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表彰式とその後

 表彰式当日。


 結果から言うと、表彰はそつがなく終わった。教えられた通りに入場し、1人づつ功績を讃えられて終わり。とても簡単な式だったな。


 作法など全く知らない俺のような冒険者が表彰されることも多くある。なので、多くの作法を覚えてこなくていいよう、式自体を簡単にしてくれているのだろう。


 俺としては大満足な表彰式だったが、讃えられるだけなことに不満そうな人が何人か居たな。なにか他にも報酬が貰えることを期待していたのだろう。


 同じ表彰式を受けた身として、気持ちは分からなくもない。


 しかし、王の配信に出演して讃えられる。それだけでかなりの数の人間の目に留まるので、十分な褒賞である。


 金もアイテムも欲しいが、何よりファンが欲しいと思うのは、この世界に生まれた以上自然なことだろう。


 式中、暇な時に王の配信を確認してみたんだが、数百万人が同時視聴をしていた。同時視聴5万人で思考停止した俺との格の違いを感じたね。


 数百万人の視聴者に加え、表彰式の配信は動画として残るはずだ。なので、今後もかなりの人に見てもらえるだろう。これを機に、ファンがどんどん増えたらいいな。


 そんなこんなで、意外とあっさり表彰式という名の試練を終えることができたわけだ。

 

 しかし、俺の本当の試練はここからであった。


 式が終わり、さっさと帰宅しようとしている俺に王様直々に声がかかったのだ。なにやら、俺だけ特別に用件があるとのことで、今は客人用の部屋で待機させられている。

 

 王は笑顔で声をかけてきたし、悪いことをしたつもりもない。流石に悪い用件ではないと信じたいところである。


 それからしばらく待っていると、ドアがノックされた。


「ヴァリアンくん、入ってもいいかね」


「あ、はいどうぞ」


 どうやら、ようやく王様のお出ましのようだ。律儀にドアをノックしてからこちらに確認を取り、ゆっくりとドアを開けた。


 そして、王様と3人の美女が部屋に入ってきたのである。てっきり王様1人、もしくは王様と護衛数人で入ってくると予想していたのだがな。


 20代後半のような見た目の美女が1人と、若い美女が2人。事前に集めていた情報と照らし合わせると、王妃と王女の可能性が高い。


 何の要件だろうか。王族4人とご対面とは、とても恐怖を感じるものである。


 王族は名声値高ランクであり、強スキルを継ぎやすい立場にある。つまり、戦闘能力にも優れているということだ。


 こんなところで人間バレしたら、きっと即死させられてしまう。


「まず、国王として改めて感謝させてもらいたい」


 少しびびりながらも王様と向かい合うと、王様は頭を下げてそう言った。


 そして、それからしばらくの間、怪林病の人を国の力で救えなかった理由について語り出した。またもや、おじさんの物語である。


 皆興味がないと思うので、再び簡単にまとめさせてもらおう。


 まず、毒のダンジョンが稼げないので嫌われているということ。これが原因で、そもそも毒龍がどのダンジョンにいるかすらか把握出来ていない状態であったらしい。


 だが、この問題は国が毒のダンジョンに挑む冒険者を金銭的に支援することで解決したはずだ。


 そして、その支援ができなかった理由だが、怪林病の患者の絶対数があまりにも少なく、その少人数のためだけに国家予算から金を出すのを多数の貴族から反対されたかららしい。


 暴君が誕生してしまわぬよう、多数の貴族からの反対があった政策については、決行できなくなっているため、どうしようもなかったそうだ。


 そんなわけで簡単にまとめたが、こんなのただのおじさんの言い訳の物語である。


 確かに仕方のない部分は多くあると思うが、それを俺に話されても困るというものだ。


 こんなくだらない話、誰が聞いていたいと思うのだろうか。仮面をつけている利点を存分に活かし、ひたすらに真顔で聞き続けた。



「さ、じゃあ次は私たちの番ね」



 あれからしばらく、おじさん特有の『同じ話を何回もする攻撃』にひたすら退屈していた。


 それは王妃たちも同じだったようで、王様の話が途切れた瞬間を狙って割り込んできたのである。ナイス!


「ヴィーノ伯爵夫人から聞いたわよ。あなた、ムダ毛が生えてこないように出来るそうね? ふふふっ」 

 

 王妃からも何か話があるとのことだったが、まさか脱毛だと……。


 誤って変なところを触ったら殺されるかもしれない恐怖に耐えながら複数のスキルを発動し、精密に魔力を操作しながら女体を撫で回すという苦行。


 どこか妖艶に微笑みかける王妃と、癒されるような笑顔を見せる王女2人。


 普通は見惚れてしまいそうなほど美しい笑みだが、今の俺には般若のように見えてならない。


 これはまさに……地獄の始まりである。




 

 


 

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