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守護者は死神  作者: oga
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狙われし子

 風呂は個室で、私はウォーリーと一緒に湯船に浸かった。


「ふぅ~、生き返るわ。 てか、何かこのお湯、すっぺーな」 

 

 多分、湯畑を通ってる間に木の渋みが付いちまったんだろう。

お湯の温度も熱めで、窓を開けて外気を入れないと、すぐ上せそうだ。


「レモンと勝負したら、また汗かいちまうな。 終わったら、もうひとっ風呂浴びるか」


「だあ、だあ」


 





 風呂から上がり、ウォーリーを受け付けの兄さんに預け、私はレモンの元へと向かった。

途中、バイクに置きっぱなしにしていた鎌を背中に携える。

坂を下って、湯畑の前までやって来ると、小ぶりな鎌を持ったレモンがいた。

相手の正面に立つ。


「お前、私を逃がしてくれんじゃなかったのかよ?」


「他の先輩に、手柄横取りされたくなかったので。 それより、先輩がかくまってる赤ちゃん、生かしておいたらマズいです」


 ウォーリーのことか?

何が一体、マズいんだ?

そんな私の考えを見透かしたかのごとく、レモンは説明を始めた。


「彼、戦神オーディンの生まれ変わり、らしいです」


「……オーディン?」


「1000年前、死神はオーディンに滅ぼされかけたんです。 もし、彼にオーディンとしての自覚が芽生えたら、今度こそ死神は滅ぼされてしまいます」 

 

 ……そんな仲悪りーのか?

死神とオーディンとやらは。


「ウォーリーはただの赤ん坊だし、お前らが殺そうとすっから、ケンカになったんじゃねーの」


「……引き渡す気が無いなら、死んで貰うしかないですね」


 レモンは鎌を握り、私目がけて振り払った。

鎌から刃をかたどった、液体が放たれる。

その液体がかかった地面が、ジュウ、と音を立てて溶け出した。 

硫酸だ。

私は、液体を避けて、背中の鎌を手に取り、駆け出す。


「……ん」


 レモンは後ろに向き直り、路地裏へと走り込んだ。

後を追う。 

すると、待ってましたとレモンが小ぶりな鎌で切りつけて来た。

最初の攻撃は、ここに誘い込む為の布石か。

私の大鎌じゃ、壁が邪魔で振れねー。


「……とでも、思ったか!」


 私は、鎌を握りしめ、壁ごと振り払った。

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