3話 蟲屋
伏黒「あー嫌だなぁ……タランチュラを飼ってる家に尋ねるなんてぇ」
俺はこんな堂々としているが、本当は虫が大の苦手なんだ、それをいじられるがまま、大迫に背中にセミを付けられたな……その時は顔面陥没で許したが。
伏黒「……すいませーん」
俺は隣人宅のチャイムを鳴らした、中からはものすごく慌てている音が凄く聞こえてきた。
伏黒「大丈夫ですかー?」
鍵は開いてた、不用心だな、ここに住んでるやつらは。
隣人「閉めてぇぇ!!!」
真正面から来ていたのは、オオスズメバチだった。
伏黒「テメェ!!!!」
俺は残像が見えるほどドアを速く閉めた、そしてゴツンとオオスズメバチがぶつかる音が鳴った。
伏黒「なんてもん部屋の中入れてんだよ馬鹿野郎!」
すると高橋のおっさんが出てきた。
正信「こらこら、クロちゃん、こういう時はお茶で場を濁そうじゃないの」
この人は元々半グレだったんだ、いつ足を洗ったのかは知らねーが。
伏黒「凄く丸くなったな、どうしたんだ」
正信「いやなぁ……息子の顔を見て、ふと思ったんだ、ここ、変人しかいないってな」
伏黒「……そうか?」
正信「この下は悪ガキが占領しとるだろ?霧霜さんの家は最近うるさくなくなったが、よその者が来るようになった、どないなっとんねん」
そりゃ、急に人が増えたら変人判定されるよな。
伏黒「ははは……多分話しても信じてくれませんよ?」
正信「ドンと話せ、茶と一緒に飲み込もうや」
後ろの部屋からは悲鳴と殺せという声が聞こえてるが……おっさんは構わず話を聞いてくれた。
伏黒「たぶんな、夢だったのかもしれないし、現実だったのかもしれない、けどな記憶はあるんだ」
正信「へぇ……ありもしないことが、記憶にあるってことか……面白い話やな、それで?俺はどうなってた?」
伏黒「ああ、ゾンビになっていたらしい、それで第三の足がもげてたってな」
正信「そんなのフィクションの中でしてくれや、でもな、面白そうだな」
そしておっさんは帰っていった、お茶を一緒に飲みたかっただけなのか?
伏黒「丸くなりやがって……」
その時隣人の家の扉が開いた。
隣人「どうかしましたか……」
伏黒「タランチュラ逃げ出してません?」
隣人「あー、コータローのことですか……」
伏黒「あのタランチュラ、コータローって言うんですか」
隣人「どこですか?」
伏黒「家の中だけど……」
殺伐とした声が響いてるが、大丈夫か?
隣人「はいってもいいんでしょうか?」
伏黒「この声がやむんだったら早くしてくれ」
隣人「それじゃ、お邪魔……」
そして戻ってきたときには、頭にタランチュラを乗っけていた。
隣人「コータローでした、ありがとうございました……」
伏黒「は……はぁ……」
そして殺伐とした部屋が一瞬にして平和を取り戻した。
カスミ「あの人誰なの……?」
伏黒「俺にも知らないな……情報屋から聞いてみるか」
そして後々わかったが、あの人は蟲屋だという、虫を独特なフェロモンを使って捕獲する……奇人らしい。




