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冒険者ギルドと美人魔族受付嬢

 「ふう、ようやく街の中に入ることができた。」


 思っていた3倍は街並みも綺麗で、気性の荒い人も見かけないし、今のところ意外と住みやすそうで安心だな。


 さて、早速だがやることはとりあえず二つある。


 1つは冒険者ギルドで身分証を作り、1万ゴールドを返してもらうこと。


 2つ目は、住居を見つけることかな。


 魔素がぬけるまで待機できる場所さえあればいいが、魔族の前で無防備なところを見せるのはちょっとまだ抵抗がある。なので、1番楽な案の宿屋や道で寝るなどは却下だ。


 1週間程度泊まり込みでのダンジョン探索は今後も続けていくだろうし、何度もこの街に泊まることになるだろう。それなら、せっかくなら一軒家がいいな。


 それがダメなら、街の外で野営でもするか。


「うーむ」


 野営は普通にありだな。能力が結構万能なので、基本的に簡単な問題は何でも1人で解決することができるし。


 しかし、野営だと気が休まらないのも事実だ。


 たしか、冒険者ギルドでは住居の紹介なども行っていたと思う。ひとまず、冒険者ギルドに行ってみるか。


「ここか」


 ということで、冒険者ギルドにきた。どでかい扉を押して中へ入ると、たくさんの魔族が飲食をしているのがまず目に入った。


 「あれ、間違えたか?」


 間違えて酒場に来たのかと思い、一度外に出て看板を見返すが、やはり冒険者ギルドと書いてあるな。どういうことだろうか。


 お、よく見ると奥の方に受付があるじゃないか。


 なるほど、手前は飲食スペースで、奥が事務スペースか。人間界のとは少し違うな。とは言っても、ギルドごとの違いでもあるだろうし、特別気にすることはないだろう。


  若干の視線を感じながら飲食スペースを通り過ぎ、空いている受付の元へと向かった。


「冒険者ギルドカステル支部へようこそ。ご用件は何でしょうか」


 空いていた受付には、メガネをかけていて、悪魔のような羽が生えた美人受付嬢がいた。すごい美人だが、それをかき消すほどものすごい真顔だ。


「冒険者登録と、住居の斡旋をお願いします」


 しばらく不躾に見つけてしまった。視線が目的を告げろと言っているので用件を話すと、美人魔族受付嬢は用紙を取り出し、口を開いた。


「かしこまりました。こちらの用紙には登録情報を、こちらの用紙には住居の斡旋にあたる注意事項が記載されておりますので、そちらをご確認の上で希望条件などをご記入ください。」


 しかし、真顔なのは置いておいて、随分と丁寧だな。人間界のギルドでは、まずランクの確認から始まり、Gランクだと聞くとあからさまに態度が悪くなる受付嬢が多かったのにな。好きになっちゃいそうだ。かわいいし。


 しかし、ここは魔界だ。心を許すと何か魔族の固有スキルにかけられるかもしれない。この人はサキュバスっぽいし、魅了とかも全然あり得るぞ。油断するな。


「わかりました。ご丁寧にありがとうございます」


「……記入はあちらのスペースでどうぞ。」


 必要な道具なども置いてありますので。と続けた。


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