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守護者は死神  作者: oga
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地下鉄

 このままガーゴイルを放置するわけにはいかない。

何かいいアイデアはないかと、オフィスの外のへと出て、通りを行ったり来たりしてみる。

ここは地下だが、疑似的に空が描かれており、雰囲気は都会のオフィス街に近い。


「なあ、ウォーリー、私はどーすりゃいんだ?」


「だあ、だあ」


 ……ウォーリーは相変わらず、無邪気にだあだあ言っている。

いつもなら癒やされるこの仕草だが、今は気に止める余裕もない。


「……そういえば、スターの奴が言ってたな」


 手詰まりになったら、ウォーリーの実家に行ってみろ、だったか。

シャクだが、もうそれしかねーか。


「ウォーリー、しばらくお別れだな」


 イーストシティはガーゴイルの巣窟だ。

ウォーリーを連れて行く訳にはいかねー。

私は、素芸鎌開発局の知り合いに、こいつを預けることにした。







 知り合いのキサラギ(女)にウォーリーを預け、私は今一度、地上へと戻って来た。

鉄板を腕で押し上げ、止めてあるバイクへと向かう。

跨がってエンジンをふかすと、ハイウェイを走り出した。







 イーストシティ付近の上空にはガーゴイルの群れ。

すぐに、その内の数匹が私の元へとやって来た。

私は鎌を振り上げ、応戦した。


「こんにゃろっ」


 ガン、ガン、と敵を弾き返しつつ、ウォーリーの実家を目指す。

まともに戦っても、多分勝てない。

かと言って、かわしながら進んでも、ジリジリ削られる。


「……そうだ」


 私は、バイクを乗り捨てて、地下へと伸びる階段を目指した。

地下鉄を使えば、しばらくの間、敵の襲撃は防げる。

鎌を担いで、地下へと逃げ込むと、そこは人でごった返していた。

みんな、イーストシティから逃げ出そうとしているのか。

このイーストシティは、キタノ区、ニシ区、ミナミ区の3つのエリアからなっており、それぞれに駅が存在する。


「現在、駅が大変混み合っております! 落ち着いて、行動下さい!」


 駅員が促すも、パニックに拍車がかかるだけだ。


「おめーら、道、開けろ!」


 私は鎌を乗客に見せ、振り子みたく、揺らす。

催眠術にかかった奴らが、モーゼの十戒ばりに、左右に別れて道を開けた。



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