わりとクーデレ?
とある朝。
廊下でマリシアとすれ違った。
「おはよう」
「…………」
こうして二人はすれ違っていく。
別の朝。また廊下でマリシアとすれ違った。
「おはようマリシア」
「…………」
やっぱり二人はこうしてすれ違っていく。
ある日のこと。
マリシアが俺のところに来た。
「ザギョピ、ピズピ、ピセリ」
マリシアは俺の顔も見ずにたったそれだけを言う。
だけどいつものことだ。
「ああ。採ってくるよ。ひょっとしてブルーポーションでも作るの?」
こくりと頷くマリシア。
だからと言ってそれ以上マリシアから話すことはない。
俺は、薬草を採りに出かけた。
「はい。採って来たよ」
薬草を受け取るも、その場から動こうとしないマリシア。
うーんなんだろう?
「…………」
マリシアは安定の無言。
「ひょっとして、俺が作るの?」
首を横に振るマリシア。
違うのか……。
「レシピは知ってるよね?」
首を縦に振るマリシア。
「うまくいかない?」
頷くマリシア。
「じゃあ、見てみるよ。マリシアが精製するとこ。
なんかアドバイスできるかどうかわかんないけど。
それでだめだったらポーラさんに相談しよう」
その言葉をきっかけに歩き出すマリシア。
彼女の専用の魔法薬研究ルームへ。
俺はその後をゆっくりと歩いた。
■マリシアside(作者の推測ですので、実際のマリシアの思考とは一致していない可能性がございます。)
「おはよう」
ルート……。
「…………」
「おはようマリシア」
名前……呼んだ……。
「…………」
「ザギョピ、ピズピ、ピセリ」
お願い……。
「ああ。採ってくるよ。ひょっとしてブルーポーションでも作るの?」
そう。
「はい。採って来たよ」
少し……付き合って……。
「…………」
「ひょっとして、俺が作るの?」
違う……。
「レシピは知ってるよね?」
知ってる……。
「うまくいかない?」
そう……。
「じゃあ、見てみるよ。マリシアが精製するとこ。
なんかアドバイスできるかどうかわかんないけど。
それでだめだったらポーラさんに相談しよう」
ポーラさん……。
なんだこれ?
いや、短編集これにて完結です。リクエストくだされば書きますかもですけどっ!
お読みくださりありがとうございました。