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わりとテンプレな異世界転生者の日常  作者: ぐらんこ。
わりとテンプレな冒険者養成学園学生の日常
15/15

お正月

短編とかは多そうだけど、2014/1/1 0:00分に完結する作品は何作あるのだろう?

と思ったり思わなかったりしながら適当に書きました。


「あけおめ~」


 ポーラさんは既に酔いが回っている。


 ちょうど日付が変わったところ。

 振袖姿のポーラさんは、それでも自身のイメージカラーである黒を捨て去ることなく、ビビットで、シュールな姿をさらしている。


「はい、みんな並んで並んで~」


 言われたとおりに俺達は並ぶが……。

 いや、世界観っての? いいのか?


 転生者であることが明らかなのは俺とファーチャとファシリアのみだ。

 実は、他にも何人か転生やら召喚やらされたキャラが居るんですけどね。それは本編でも語られていないからここでは内緒だ。という、メタ的な語りはおいておくとしても。

 まあ、一国の王女であるファシリアが、忘年&新年会と称するこの会合に出席していることから、本話のあれは察してしかるにというあれなのだが。


「じゃあ、まずは、小っちゃい子グループから~。

 ファーちゃん1号、そして2号、こっちいらっしゃい!!」


 どっちが1号でどっちが2号なのか。もはや本人達にも理解できていないだろう。

 だが、結局そのキャラクターゆえ、ファーチャがポーラさんから距離が近い方に位置している。


「はい、中身は期待しないでね」


 とポーラさんはファーチャにポチ袋を渡す。続いてファシリアへも。


「ありがとう!」

「ありがとうございます……」


 ファーチャもファシリアもお年玉という概念は理解しているからすんなりとそれを受け取る。

 とはいえ、この世界にお年玉という風習が無いことも理解しているはずなのだが、細かいことは言っていても仕方がない。


「わぁ~三千円も入ってた~」


 早速ファーチャは中を改めて、


「こら、ファーチャ。貰ってすぐに中身を見るものではないですよ」


 とシーファさんにたしなめられている。


「そういえば、ルートは喪中だったっけ? 年賀状出さないほうがいいよね?」


「いや、プラシの口から『喪中』とか『年賀状』なんて言葉が出ることが驚きだけど、そういやそうだな。

 じいちゃんが死んでから……まだたったの○ヵ月か……」


「作中にしろ、実時間にしろ、あんまり進んでないね」


「年末はいろいろあったからね。わたしたちにも、あの人にも……」


 とアリシアが意味深な台詞をのたまう。


「ほんとなら、グラゥディズ戦乱編はとっくに終わっててもおかしくないんだけどなあ……」


「おう、お前ら! 何しんみりしてんだよ!」


 ぐいっと俺とプラシの肩を掴んできたのはムルさんだ。

 ムルさんも少し酔いが回っているのか、いつにも増して饒舌だ。


「いいか! 俺は酔っているわけじゃない!

 酒は飲んでも飲まれるな! そして、次世代を担うお前達。

 このマーソンフィールの法律では、未成年の飲酒禁止なんていう法律はない。

 そもそも、成年とか未成年という概念からしてあやふやだ。

 13歳ぐらいから15歳ぐらいにかけて、自分が大人だと思えば、結婚だって、飲酒だってできる。

 だからっ!」


 といいつつ、俺達にグラスを差し向ける。


「学園編の『第五話 新居到達』で『ベルさんとポーラさんの成人2人には葡萄酒が振る舞われた。』って一文がありましたが……」


 誰かが言った。


「まあ、未成年もな、読むことを考えればな。

 そういう設定があったりなかったり。まあ、あるに越したことはないな!」


 というわけで……。


「「「「「「「「「あけましておめでとうございます」」」」」」」」」」


 あと、お酒は二十歳を超えてから!


「今年もよろしく!!」







 ということで、俺達はおせち料理を食べるわけだ。


 シーファさんが、ポーラさんとファーチャに手伝わせて作ったおせち料理だ。


「これ、この昆布巻きあたしが巻いたのよ!」


 と、ファーチャが箸で掴んだ昆布巻きを俺の口へと持ってくる。


「はい、ルート、あーんして!」


 横目で、アリシアとファシリアをちらりと見るが……、アリシアは気にもしてないという表情で、ファシリアもいつものような無表情。


 昆布巻きが俺の口に入ると思われたその直前。

 ファーチャの持つ箸が何者かに叩き落とされた。


「…………」


 それは、マリシアだ。

 マリシアは……、5段重ねのお手製おせち重を別に用意してきているようだ。

 その中にはもちろん昆布巻きも入っている。


「こぶ」


 マリシアはそれだけを言う。まあ、あ~んなんていうのはマリシアのキャラじゃないから、やらないようだが、俺が他人からあ~んされるのがお気に召さないようだ。

 そして、食うなら自分の作った昆布巻きを食えという願望を率直に表現したようだ。


「あいかわらずルートはもてもてだなあ」


 と、呆れたようにシノブが言う。


「モテモテ王国の国王だよな」


 と、誰かが言った。


 宴会は混乱を極めた。


 危険を感じた、プラシとミッツィが初詣に出かけるといって抜けて。


 ベルさんと、ムルさんも二人でどこかへ出かけて行った。

 その後の描写はノクタ―ンというそれ相応の場所があるらしいが、怖くて立ち入れない。


 残ったメンバーを見渡す。


 シーファさん。

 アリシア&マリシア。

 ファーチャ、ファシリア。

 ポーラさん。

 シノブ。


 シーファさんは母親でもあり人妻だ。

 ファーチャとファシリアは幼女の部類に入る。

 ポーラさんは……まあそのなんていうか、歳の差的な……。


 同年代である、アリシア、マリシア、シノブ。

 成長してからでないと手を出しちゃいけない、ファーチャとファシリア。

 それでもなんとなく気になってしまうポーラさん。


 やっぱり……わりとハーレムだよな……。

 今年は……、この中から誰かを選ばないとな。


 そんなことを思ったり思わなかったりした。

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