表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
102/103

哀愁と覚悟と混乱と衝撃

 さて、回復手段がなくなったわけだが……こいつらはどう出る?


 回復能力を持つ魔物を全て倒した後、一度冷静に雷鬼と風鬼から距離を取って行動を観察した。


 追撃を仕掛けることも考えたのだが、手負いの獣は恐ろしいと言うしな。


 いや、獣じゃなくて鬼だろって?


 ……確かにそうだけど、こいつらの知力はほぼ獣だと言っていいだろう。回復手段がなくなり、やけくそになって全身全霊の自爆攻撃なんかを放ってくるかもしれない。


 それに、雷鬼は出血により継続的に弱っているし、時間をかければ冒険者たちがAランクを倒し終えて応援に来てくれるかもしれない。そう、時間はこちらの味方である。


 そうして観察を続けていると、2体の鬼が目を合わせ、頷き合った。2体からは、心なしか哀愁が漂っているように感じる。そしてやがて、4つの瞳に力強い覚悟が宿った。



 ゾワッ


 

 そして、2体はギロリとこちらを睨みつけた。瞳は充血し、視線には憎悪と殺気が宿る。


(くるか? どう来る? 何をする気だ? 有力候補は……)


 圧倒的な殺意に背筋が軽く震える。それを忘れるように思考を巡らせ、速い攻撃に備え、2体を凝視して行動を待った。


 すると突如、強くこちらを睨む風鬼の瞳から、赤と透明の雫が溢れた。


「え?」


『どしたんヴァリアン』

『え?は草www。どしたん』

『wwwwwwwwwwwwwwwww』

『え、待ってもしかしてあれ、泣いてる……?』

『え、ガチやん』

『wwwwwwwwwんなわけあるか! よく見ろよ。赤いし、ただの血だろ?』

『いや、鬼系って感情が表に出やすいからなんとなくわかるけど、やっぱ泣いてる気がする』

『ほんとだ。ズームしてみたら泣いててびびる』


 魔物の涙。それはありえないはずの光景で、脳内が混乱する。


「ガァァァァァ!ァァァァァァ……ウガァァァァァァァァァァァァ!」


(来る!)


【炎蜥蜴の腕】【大天使の翼】


 こちらの混乱をよそに、風鬼が咆哮。すぐに気を切り替え攻撃に備えるも、攻撃は来ず。


 そして風鬼は、咆哮と共に大きく開けた口で、雷鬼の頭部を……喰らった。


 

 


ここまでお読みいただき、ありがとうございます!


少しでも面白いと思って下さった方は、このページの下のほうにあるブックマーク登録ボタン、グッドボタンなどを押していただけると嬉しいです!


☆☆☆☆☆→★★★★★

同じく下のほうにある白い星を黒い星へと塗りつぶしていただきますと、作品の評価も上がり、作者のモチベーションになります!


投稿頑張っておりますので、今後も応援のほど、よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ