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カッシーナ物語  作者: チョコファッション
銀河帝国⁉歴史の勉強になるね!
6/24

6.らっきょうマン一号~変人から仲間へと~

 シャキーン!

 義経が鞘に入っている刀に手をかけたと思ったら、カッシーナの後ろの木が倒れた。一瞬で切ったのだろう。ものすごくきれいな断面だ。

 おならが出ない。技が使えない。らっきょうマン一号は戦力にならない。らっきょうロボRは修理中。絶望的だ。政子は一歩も動いていない。義経と頼朝が完璧に守っているのである。

 「クソッ!」

 おならが無ければ拳で攻撃すればいいじゃない。Byマリー・アントワネット。

 しかし、そのパンチもきれいに受け流された。足を引っ掛けられ、そのまま地面に転ぶ。希望などかけらもない。でも、ラッシーナが目の前でさらわれようとしているのだ。

 あきらめずに殴りかかる。やはり勝負にならない。こぶしを握って突進し、簡単に受けながされ、転ぶ。これの繰り返し。もう何回同じことをやっているだろう。しびれを切らした政子が言った。

 「周囲に人間を近づかせないよう、注意をひいていた『HOUKOU』達がいたな?あれの内、数体をここに呼んでも問題ないか?」

 「「問題ないかと」」

 「では、『HOUKOU』三体招集。直ちにこの二人を拘束せよ」

 とたんに上からロボットが落ちてきた。白い肌に白い直垂を着ていて、目には空色の光、体のところどころに空色に光る筋が通っている。この光が「HOUKOU」の燃料、「ご恩パワー」だろうか。刀を持った人型ロボットだ。義経、頼朝ほどではないが、素早い動きでこちらを妨害する。ついに僕たちは倒された。しかし、捕虜として連れて行かれることはないようだ。ラッシーナと違い、僕たちは強い。基地で暴れられても困るのだろう。

 目の前に宇宙船が飛来する。宇宙船というより海に浮かぶ方の船のような形をしたそれは、白いボディに空色の筋、雰囲気は「HOUKOU」に似ている。

 「不思議そうな顔だな。これは我らが宇宙船「NI・SOU」だ。これは優秀でな。現在位置「日本」と目的地「宋」を設定すると、最短経路を計算、自動運転システムが起動するのだよ。では、さらばだ」

 もう腕に力が入らない。徐々に視界が暗くなっていく。ごめんな、ラッシーナ・・・。

 ***

 目が覚めると、僕とラッシーナが住んでいたアパートの中だった。らっきょうマンが冷蔵庫から長持ちのする食材を選んでいる。その隣には、寝袋と歯磨きセット、そして水筒。

 「お目覚めになられましたか、王子。私は王子を連れ戻すため、毎日尾行しておりましたので、この場所を知っているのです。鍵は王子のポケットの物を使わせてもらいました」

 ずっとストーキングされていたのか。気持ち悪いとは思うが、今となってはありがたい。らっきょうマン一号の顔には疲れの色が見える。きっと、らっきょうマン一号は目覚めた後で必死に僕を運んで、ここで出発の準備をしていたのだろう。

 どこに行くか?簡単だ。オナラ王国。そこで精鋭の兵士を集め、〈銀河帝国・加魔苦羅〉へ乗り込む。

 そのために、らっきょうマンは頑張っているのだ。いくら王族に仕えているといっても、僕たちのためにここまで頑張ってくれる理由はないはず。第一、僕もラッシーナもらっきょうマンを全く信じていなかった。変態、ストーカーと言って、おならで吹き飛ばした。それでもまだ、らっきょうマンは僕たちのために動いてくれているのだ。

 「らっきょうマン、今までごめん。これからもよろしく」

 「はい。これからは、私をいつでも頼ってください」

書き終わってから思ったけど「パンが無ければお菓子を食べればいいじゃない」から「おならが出なければ拳で攻撃すればいいじゃない。」は飛躍しすぎだね。

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