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守護者は死神  作者: oga
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ラストラン

 もう、一歩も歩けねーよ。

キサラギはミナミ区、つまり、私のバイクが止めてあるその先に、これから来る予定だ。

現在地からニシ区の外れまで行って、そっから迂回して護送車に向かうことは、今の私には不可能。


「無理、じゃんか……」


 思わず、弱音を吐く。

誰か、颯爽と私の前に現れて、助けてくれねーかな。

そうだ、ウォーリー。

成長したウォーリーが、カンナ姉さん、助けにきやしたぜ、とかなんとか言って、現れるのはどうた?

……何キャラだよ、ウォーリー。


「……へっ、いつから私は、そんなヤワになったんだよ」


 私は、すぐに考えを改めた。

ウォーリーの顔を思い出したら、こんなダセー自分が情けなくなっちまった。

守るのは、私の役目だろ。


「駅前に、でけー病院があったよな」


 郊外には向かわないで、あえて駅前を目指す。そこで、輸血をして、更に地下鉄でミナミ区を目指すんだ。


「……ウォーリー、待ってろよ!」


 私は、家から飛び出した。








 堂々とセンター通りを歩く。

住宅街の入り組んだ道は、迷う上にいつ何時襲われるか分からない。

センター通りなら、影はあんまりねーし、ここら辺は催眠に落としたガーゴイルが、かなりの数紛れてるから、助けてもらえる。

私は、姿を敵に晒しつつも、安全に病院を目指した。


「……ついたか」


 イーストシティ総合病院に到着。

輸血なんて自分でできないから、看護婦が残ってくれてることに期待するしかない。

だが、その可能性は、高いハズだ。

私は、病室のドアを開けた


「……あなたは?」


 やっぱり、いた。

看護婦だ。

彼女らは、人助けを生業にしている。

病室で寝たきりの患者を、放って逃げるようなタマじゃねーよな。


「頼む。 急いで、輸血してくれねーか?」






 輸血を済ませて、何とか地下鉄まで到着した。

後は、バイクに乗って、護送車にこの槍を届ければ、しまいだ。


「大丈夫ですか?」


「……ああ、問題、ねーよ」


 血にまみれた私を、周りの乗客が気遣ってくれる。

問題ねー。

槍さえ届けられれば、それでいい。

私の命が、そこまでだったとしてもな。

 電車から降りると、一斉にカンナコールが沸き起こった。


「カンナ、もう少しだ!」


「頑張れ、頑張れ!」


 ……何だ、コレ。

ああ、そうか。

みんな、最初に催眠にかけた奴らか。

ったく、いつまでも催眠にかかってんじゃねーよ。


「言われるまでもねーっつの」


 絶対に、最後までやり遂げる。

それが、私の使命だから。





おわり


終わりました!

感想、ダメ出しよろしくお願いします。

ウォーリーが主人公の次回作は、気乗りしたら書きます笑

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