007 メイオールドのライ
ライが25歳の時、頭の良くなかった彼は力仕事で生計を立てていた。建築業? 運送業? いや、そんなものではない。彼はメイオールドという殲滅部隊に所属していたのだ。メイオールドは、軍隊を出すほどではないが、警察にさせるには厄介な仕事をする特殊部隊。すなわち汚れ仕事である。3年前から所属しており、ギャングの組織解体、麻薬の取り締まりなどをしていた。そしてこの部隊の最も恐れられるのは、「抵抗する者はどうしようとも構わない」ということだ。ライは3年間で100人近く殺した。表の世界では知られることはない。しかし、裏の世界では彼が部隊に参加した時、必ず組織が破壊されること、相手の生死を問わない襲撃、残る物は何も無いことから「災害を呼ぶ男」と恐れられている。
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「せっかくの休みだったのによ〜 有給取ったんだぜ! でもあいつの父親は命の恩人だからな。断れねえよなあ!」
「お前がなんでここに!」
「有給取ったって言っただろ。ゴルフしようと思っていたのによお! それより、俺のことを知っているってことはただの小遣い稼ぎの学生じゃねえな。どこの組織のもんだ?」
男たちは銃を構えた。
「教えるわけないだろ! オラァ!」
パァン パァン !
発砲したが...
「効かないなぁ 」
本気になったライに対して、銃弾など効くはずもなかった。ライは男たちに近づいた。
「やめろぉ!来るんじゃねえ!」
パァン !
男は腰を抜かした。
「ああああ! 来るなああ!」
ライは男の頭を掴んだ。
「死ぬのが怖いか? まだ死にたくなければ吐け。」
そう言って、逃げようとするもう一人の男の首に手刀を食らわせた。
ピキッ
男の首から明らかにしてはいけない音がした。そしてそのまま倒れた。
「ああ、死んだかもしれないな*。まあいいか。お前もああなりたいか? なりたくなければどこの組織か言うんだ。もっとも、その組織は潰しに行くから、どのみち同じことではあるがね。」
「言う! 言うから命だけは見逃してくれ!」
ライはポケットから小さな機械を取り出し、ボタンを押した。
「勿論。これは取引だ。ほら、ちゃんと録音しておくから... さあ言え。」
男は必死に叫んだ。
「ニムロデ! ニムロデだ!」
ライはにっこり笑った。
「ありがとう。約束した通り、命は奪わないでやる。だが...」
シュボン!
「がああああ!!」
男の手首が切り落とされた。
「やぁぁぁくそくとぉぉぉ違うじゃあぁぁないかぁぁぁぁ!!」
「大丈夫 大丈夫。残った方の手で救急車呼べば助かるから*。落ち着けよぉ。」
ライはGPSを確認した。
(ティアが心配だ。農業区の方だな。それにしても...)
ライはその組織を知っていた。
「ニムロデかぁ... こりゃまたややこしくなるぞ。」
そう言って走り出した。
○死んだかもしれないな 007
まあ、首の骨は折れているだろう。ただ、首の骨が折れると死ぬわけではない。問題は神経にダメージが入ったかどうかである。よく漫画などで首に手刀を当てて気絶させるシーンがあるが「トンッ」ぐらいでは普通気絶したりしない。やる時はライのように能力を発動させた状態で、そこそこ勢いよくやらなければならない。(やってはいけない。)
○助かるから 007
多分助からない。しかし、適切な処理をすれば5分はもつと聞いたことがある。私もこの機会に止血の仕方を学ぼうか。