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004 ドキッ♡キケンなテント生活 後

私はキャンパスの地図を見ていた。仲間の位置は腕につけたGPSでわかる。私は東広場の庭、ライとティアは実験棟、マーティとミッドは西館の倉庫だ。ライはともかく、マーティたちは無防備だ。早く助けに行きたいがここからはかなり遠い。実験棟は走れば30秒だ。しかし今どこから監視されているのかわからないのに動くのはキケンだ。すでに全員には、襲撃されたこと、敵は水道管を使って移動していることは伝えている。

「大将はどこだぁ?」

ここの近くで一番見晴らしが良いのは時計塔だか...

プルルルルル!

ライからだ。携帯に出るとすごい騒音がしていた。

「......っいる...」

「何があった!」

「見つかった! 距離も十分離していたし、バレないと思っていたが...」

「戦えるか?」

「俺だけならな。だか今は人命一番で行くぜッ!」

2人が学校外に向かっているのはGPSで捉えた。ティアは戦えない。妥当な判断だ。

だが、私もライもなぜ位置がバレたんだ?ライの方を状況は判らないが、私はどうだ?なぜピンポイントで場所がわかったんだ?ここに来るには広場を通らなければならない。そうなればセンサーに引っかかる。そして植え込みによって建物からも視界はシャットアウトしている。

「相手は特殊能力者か?」


ビーーー

赤外線センサーが反応した。私は急いで画面を見た。しかし、

「どういうことだ...?」

画面が真っ白だ。当たり前のことだが、赤外線カメラは温度が高くなればなるほど白くなる。つまり、

「炎系能力者ということか...」

どこだ?奴はどこにいる!カメラの名前はこうだった。


〈東館入口 広場側〉


まずいッ! 早くでなければッ...!

テントから出たその時、

「ストレッチバーナァー!!」

巨大な火柱がこっちに向かって飛んでくる!

「保護波動!」

能力の発動は間に合った。しかし、

「ウグオオオオォ!!」

この保護波動は衝撃には強い。だが、火には弱い*。火、もとい炎系能力者の攻撃は身体全体を覆う。これでは、エネルギーを逃すことができない。ダメージはいくらかしか軽減できねぇ!

「アァァチイイィ!!」

服に引火した!私はそこら中を転がりまくった*。

「滑稽。実に滑稽だ。私の攻撃を食らった者はみんなそうする。その姿が面白くてたまらないんだぁ♡」

こいつだ。炎系能力者は熱で生物を感知できると聞いたことがある。こいつがこの場においてのボスだ!

なんとか服に付いた火を消し、状況を把握することができた。テントや周りの草木が燃えている。

「ハァハァ... おめぇが司令塔かぁ?!」

「なるほど。お前もなかなかのようだ。もろに食らったと思っていたが、ガードしたな?本来なら皮膚は爛れているはずだ*。」

正直ギリギリだった。皮膚はちょっとした火傷を負うまでで済んだ。

「今降参すれば病院行きまでにしてやる。どうする?」

「病院に行くのは...その馬鹿にしたような顔を...二度と人前に出れねえような顔にしてからだぁ!」

「ほう。なら明日の一大ニュースは...〈スターアイランド大学で焼死体発見〉で決まりだな!」




○火には弱い

銃弾などの運動エネルギーは物体に依存している。保護波動は、物体が身体に当たる前に物体の運動エネルギーを拡散し、ゼロにすることで身体を衝撃から守っている。一方炎は物体としては存在しない(厳密には分子として存在する)。そのため、熱エネルギーの一部は保護波動を貫通してしまう。また、拡散できたとしても炎に包まれた場合、エネルギーの逃げ場が無いため、あまり有効な手段とは言えない。

ここで勘違いしてほしくないのだが、保護波動は一点集中したエネルギーを身体全体に流れるように逃す能力であって、エネルギーをなくす能力ではない。(少なくとも現時点では)



○そこら中を転がりまくった

物語の主人公としてはカッコ悪いし、炎ぐらいは耐えて欲しいところだが、服に火がついた時の対処法としては決して間違った行動ではない。皆さんも服に火がついた時は落ち着いて『ストップ、ドロップ&ロール』!

(詳しいことは消防庁のホームページをご覧ください。)



○本来なら皮膚は爛れているはずだ

普通ならⅡ度熱傷浅層ぐらいにはなっていただろう。


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