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帰路と戦闘観察

編集いたしました

 さて、魔族の集落を探すと決めたはいいものの、どう見つけ出そうか。


 そうだ、今は夕暮れ時、ダンジョン探索を終えて町に帰還する冒険者が増える時間帯のはずだ。少なくとも、人間界ではそうだった。


 魔界でもそうとは限らないが、ダンジョンとは別方向に流れていく人の列を見る限り概ね予想は当たっていると思う。おそらく、この列についていけば街にたどり着くことができるだろう。


 列を追尾しながらあたりを見渡していると、とても重大なことに気がついた。空は赤くないし、土地だってひび割れてもなければしっかり草花だって生息している。


 魔界というからには、外もダンジョンで見たような荒れ果てた大地が広がっているのかと想像していたが、人間界とそこまで違いはなさそうだ。これはびっくりだな。


 しかし、少しだけ違う点があるとすれば太陽が紫色なことや、植物の茎葉の色がカラフルだったりすることくらいだろうか。


 しかし、差し込む光の色は人間界とは変わらないし、魔物がその辺に生えているわけでもない。特に不自由はなさそうだ。


 やはり、草原を歩いていると周りから魔物がやってくることもある。しかし、列に混じったどこかのパーティーがすぐに討伐してしまうので、特にやることがなく暇なのが現状だ。


 周囲を観察しながら歩いていると、またもや魔物が現れた。あれはグリーンウルフか。


 グリーンウルフは群れで襲撃してくることの多い魔物で、自然の多い場所での戦闘時に補正がかかる能力を持っている。


 身体の作りや自然に溶け込むその身体の色なども、自然環境での生存に適しているように見受けられるな。


 今度こそ俺の出番が来たかと意気込むものの、グリーンウルフの近くにいたパーティーがスッと前に出た。またも出番はなさそうだ。


 諦めて今回対応するパーティーを観察する。お、タンクっぽい人がいないな……先ほどまでのパーティーもそうだったが、いったいどうなっているのだろうか。


 人間界でのオーソドックスな戦法は、タンクが前に立ち攻撃を受ける。そしてタンクに攻撃してきた魔物の隙を軽戦士や剣士が攻撃。その間に魔法使いが範囲魔法を詠唱しておく。というものだが、タンクがいないのを見るに、魔界では違うのだろう。一体どんな戦法なのだろうか。


「お、始まった」


 グリーンウルフと魔族のパーティーとの戦闘が始まった。まず行動したのは魔族側で、黒ローブの魔族が杖を振り、グリーンウルフたちに闇を放っていく。


 放たれた闇は、全体の3割ほどのグリーンウルフの目と脚にまとわりついた。これは、鈍足と盲目のデバブだな。グリーンウルフに対して成功率が三割か、あまりランクの高いパーティーではなさそうだ。


 デバフにかかったグリーンウルフは混乱し、ウルフ特有の優れた統率を乱していく。鼻が効くとはいえ、目が見えないのでこいつらからの攻撃への警戒は薄めだ。


 一方、デバフから逃れたグリーンウルフは、他の魔族のスキルの黒い鞭によって縛り上げられていく。


 鞭を通して生命エネルギーでも吸っているのか?縛り上げられた個体から順に、水分を失ったかのようにカラカラに萎れて死亡していく。

 

 それでも取りこぼされ、接近してくるウルフはもちろんいる。そのようなウルフは、暗殺者のような格好の男がスキルで分身を作り出し、素早く迎え撃っていく。


 分身たちは、あっという間にグリーンウルフに短剣を突き刺し処理していき、討伐が完了した。


 すると、今回は仕事が何もなかったヒーラーと思われる子がウルフの死体を処理していく。


「ふむ」


 多数の敵に対して殲滅能力の高いスキル持ちがいないパーティーだからか、デバフや拘束系で徐々に数を減らしていく戦法だった。


 安全ではあるし、格下と戦っている分には十分通用する戦法だろう。単純に強い個体とはどうやって戦闘するのかも見てみたいところだ。


 このパーティーだけでなく、他のパーティーの戦闘も見る限り、魔族は状態異常系や拘束系、支配系などのスキルが多い印象だ。単純な肉体強化系や火力のあるスキル持ちが少ないな。


 なので、火や光ではなく闇や氷や血などのスキルを使うようにすることで、不自然に思われることも少なく済みそうだ。


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