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僕のために生きて欲しいんだ。  作者: 望月月華
番外編の始まり、穏やかな日常の終わり。
2/14

ストーカーじゃ…、ないんだよね?

 何でだろう、最近僕の想い人が、とある男子に夢中になっている。


 クラスの中でも、それほど目立つような存在感とかは特に無い。


 けれど最近僕のテレーゼが、おっと間違えた。

 テレーゼが彼に対してストーカー紛いの行動を取っている気がする。


 現在、窓側の席のため景色が他の席とは段違いに外の様子がうかがえる。


 白い雲がよく映える、眩いほどの青空と窓ガラスに映る自分の顔。その2つがくっきりと見える。つい最近、テレーゼ達の手が荒れないように苦労させられる大掃除があったからだ。

すると、もう1つの存在が目に入る。


 黒いサラサラと揺れているソレは、地毛ではない。付け毛、というよりは鬘だ。地毛でも良いと思うのだが、そこは彼女の希望だ。彼女の意思を優先したい僕は彼女の日の光に照らされて透き通るような髪色を学校でも目にしたいが、少なくとも休日に家に訪ねると見られるので、諦めている。


「水軌く~ん!」


 声を掛けられ振り向くと、トイレに行った帰りのはずのテレーゼの表情は、今も見えている太陽と同じくらい輝いていた。


「どうかしたの」

「今さっきあったんだけど、聞いてくれる?」

「良いけど?」

「ありがとう! 今、A君がね………。で、それで、A君が……………」


 あー、もう、なんで好きな人の『好きな人』の話を何度も聞かされなきゃいけないんだろう? 笑顔なのがまた少し、あいつに苛立ちを覚える。


「ねぇ、水軌くん? 話聞いてくれてる?」

「あ、うん。話、聞いてたよ?」

 嘘だ、全く聞いていなかった。

「そう? なら、良いけど………」

  でも、その中の1文はしっかりと聞いていたんだよ、テレーゼ。


 どういうことなんだろう?

 今度、家に行ってみよっかな~、場所はもう覚えたし、彼の部屋も2日前に不動産で調べたから、西側の道路の方から見える筈よね~。

 って、呟いているのが聞こえたんだけど。

 あいつの家まで案内してもらったとかも聞いてないし、こっそり後をつけたのかな?

 そして、僕はため息をつくと授業が始まりそうなので、席に戻るように促したのだった。

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