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カッシーナ物語  作者: チョコファッション
銀河帝国⁉歴史の勉強になるね!
8/24

8.たぬき型原住民~本当に口?尻ではなく口?~

 十一機の宇宙船が、町の開けた場所に並んでいる。〈銀河帝国・加魔苦羅〉へ乗り込むメンバーは既に全員乗り込んだので、もう出発だ。

 十.九、八、七、六、五、四、三、二、一、零。

 ゴォォォォォ・・。

 全ての機体が浮上し、急加速して空に消える。見る見る内にオナラ王国の王宮が見えなくなっていく。ついには大気圏を脱出し、宇宙に出てきた。

「全ての機体が異常なし。目的地までの距離は、およそらっきょう十五億個分です。」

 らっきょうで表す必要はないと思う。

 ロケットの中は意外と快適だった。無重力状態でおならをすると、どうなるのだろうか?おならを排出する方法がないのでやめておく。長い時間、僕のおならを嗅いでいるといくら選抜メンバーでも失神するからね。

 お腹が減ったのでカレーを食べる。次のご飯は、中継地点の星で調達する予定だ。暇だな。ツイッターでも見るか。Xとかいう新しい名前があるけど、ダサすぎると思う。

 結構長い間ツイッターを見ていたみたいだ。ロケットの前方に素晴らしい緑の星が見えてきた。

「Excelのテーマカラーみたいな色ですね。」

 エクセルで表す必要はないと思う。

 着陸。素晴らしい緑。空気が美味しい。何故酸素があるかって?無かったら僕たちが死んで物語が終わっちゃうからだね。物語の都合って素晴らしい!

 そんなことを考えていたら、現在地の草原の近くの森林から、たぬきが出てきた。石器のような武器を持っていが、攻撃はしてこない。警戒されているだけで、友好的な生き物のようである。まずはコミュニケーションをとろう。ライプニッツは既に話しかけている。

「こんに――」

「オマエノ イキ クッセーナ」

「へ?」

 ライプニッツだけではなく、僕も挨拶してみよう。

「おはよう!」

「オマエノ イキ クッセーナ」

 こいつ何を言っているんだ?僕が臭いのは口の息ではなく尻だぞ?

「王子、落ち着いてください、これからこの者たちの説明を・・・」

 ズンズンズン。

 たぬき型原住民のところへ鬼の形相で近づいていくものがいる。僕のおならに完璧に順応した唯一無二のものであり、兵士の序列二位のライプニッツだ。

「キミ、〇にたい? いや、別に言っていいんだよ?でもね、同じことを言った回数によって刑の重さが変わるから。ナイフで刺〇、スタンガンで電〇、ボクの新作、『のこぎり兵器・虐〇君』とかね」

 たぬき型原住民が地獄の淵に来たような顔になる。そりゃそうだ。あんなおとなしそうな、女性のような美形の少年だったのに。恐ろしく物騒な発言を連発している。めっちゃホラー。たぬき型原住民も、焦ったように謝罪している。

「オマエノイキクッセーナ!」

「オマエノイキクッセーナ!」

 え?こいつら、謝罪してないじゃん!

「そうかい。一酸化炭素をパンパンに詰めた部屋で中毒死がいいんだね?着いてきて。オナラ王国に帰ったらすぐ準備してあげるよ」

 ライプニッツはかなり怒っているようだ。怒る気持ちは分かるが、そこまでしなくてもいいと思う。

「大丈夫だよ、ライプニッツ。こいつらから悪意は感じない。正直に思ったことを述べているだけだよ」

「つまり、本当にボクの息が臭いってことじゃないですか!」

 あれ?逆効果だったかもしれない。

「王子!ライプニッツ殿!聞いてください!彼らは『オマエノイキクッセーナ』の一連の発音しかできないのです!」

 曰く、この星の原住民は声帯機関の特徴で、ある一連の発音しかできないとのこと。では、どうやって一通りしかない発音で意思疎通をしているのか?簡単だ。こいつらのもう一つの特徴として、意思を込めて発音すれば、どんな発音でも意志が通じるらしい。

 この話、宇宙人(オナラ王国や加魔苦羅)と地球人が普通に、会話してるけど、一応言語の概念はあったんだね!

「なるほどね。教えてくれたお礼で、らっきょうマン一号君はボクに『殿』をつけなくていいよ!

「いえ、ですが・・・」

「大丈夫だよ!正式な立場はボクの方が上だけど、なんからっきょうマン一号君やさしいから!」

 うんうん。仲良しっていいね。らっきょうマン、仲良くしてあげなよ。僕は別にいいかな。怒らせたらめっちゃ怖いし。

 しばらくすると、ライプニッツにすっかりビビってしまった、たぬき型原住民の皆様が晩御飯を用意してくれた。しかも、宿付きで。では、ありがたく利用させてもらいましょう。

ライプニッツは、「化学兵器マニア」です。これからも素晴らしい科学の力を見せてくれるでしょう。

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