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守護者は死神  作者: oga
20/27

キャンプ

 牢屋ん中にいる以上、私ら死神は手出しできない。

だから、奴が表に出てきた所を狙って殺す。

私は、ゲッコウと連絡を取り、刑務所の近くにキャンプを設営することにした。

数日後、近場の死神ら(クロサキ、レモン、シンゲツ)が集められて、ガーゴイルこと、シンがいつ逃げ出しても仕留められるよう、準備が整えられた。


「つっても、全然、出て来る気配ねーよな」


 私は、鉄板の肉を焼きながら、ぼやいた。


「それ、そろそろイケるだろ」


 シンゲツがまだ焼けてない肉を自分の皿に取り分ける。


「おめっ、それまだ焼けてねーぞ!」


「レモン、俺の器にレモン汁、かけてくれよ」


「はいはい」


 私の言葉を無視して、レモンが鎌を取り出し、先端から垂らした液体を皿に落とす。

レモンの酸は、薄めればレモン汁として利用することが出来る。

焼き肉を食おうと言い出したのはシンゲツだが、こんなんしてる場合か?


「……なあ、いつシンが出てくるか分からねーのに、暢気にこんなことしてていいのか?」


「お前がシンを脅したから、ビビってしばらく出てこねーだろ」


 肉を頬張りながら、シンゲツが呟く。


「気になるなら、俺が様子を見てこよう」


 そう提案したのは、クロサキ。

クロサキなら、影の中を移動できる鎌の能力を駆使して、シンの様子を見に行ける。


「……頼むわ」


 クロサキは、鎌を手に持ち、施設の方へと歩いて行った。








 クロサキが探索から戻り、暇な私らは、丁度4人ということもあって、麻雀をしていた。

テントの頭上にランタンを引っかけ、中央に卓を置く。


「レモン、それ、ロンだわ」


「また私? カンナ強すぎ」


 元々ギャンブル好きな私にとって、麻雀はお手のものだ。

クロサキが、ちらとウォーリーの方を見やる。


「……あれは、放って置いていいのか?」


「2時間置き位にミルク飲ませときゃ平気だって。 それより、次、やろーぜ」


 ガチャガチャと牌をかき混ぜてる時だった。

テントに不気味な影が浮かび上がった。

みな、瞬時に臨戦態勢に入る。


「何々、どした?」


「カンナ、敵だっ」


 他の3人が鎌を持ち、外に出る。

遅れて私も外へと出ると、そこには人の丈程ある、二足歩行のコウモリみたいな化け物が、徘徊していた。

ガーゴイルだ。

クロサキが影の中を移動し、ガーゴイルの背面に迫ると、鎌で体を押さえ込み、動きを封じる。


「レモン!」


「分かってるっ」


 呼びかけに応じ、レモンが鎌を構え、酸の刃を飛ばす。

しかし、次の瞬間、ガーゴイルがクロサキごと、地面に消えた。


「……え?」


 影の中から、血塗れのクロサキが投げ捨てられた。




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