-1- 明日も変わらないはずだったのに
初連載なのでいろいろわからないことが多いのですが、暖かい目でご覧下さい……
更新も不定期です。
明日もきっと変わらない。
周りに気を遣って終わる日々。
気の弱い俺には所詮何も変えられないんだ。
俺の名前は神崎岬。
どこにでもいる、ごく普通の高校生。
好きでもない奴らと一緒にいて、話を合わせるだけの毎日を送っている。
自分の身を守ることしかできない、嫌な奴……かな。
このベットで目を覚まして、つまらない学校に行って帰ってきて、やることを済ませたら寝る。
たとえ俺がこの日常を変えようとしても、周りにすぐ呑まれてしまうだろう。
俺には到底、何も出来やしないんだ。
そうやって自分へ言葉の自傷行為をしてから、目を閉じる。
それが俺の日課にもなりつつあった。
そうして今日も、いつもと同じように眠りについた____のだったが。
次の日の朝 目を覚ますと、そこは見慣れない部屋だった。
昨日、確かに自分の部屋のベットの上で目を閉じたのに、俺の周りには白を基調にしたベットやらクローゼットやらが置かれていたのだ。
「ここ、どこなんだよ……」
すると俺の小さな声に反応したかのように、部屋に1つしかない扉の奥に人気を感じた。
俺の中に緊張感が走る。
もし捕らえられていたりしたら、何か危険なものが来るかもしれないからだ。
……いや、それは考えすぎかもしれないけど。
そうしているうちに扉が開く音がして、思わず身構えた。
そんな時、もし危険な奴が来ても抵抗も何もできなさそうだなと俺は思ってしまった。
自分は弱いってこんな瞬間でもわかってるんだな、うん。
そうして扉の奥から現れたのは____
金髪に青い目、というまさに『ファンタジー』な外見の少女。
もしかしてここは日本じゃないのか?
ああ、まず現実じゃないかもしれない……。
「あ、おはようございます!」
と彼女はニコッと笑って俺に話しかけてきた。
かなり可愛い子だ……。
「あ、おはようございます……?」
とその言葉に俺は返す。
彼女は俺が寝ているベットの隣にある椅子に座ると、こう言った。
「私の名前は、ミシェルです。ここの小屋に住んでいる……というか、今だけ仮にいる、という感じなのですが。……あなたは?」
「えっと……」
俺は返答に困った。
多分、ここで『神崎岬』は通じないと思ったからだ。
「……もしかして記憶がないとか?」
「あ……そ、そうなんです。」
記憶喪失、としておけば何かと面倒じゃなさそうだ……。
「じゃあ……とりあえずクロネスさん、とかどうですか?」
「クロネス……」
彼女……ミシェルさんはなかなか良いセンスを持ってそうだ。
「髪と目の色が珍しい黒なので、そこから思い付いたのですが」
……前言撤回、ただ『クロ』から考えていた。
「いいと思います。って俺が言うのも変ですけど……」
「気に入って頂けたみたいでよかったです!」
俺は笑顔がひきつってしまった気がしたが、ミシェルさんは気に止めてないようだ。
この天然(?)な彼女といつまでいることになるのか……俺にはまだわからなかった。