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守護者は死神  作者: oga
22/27

死神本部

 ハイウェイを走ること、丸一日。

到着したのは、何もない荒野。

適当な場所にバイクを寄せ、床に落ちている鎖を手に取り、引っ張っていく。

すると、鎖に繋がれた鉄板がズレて、地下へと続く階段が現れた。

何を隠そう、ここに私ら死神の本部がある。

ウォーリーを抱え、その階段を降りると、真っ白い部屋。

指紋認証装置に手をかざし、扉を開けると、その先は空港のターミナルみたいにだだっ広い空間と、せわなく行き来する死神らが目に付く。


「久々、戻って来たな」


 一概に死神と言っても、ここでは戦闘要員はさほどおらず、むしろサポート要員が大半を占める。

中には、素芸鎌開発局なんかもあって、日々、より強力な鎌を作ろうと心血を注いでいる者もいる。

私は、その足でゲッコウの元へと向かった。

ゲッコウは、地下2階のオフィスにいるハズだ。

エレベーターを使い、通路を通ってオフィス内へと入ると、デスクワーク中のゲッコウを発見した。


「ゲッコウ!」


「……カンナか」


「地上がやべーぞ。 シンゲツとクロサキがやられた。 レモンも危ねぇ」


 現状を説明すると、周りにいた奴らも、ザワつき始めた。


「死神を総動員しねーと、収集がつかなくなるぞ」


「……いや、既に手遅れだ」


 ゲッコウは、パソコンのモニターを私の方に向けてきた。


「何だ、こりゃ?」

 

 イーストシティの地図が映し出されているが、赤い点が蕁麻疹みたく広がっている。


「これは、俺が作ったモンスターの居場所を特定するソフトで、赤い点の一つ一つがガーゴイルだ」


 ……は?


「ウソ、だろ……」


 だとしたら、とんでもない数のガーゴイルが、既に街中に放たれたってことか。


「少なくとも、100匹以上。 死神を総動員した所で、どうにもならない」


「じゃあ、どうしたらいいんだよ!」


 思わず、机に拳を叩きつける。

このまま、ウイルスみたくガーゴイルが増殖を続けたら……


「お前が手早くガーゴイルをコントロールしなかったから、こうなったんだ!」


 ゲッコウの怒号に、周囲が凍り付く。

ゲッコウに当たるのは、お門違いだ。

私が麻雀なんかに夢中になってたから、初動が遅れた。

全部、私のせいだ。

そして、最悪の事態になりかけている。


「……すんません」


「……」


 私は、黙って部屋を出た。





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