事をした中のほぼ全員がいわゆる、カースト上位である。特に『伊神拓也』。
まさに神が与えしイケメン。
性格ブスなのだが、スペックが非常に高く、なんでもできる。羨ましいぜ!性格ブスはいらないがな!
クラスの女子たちは金髪イケメンの副作用で外見しか見えていないらしい。もちろん違く学年も同じく。
次に伊神拓也の横を常に歩いている、『今井大輝』。
先生と同じような名前が嫌なのかどうかは知らんが、いつも「白井ってよべ!」って言ってるB・A・K・Aである。なぜ白井かはよくわからないが、顔はとてもよく、その他のスペックは低いのが特徴。
いわゆる脳筋って奴だろう。
脳筋はただの筋肉ばかだって?うるさいな。
すると俺の背筋に圧巻が走る。
「やっぱ拓也くんって素敵!!」
「やっぱかっこいい!」
「きゃー」
「サイコー!」
やはりお前らだったか。
次に伊神拓也を取り巻くグループのリーダー『桃蔵 京子』がーーやっぱ何を言っているかわからない。桃蔵さんに続いて、グループの女子たちがま〜た何かを言っている。
「ちょっとみんな、静かにしよう。」
「そうね、明智くんお言う通りよ!みんな静かにしなさい!」
みんなに静かにするように言ったのは『明智真』。こちらも伊神拓也に並ぶほどの美貌で、こちらは性格も良くてスペックが高い。まさに理想の男である。ただ、性格が良すぎるあまり‥‥‥って感じだ。
そして僕の隣の席にいる『左三河玲』さんはモデルも顔負けするほどの美貌の持ち主。
出るとこは出て、グハァ!いかんいかん。
左三河さんは本が好きで休み時間のほとんどを本に使っている…はず…。
すると鶴田文雄、通称ケンカ上等男である。まあケンカっていうよりいつも一方的な喧嘩しかしないが…
「おいおいおい、なぁ〜に玲ちゃんのこと見てんだよおめぇ」
「あ、いや、えーと…。」
「もしかしてだけど〜玲ちゃんのこと好きなのか!?」
左三河さんは俺の幼馴染である…小さい頃はよく遊んだものだ…じゃなくてこれはやばい。クラスの目が俺に集まっている。
「そ〜れ〜と〜も〜アレ見てたのかぁあおいおい」
「い、いや見てないですよ」
「ってことは、見てたのかぁおらぁ!」
これが運というべきか不幸というべきかはわからない。まぁ100%不幸だが。
「嘘ついてんじゃねえぇぞ!」
「ちょっと鶴田くん!」
すると佐三河さんが間に入って喧嘩をとめに来てくれた。相変わらずアイツの喧嘩は一方的な気がするが…。
「鶴田くん、もういいよ。そんな気にしてなし。」
「いやあ、でもあいつ絶対m、む…ね、見てたっすよ!!」
こいつは何がなんでも俺に喧嘩を売りたいらしい。何をしたいかよくわからないやつである。
「おーい、鶴田。もう1時間目だぞ〜。そして校長先生様々が来る時間だ。静かにしてろ〜。」
「あ、はい」
鶴田は内申点を気にしているのか知らないが先生を言うことを素直に聞くようである。
その時だ。
「なんだ?」
教室に青白い光が充満する。光が強くなっていくとともに俺の意識は消えた…
○▲□◆○
目が覚めるとそこは大きな部屋であり、様々な装飾がされていた。柱にはルビーのような宝石が縦にならべられており、その印象は何とも言えない高級感。そして部屋の周りには騎士のような人達が並んでいた。そして俺の目の前には偉そうにふんぞり返っている人がいた。
「(この人は・・・ウィンネット・グレイシア?)」
俺の頭に1人の名前が浮かぶ。それは俺がやりこんでいるフルダイブ型VRMMOゲームの中に居る、グレイシア王国、第12世『ウィンネット・グレイシア』であった。(多分)するとグレイシアが口を開く。
ーーこれが悪夢の始まりだった。
「まずは驚いているとは思うが、この世界にの歴史でもはすとしよう。この世界は七つの大陸に分かれており…」
〜30分後〜
かれこれ30分ほど話していると、隣に居た金髪の髪の女性が口を開く。青色の瞳で白いドレスにフリルがついた感じの服装だった。
ロリータ服みたいだなあ、と思いつつ話が長かったとホッと息をつく。
「要約しますと、グレシア様はあなた達に王国、いや世界を救ってほしいということです。でよろしいでしょうか?」
「まぁ、そういうことじゃ。勇者様よ、どうか力を貸していただきたい。」
王は話を邪魔されたからか少し不満そうだがまぁいい。でも王が30分ほど永遠に話してたのが嘘みたいに終わったな。無駄が多すぎるんだよ。
するとクラスメイトから不満が出てくる。ていうか反応が遅い気がするが。
「なんで俺たちがどんなことしなきゃいかないんだよ!」
「早く帰して!」
「帰せないって言ったら怒るわよ!返せない!って言う気でしょ?知ってるわよ!」
「うぅ〜、ぐす、ぐす」
するとさっきの女性が少し笑みを浮かべながら口を開く。
「皆さん落ち着いてください。あなた達が世界を救ったとき勇者たちは元の世界に帰った、と伝承には残っています。」
そういえば、ゲームと似てるって言ったがおそらくほぼ確実だろう。30分の間だいろいろなことを話していたが世界観というべきなのだろうか、それが俺がやりこんでいたVRMMOゲームの「アナザーワールド・オンライン」とほぼ同じである。
「みんな一回落ち着こう。こちらの女性が言うには世界を救えば変えられるって言うんだから協力しない意外にないだろう?」
「そうね!明智さん!!」
すると桃蔵さんが返事をする。桃蔵さんは明智さんも伊神さんどっちも好きなのだろうか。
きっとああ言う人が主人公キャラって言うんだろうなあ。
「でも、何をすればいいんだ?」
「そうね、私達さっきまで普通の高校生だったもんね〜」
「なんかよくあるじゃん!鑑定で職業みたいなの!」
「ラノベとかであるやつ〜」
どうやらみんな順応力が高いらしい。さっきまで泣いていた、『嶺原 麻衣』さんもすっかり泣き止んでいる。
まあ、彼女は順応したと言うよりは『諦めた』と行った方が正しい気がするが。
すると王の隣にいるロリータ服風の女性は「それでは早速職業の鑑定をしましょうか!」と言うと水晶のようなものが運び込まれてきた。
確かあれは《鑑定石》と呼ばれる特殊な石に様々な工程を得て生成される《鑑定水晶》と呼ばれるものだ。
「そういえば自己紹介忘れていました。私の名前は『アイラ・ルシア』と言います。それでは鑑定する方からお並びください!」
すると先生が真っ先に先頭に並んだ。そういえば先生も居たのか…存在感うす!いかんいかん。
俺はやっぱり空気なので最後尾に並ぶ、と言いたかったが俺の後ろには『佐々木修斗』と言う俺と同じ空気で学校を生活をしている人が最後尾だった。
次々に鑑定がされていく。しばらくして十人ほど鑑定をしたときである。
「次の方〜!お名前を教えてください!」
「2ーA組伊神拓也です。17歳です。」
「では、水晶に手を置いていただけますか?」
伊神さんが水晶の上に手を置くと水晶は激しい光を放つ。すると騎士のような人が驚いていた。とりあえずこの人を騎士Aとでもいうか。
「こ、これは!…」
騎士Aが間をためているとアイルさんが「早くしなさいよ」といったときである。
「ゆ、勇者で、す!」
すると皆の目が伊神さんに向く。なんか王様の目もなんだかキラキラし始めたゾ。
「なんて素晴らしいことでしょう!伊神さん!あなたはこの世界の救世主ですよ!!もちろん皆様も世界の救世主ですが、あなたがこのパティーを引っ張っていくことでしょう!」
なんだかで伊神さんが照れている気がする。それもそうか。巨乳で、美人で、手を握りしめられながら言われたもんなあ。
アレ?ロリータ服?
マイイヤ。
「お、おう…。」
次は明智君の番である。
「じゃあお名前を教えてください!」
「えーっと、明智真です。」
「じゃあこの水晶に手を置いていただけますか?」
またもや水晶から激しい光が溢れ出した。すると騎士Aがまたもや驚いている表情だった。だがさっき少し怒られたからだろうか。すぐに口を開いた。
「剣聖、です」
「3回連続で上位の職業ですか!私達の代は神に恵まれているようです!」
ちなみにもう1人は左三河さんである。やっぱ顔とかが良いといい職業なのかなあ?と思いつつ俺は「あの職業がいいなあ」と思った。
「と言いますと?」
「そうですね…私たちが勝手に上位などと種類を分けているのですが、大体一回の召喚で上位の職業は1〜2人ほどなのですが今回は即にもう三人!神に恵まれているとしか言いようがありません!」
「あは〜」
明智くんはどうやらことの大事さがわかっていないようだった。剣聖は俊敏性と基本攻撃力が高くアタッカーである。
戦場を一気に有利にすることもできる強力な職業だ。
ついに俺の番である。明智くんは鑑定が終わると俺に「頑張れよ」といい俺の横を通り過ぎていった。励ましでいってるのかも知れないが、頑張っても祈ることしかできんからなあ…。
「それじゃあ、お名前を教えてください。」
「風桜蒼、17歳です。」
「それではこの水晶に手をおいていただけますか?」
何回も同じことを言うのは疲れるだろうなあと思いつつ俺は言われた通りに手を置いた。本当は手を合わせて祈りたいところだが祈っても仕方がない。心の中で祈ることにした。
「(どうか出ますように…)」
すると先ほどとは比較にならないほどの激しい光が溢れ出す。
「こ、これは!?」
パリンッ!と言う音と共に水晶が割れる。すると騎士Aが目を開く。
「アイラ様!これは……」
「どうしたの!アドバリス?」
どうやらこの騎士Aはアドバリスというらしい。後で話しかけてみようと思ったときだ。何やらコソコソ話している。
もしかして来たか!?
「次のかた〜」
「(無視かよ!?)」
「あの…僕の職業って…」
すると数人の騎士が俺のことを捕まえて列から外す。
「おい、ちょっと!教えてくれたっていいじゃないか!」
どうやらこいつら、俺の話に耳を傾けようともしないようである。
「それじゃあお名前をしえてください」
「佐々木…しゅ、修斗です…」
「それじゃあ佐々木様、お手をこの水晶においていただけますか?」
「あ、はい」
俺はその様子遠くから眺めていた。明智くんや伊神さん、左三河さんは僕とは違う場所にいた。
「(なんか分けられてるな〜)」
とか思っているとアイラ様の悲鳴が聞こえ太。何かあったのか!?と思うと、水晶台の方を見るとアイラ様が驚いた顔をしていた。
「(出たのかな〜)」
この時点で俺はもう諦めていた。恐らく『結界術師』ではないな〜と。スルーされたのだからよっぽど酷い職業だったのか。
最悪剣士でもなんとか頑張ればAランク程度はいける。ちなみに剣士の職業は才能がある奴、といった感じだ。
「ふ、2人目の!ゆ、勇者様!」
すると辺りから歓声が聞こえてくる。騎士達の声だろうか。
「静まれぇえ!」
王‥‥‥グレシアの言葉により騎士達が静かになる。勇者か。まだ俺剣聖とか勇者だったらなあぁ思う。
勇者は勇者で結構強い。トップランカーにもたくさん居たしな。でもやっぱ世界一位は結果術師の人だけど。
「(ん?佐々木の様子がおかしい)」
「ふぇ!へへへへ!お、俺にも、神は俺を見捨ててなんていあかたんだぁぁあ!HAHAHAHAHA!」
何やら性格が急変したかのようにたか笑いを続ける。確かに、空気モブが勇者って言われたら発狂するだろう。俺だって。。。いや俺は発狂しないな。
すると佐々木が歩き出す。伊神の前で止まると伊神さんの肩に手を置いた。
「イヒヒヒ、勇者同士仲良くしようなあ。はぁはぁ」
「あ…あぁ…」
佐々木はそう呟くと何かを演唱し始めた。あれは恐らく光魔法で最も覚えやすく使える魔法『聖光』だろう。一様これでも、アンダーワールド・オンライン世界ランキング7位として技の名前は覚えているつもりである。
「“ 聖光 ”!」
すると佐々木の手から光が出てきた。これは対アンデット用の光なのだが、目眩しにもなるのでとても使い勝手が良い。もしかしてかもしれないがあいつも『アンダーワールド・オンライン』をやっていたのかもしれない。
きっとそうだが。
「これは光魔法LV1で発動可能になる『聖光』ではありませんか!?」
そうして2人目の勇者が誕生した。
○▲□◆○
「あいつヤリ放題してるな…」
と呟く伊神。流石に伊神も佐々木みたいなヤリマンじゃないらしい。「俺は1人の女性としかシナイんだ!」とか決め台詞を言っていた。佐々木が右も左も女ばかりだ。ただでさえいつもーはぁはぁーと言ってるのにいっそうはぁはぁうるさい。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁぁああ…イヒヒヒ。」
佐々木の容赦はまあ言動で想像できるが「THEオタク」である。服からはみ出ているお腹、まぁ豪華な服を着ているが台無しだ。常に滴っている汗、まさに最悪。
「はぁ」
俺はため息をつく。結局なんの職業だったのだろうか。まぁ変なのだったら商人とかでもするか…。
○▲□◆○
佐々木がおかしくなって1日、俺の職業は結界術師だと言われ嬉しくて仕方がなかった。だが、俺は追放されそうになっている。
こいつら頭おかしくなったのか!?つい一昨日まで「あー結界術師出ねーかなー」とか行ってたろ、桃蔵め…。
「そうだのぉ〜、普通に追放すると我が民たちに変なことを言うかもしれんからのぉ〜。そうじゃ!あれを使おう。おい、そこ!あれじゃあれ、500年くらい前から使われなくなっているやつじゃ」
付き添いのような人はしばらく考え込んだあと、何かを取りに行く。少しするとすると手のひらサイズの四角い立方体を持ってきた。
全体的に茶色いフォルム、そして表面には魔法陣が何重にもなって刻まれている。なんとも不思議なものだ。
「そうじゃコレコレ!早速起動させよ」
すると何かを唱えたとおもったら、薄紫色に発酵している魔法陣が出てくる。俺は慌てたように反論した。俺の直感が反応している。
「危険だ」と。
「おい!ちょっと待ってくれ!、何回も言うが、強いんだって、この職業は!」
「だがのぉ、ちと無能勇者が素晴らしい勇者殿達といるとなぁ、他国からもぐちぐち言われるのじゃよ……。」
「おい!だから後ちょっと待ってくれれば、強くなるんだって!というか、なんでお前達も何も言わないんだよ!結界術師強いこと知らないのか!?」
そうだ。アナザー・ワールドは超大人気のフルダイブ型VRMMO RPGゲームであり、このクラスにいるやつも知っている限りでも半分以上がやっているはずだ。と言うのになぜコイツらはこのゴミクズ王(第12世グレシア)の言うことを信じてるんだ!?頭がおかしくなったのか!?
「結界術師?確かにここはゲームと似てるけど、結界術師ってクソ雑魚職業だったでしょw」
くそ、笑ってやがる!
ケラケラケラ笑っているのは桃蔵率いる、マジでクソ女グループ。こいつら本当におかしくなったのか!?と言うのも、結界術師になる確率はとても低く確率は1000万人に1人と言われているのだ。アナザー・ワールドはおよそ10億人がプレイしているVRMMOの中でも最大のゲームであり、結界術師はおよそ100人、その中でも、4人の結界術師が『トッププレイヤー』に入っている。
トッププレイヤーとは上位1000位以内の人達である。そうこうしているうちに俺は転移魔法陣の上に立たされる。様々な模様が描かれており、ほのかに青白く光っている。
「おい!こんなことして許されると思っているのか!?迷宮にぶち込むなんて殺すようなもんだぞ!ただでさえ結界術師は初期が弱いだぞ!?」
「大丈夫です。あなたには表向きは32人の中で選ばれた勇者様と言う名目で迷宮に入ってもらいます。」
「裏向きとしては、邪魔ですかね。」
「邪魔とはなんだ!?それになんで選ばれたら迷宮に入らなくちゃいけないんだよ!」
「ただでさえステータス値が低いのに…MPは別ですが、そんな勇者が他の優秀な勇者様と一緒にいると思われたらそれこそ国の危機でございます!」
なんだこのクソ女、いきなり喋り方変えて…怒らせたのか?いやそんなことはどうでもいい。とりあえず『ロックンファー迷宮』にぶちこまれたらそれこそ終わりだ。ロックンファー迷宮は上級者が行く難度Bクラスの迷宮だ。確かに俺は他の一般人と比べれば強いが、あくまで一般人。そんな俺が難度Bランクにぶち込まれたら終わりに決まっている。
「そうですね…。流石に何も持っていないと言うのは鬼畜すぎますからこれでも持っていいですよ。」
俺の手に投げられたのは、どうやら光を灯す魔道具だった。
「最後に言い残すことは?」
その時だった!左三川さんがクソ女のことを…と言うことは起きず。
「生きて出て来れたら覚えてろよ」
するとクラスのみんなが笑う。笑ってないものいるが。こいつら異世界にきて頭のネジが外れたか?
「そうですか…これではさようなら。アオイ・カザクラ様。」
クソ女こと、アイルの手によって俺はロックンファー迷宮に送られたのであった。。。
○▲□◆○
「いてて…。」
ゲーム通りならばここは『ロックンファー大迷宮』のはずだ。そもそもこの迷宮におくる魔道具は古代のアーティファクトで罪人をロックンファー大迷宮にぶち込むものだ。
500年ほど前から使っていなかったようだけど。そしてゲーム通りにならばここの迷宮の70階層に結界術師には必要不可欠のアイテムがあるはずである。ついでにロックンファー大迷宮は1階層から530階層…まであるのがわかっている。と言うものゲームの中で誰1人として530階層のボス部屋を倒せないのでこの数字となっている。
確か王宮にある書物では600階層まであるとされており、下に行けば行くほど魔物は強く、大きく…はなりはしないが大きいのも十分いるはずだ。
さてと、とりあえず何階層か調べてみるか。とりあえず、50階層以下ならば確実にやばい。と言うのも、結界術師の固有スキル『反射』は初期の状態の結界だと、耐久値が320であり、目安としてはおよそ一般人のHPが100である。耐久値は初期にしてはとても優秀で、50階層の魔物の最大攻撃力が300、だがクリティカルが出たらおしまいだ。
まあそもそも俺の目的地は70階層なんだけどね!
何が目的地かって?そこに結界術士なら必須のアイテムがあるからに決まってるだろ!
「(ステータスオープン)」
ステータスオープンと心の中でつぶやく。
【名 前】アオイ=カザクラ
【レ ベ ル】1
【年 齢】17
【職 業】結界術師
【H P】120(6)
【M P】580(29)
【物理抵抗力】120(6)
【魔法抵抗力】120(6)
【俊 敏 性】230(12)
【 各 種耐 性 】
【火 耐 性】100(5)
【水 耐 性】120(6)
【氷 耐 性】110(6)
【土 耐 性】100(5)
【雷 耐 性】100(5)
【固有スキル】
言語理解 鑑定 反射〈1〉(使用可能《全反射》結界〈1〉範囲結界〈1〉包囲結界〈1〉
【称号】
異世界人
おお〜、見慣れた光景が目に映る。アナザー・ワールドでの職業は結界術師だった。結界術師が出る確率は5000万分の1とも言われており当時の俺はすごい嬉しかった。昔話は置いといて、見慣れない称号があるのでタップしてみると
【称号】
〈異世界人〉はなんらかの方法で異世界に召喚されると得られる称号。全ステータスを10%向上させる。割り切れない数字は四捨五入される。
これは称号の『英雄』に似ているな。英雄はステータスを2%向上させるが、この異世界人は10%。やはり、世界を救うために呼び出したから性能がいいのだろう。今最優先すべきことは地上を目ざすことだ。階層を確認するには主に三つ方法があり
一つ目は地道に一階層から降りて数える。
二つ目は魔法を使って調べる。
俺には魔法も地道に数えることはできないため最後の三つ目に頼ることになる。そう思うと、ステータス表を閉じて洞窟のような迷宮を歩くことにした。とりあえず20階層以上であることがわかっている。20階層までは平原のようなエリアだからだ。忍足で歩いていると機械音声のような声で
〈熟練度が一定に達しました。スキル『忍足LV1』獲得しました。〉
どうやらスキルをゲットできたようだ。忍足L1は足音を好きな時に1%軽減すると言うもの。そしてLV1上がるごとに0.5%上がる。
最大レベルの196になると、足音がほぼなくなるというスキルであり、とても有能なスキルだがLV50辺りから急激に上がらなくなると言う鬼畜仕様。
ゲットした忍足を使い、道を歩いているとお目当てのものを発見した。ここで鑑定スキルの出番である。恐らくこれがなかったら詰んでいたであろうスキル。
【種族名】ロンファータートル
【レベル】431
【年 齢】£¥©∆˚
£∞¶¢・∧
〈鑑定に失敗しました〉
何やら文字化けしているがまあいいだろう、ってこれはやばい。
俺は急いで岩の影に隠れる、それと同時にロンファータートルはこちらを覗いた。恐らくあいつの固有スキル、『気配感知』でこちらの気配がバレたのであろう。
まだ見つかってはいないはず‥‥‥である。めんどくさいやつめ。
もちろんまだ忍足がLV1であることもあると思うが、あいつのレベル400を超えているとするとスキルLVは100前後、そしてここは『200階層』以上であることを覚悟しておいた方がいいだろう。200階層はBランク級冒険者6名前後のパーティで推奨される階層だ。
現在の俺のステータスは一般人よりもちょっと強いくらいであり精々、Eランク冒険者と言ったところだ。
結界術師と言う職業は、格上とも戦える攻撃能力と、防御能力を有しているがこれはあまりにも格上であり、あいつの基本攻撃一回で何があろうと確実に結界が破壊される攻撃力である。
100%ここはこのまま隠れておいた方が無難だろう。
「ウグァアガァァァァァアアアア!!」
どうやら余裕でバレていたようである。
「あ〜、もうやってやろうじゃねえか」
俺は忍足解除と同時に岩陰から出るとロンファータートルと正面で向き合う。
「グゥァァガォオオオ!!」
俺はロンファータートルが威嚇攻撃をすると同時にスキル結界を使用と同時に衝撃派を受け止める。
「“結界”!」
ゴォン!!
結界とロンファータートル激しい衝撃はが俺を襲う。体調はおよそ4m。ゴツゴツとした甲羅を背中に背負っており、デカくなって凶暴化した亀と言う風貌である。
ロンファータートルの威嚇攻撃は最大ダメージ500前後であり、1m離れるごとに、ダメージが15低くなる。そしてロンファータートルと俺との距離はおよそ20m、つまりおよそ200ダメージを喰らったことになる。
まぁいちいち計算しなくてもあとどれくらい耐久値があるかわかるんだけどね。
「グルゥゥウルウ!」
足の裏を地面に擦りながら俺のことを見る。
あのモーションは「突進攻撃壱」であり、ふつーに突進してくる。
亀なのになんで突進なんかするんだろうね。
そんなことを考えているうちにロンファータートルは走り出し一気に加速した。俺は結界を構える。(気がするだけ)
「ガァァァアァアァァ!」
「“反射”」
奴が頭を突き出すと同時に俺はスキル《反射》を使用する。スキル反射は盾が受けたダメージを名前の通り反射すると言うものだ。するとロンファータートルは見事に宙舞った方思うとひっくり返り、さらには気絶した。
と言うのもロンファータートルは突進攻撃をするときに頭が無防備になる。
その頭を突き出し瞬間に攻撃を入れてやれば見事にひっくり返る、と言う算段だ。
実にその瞬間は1コンマ。スキル思考加速もないのに成功したのは俺の力量の高さだと伺えるだろう。
ふっ、まだまだだぜ。
「よし、逃げるか。」
なんで逃げるかって?当たり前だ。
アイツは個体差にもよるけど平均HPが6000〜10000もある。そんなの到底無理無理。と言うことで俺は来た道を戻ることにした。
『戦略的撤退』と言う良い言葉がある。
気絶時間は180秒であり、アナザー・ワールドのBランクプレイヤー達はこのひっくり返りを使って経験値を荒稼ぎする。
通称『ひっくり返っちゃったら集中攻撃!』という作戦である。誰がこの戦法は創り出したかはわからないが、とりあえずネーミングセンスが終わってる人だと言うのはわかるだろう。
できればこのロンファータートルちゃんの経験値は美味しいから討伐したい。
しかし、ロンファータートルの経験値がうまいことには理由があった…それは、魔法抵抗力と物理抵抗力がとてつもなく高い!
まぁスキル反射で出す衝撃波は、魔法でもあり物理でもあるからあまり意味はない。
さらに抵抗力貫通というめでたい性能があるのであまり関係ないが、それでも攻撃力は若干低下する。
そんじゃ!さいなら〜
そう思うと俺は来た道を戻る。ゴツゴツした道を歩いていた時
「「「ゴン」」」
「痛っ!」
頭を打った。確かここから先は道だったはずである。しかし周りを見渡してもどこにも道はない。
「ーー嘘だろ…。」
後ろには現在気絶中の亀、そして目の前には先ほどまで道だったはずの壁。恐らくーー
「隠し部屋か!」
俺はわかったように左手を開き、右手を握って左手に向かって手を振った。
「「「ペチン!」」」
隠し部屋すなわち、お宝エリアである。
大体隠し部屋の入り口には罠や魔法がかけられており、出られない仕掛けとなっている。
その部屋の主を倒せばお宝ゲット&部屋から出れるのだ。
ロンファータートルに勝つ算段は二つとか言いたいけど一つしかない。そしてとても危険な作戦である。
この世界では血液と同じくらい大切なものがある。それは『魔力』だ。
すなわちMPであり、MPを急激に消費したりカラカラになるまで使ってしまうと、強制睡眠に陥ることがある。
流石にそこまで使うバカはいないがMP全体の80%から意識レベルの低下などの症状が現れる。今回の作戦はそれをやろう!と言うもの。
あのロンファータートルが部屋の主だとすると恐らくHPは確実に10000前後である、俺のスキル反射は一つ作るのにMPを10使う。
そして俺の現在の残りのMPは560。10MP少ないのは結界を修復したからである。
ロンファータートルの威嚇攻撃、およそ200ダメージを量産して、結界を修復していっても、最大ダメージは約11000である。ましてや部屋の主となると恐らくHP総量は16000前後だ。MPが回復するまで待てばいいがそれじゃ先にこちらがやられてしまう。
そこでスキル『全反射』だ。名前は気にするな。反射の派生スキルであり、ダメージを2倍にすると言うもの。それなりに強力だが弱点が二つある。
一つは後々改善されるが、反射ではMPを使わなかったのに対しこちらはMPを100消費するということである。
二つ目はクールタイムが長い。一回使うと24時間は使えなくなってしまう。そうすると最大ダメージは約18000である。
それにダメージが若干下がるので約17000前後となるだろう。
失敗をできるのは多くても二回が限度である。二回以上間違えてしまえば俺は魔力切れでぶっ倒れ寝ている間にロンファータートルに殺されてしまうだろう。
万が一倒せても魔力枯渇で倒れてしまうという作戦である。その時だ
「グルル…」
そうやら起きたようである。
「やってやるか!」
「グルルゥ…」
元気なくね?(当たり前だろ)
ーー俺の戦いは続く‥‥‥‥‥。
つまらない文章を最後まで読んでいただきありがとうございました。感想、誤字報告お願いします。あと矛盾?おかしい点なども報告していただけたら喜びます