入札確認と闘技場
「ふぅ……」
今日の配信も疲れたな。正直魔族はまだ怖いし、明るく接するのもキャラを作らないといけないから疲れが溜まる。
でも、名声値が上がるからやりがいがあるんだよな。あと、お金も貯まるし。早速、今日の狩りの成果もショップに売るか。
酸でドロドロに溶けたタコたちや、黒焦げになってしまった魔物たちはあまり高く売れなさそうだな。しかし、水中で感電死した魔物たちは綺麗な状態で倒せたので、割と高く売れそうなので期待しておこう。ぽちぽちっと操作をして、出品完了!
あ、そうだ。この前オークションに出品しておいた、ゴブリンキングとその剣は今どうなってるかな。確認してみよう。
死体のほうは綺麗だったこともあり、かなりの人数が欲しがっているようだ。魔界全体の人口が何人なのかは知らないが、1万回も入札されていて、最終入札額は50万コインのようだな……50万!?
流石はBランクの魔物というところだろうか。50万もの値段がつくとは……それに、出品からまだ2.3日ほどしか経過しておらず、入札可能期間はまだ4日ほど残っている。ここからどれほど値段が上がるのか……想像もできないな。
一応剣の方も見ておこうか。剣は、流石に死体ほどの価値はついていないものの20万コイン。高額取引の香りがするな。うはうはだ。
さて、ショップのは見ていると無限に時間が過ぎてしまいそうなので、この辺にしておいてDランク特典を確認しようか。
Dランクの得点はいつも通り2つ。一つ目はいつものスキルの制限解放と、もう一つは闘技場が開放されること。
闘技場とは、別次元の空間にある闘技場へと飛ばされ魔界なら魔界同士、人間界なら人間界同士、同じ世界の人々と戦うことができるシステムのことだ。
賭博機能も登載されており、自分と相手にかけられた金額の10%を勝者が受け取ることができる。そして、敗者は賭け金の5%を支払わなくてはならない。
基本同ランク同士でしか戦わないが、上のランクの者と戦闘することもできる。その場合上のランクのものは勝利しても、ランクが離れていれば離れているほど賭け金をもらえる割合は少なくなる。その逆も然り、下のランクのものは賭け金をもらえる割合は多くなる。
上のランクのものが負ければそれだけ多くの罰金が課せられるが、基本的に上のランクのものが負けることはありえないとされている。それだけランクによるスキルの能力制限とは強力なのもなんだ。
ちなみに、闘技場では死亡しないし怪我もなかったことになる。つまり一種の娯楽であり、名声値を高めるにはもってこいのシステムなのだ。
しかし、感じる恐怖は本物なので注意しなければならない。闘技場での出来事が原因で精神障害を負ったケースも少なくはないとか。
と、ここまで長々と話をしたが、その理由はもちろん闘技場に出場するため。名声値を高めたい俺からすると、もってこいのシステムなんだよな。
しかし、闘技場では顔を隠す機能が使えないんだ。そのため、何かしら顔を隠す物を購入しなくてはならない。
ちなみに、能力によって変化した衣服や被り物は、変化を解くと同時に元に戻るようになっているので、その辺は気にしなくても大丈夫だ。
どのような被り物をするか悩むな……人間界だったら、金ピカの鎧とか、可愛い系とかか?しかし、ここは魔界だ。魔物が人気なのは大体わかっている。
その辺と能力を踏まえて、魔物の被り物でいいか。魔物の被り物なんて人間界では絶対に売れないが、魔界だと人気で結構出品されているので、すぐに手に入るだろう。