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わりとテンプレな異世界転生者の日常  作者: ぐらんこ。
わりとテンプレな冒険者養成学園学生の日常
11/15

~女の戦い~ other side

もったいぶったタイトル付けてますが、何のことは無い本編のシノブvsエルーラの三人称視点版です。

本編でシノブ視点で書いたのがどうだったんだろうとか悩みながら、練習がてらに書いたものです。


特に読む必要はないと思います。


上手くバトル書けるようになりたいです。


「始め!」


 試合開始を告げるミシャリーの合図でエルーラが剣を構えた。

 シノブは、逡巡しているようだ。攻めて攻め勝つか、相手の出方を伺うか。


 しかし、シノブは意を決したように、拳を振りあげてエルーラに跳びかかる。


「うりゃあ!」


 威勢良い掛け声とともに繰り出されたシノブの正拳は空を切る。

 エルーラは、さっと身をひるがえして、シノブの攻撃を難なく躱す。


「え? ちょ……」


 よけられたシノブはそのままバランスを崩した。

 よろめくシノブにエルーラが斬りかかる。


「なんのための籠手こてだと思ってんの!」


 シノブは両腕を頭の前で交差クロスさせて、エルーラの剣撃を受け止める。


 両者の力は拮抗。

 そのまま押し切ろうとするエルーラと、持ちこたえようとするシノブ。


「馬鹿力はあたしの専売特許だっての!!」


 シノブは叫びながら、両腕を思いっきり突き上げた。

 その刹那、エルーラは込めていた力を抜き、剣を引き下げる。


 シノブの両腕は、意味も無く空に突き上げられた。


「はあ!」


 エルーラはその隙を見逃さない。

 シノブを胴を薙ぎに行く。


 だが、シノブもそれでやすやすとやられる玉ではなかった。


「ちぇいさあ!」


 足を振り上げ、鋭い蹴りで、エルーラの剣ではなく剣を支える腕を狙う。

 シノブの意図に気付いたエルーラは、さっと剣を引く。


 激しい攻防が続く。

 エルーラの小刻みな攻撃に対してシノブは防御で手一杯だ。反撃に転じられない。


「おい! 相手の間合いじゃないか!

 俺との特訓を思い出せ!!」


 シノブに対して、ルートからの激が飛ぶ。


 それを合図に、シノブはエルーラの剣の間合いの外へ。

 両者にらみ合いが続く。


 シノブは、審判員をちらりと見る。

 そして決意を固めたように、ゆっくりと構えを取る。

 正拳突きの予備動作。

 だが、この間合いでは届かない。拳はおろか、剣でも槍でも届かない距離だ。


「せいっ!」


 シノブが吠えた。


 突き出された拳の先から、白く光る塊が放出される。エルーラに迫る。


「くぅっ!」


 エルーラは、剣を振り、それを弾き返す。


「あれって魔法? 魔術じゃないのか? 剣術戦では魔術も魔法も使用禁止なんじゃ」

「いや、剣気じゃないか? だけど、拳士でそれを……」


 とほうぼうから戸惑いの声が上がる。


 シノブが放ったのは拳気。オーラの一種である。

 威力は直接のパンチよりも劣るが、射程距離に優れている。


 シノブが再び構えた。今のはあえて手の内を晒しただけ。これからが本番。

 そのような表情にも見える。


「せいっ! せいっ!」


 まず、右の拳を突出し、オーラを放出する。続けざまに左。

 エルーラは、二撃目が来ることを悟ると、迎撃を諦めて、躱しにかかる。

 躱す動きをそのまま前への突進力へ。

 エルーラは、剣を突き出した。シノブの喉元を狙って。


 エルーラの渾身の突きは決まったかに思えた。


「これが、拳士の間合いなのよ!」


 シノブが吠える。

 エルーラの剣は、シノブの籠手で受け流され、紙一重でかわされていた。

 逆に、シノブのカウンターが、エルーラの脇腹をしっかりと捉えている。


「勝者! シノブ・ミツルギ!!」

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