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カッシーナ物語  作者: チョコファッション
銀河帝国⁉歴史の勉強になるね!
5/24

5.襲来~〇〇〇〇〇薬~

 カッシーナは病院に入った。カラーン、カラーン。と入り口の扉から音が出た。これで患者の出入りを確認するようである。

「なんだ、客か」

 例によって口紅ぬりぬり看護師が受付に座っていた。少し顔を上げたと思ったら、すぐに鏡に目を戻し、口紅をぬり続ける。カッシーナはこのホスピタルクリニックにもう何日も通っているので慣れたようだ。しかし、カッシーナも不思議な点がないわけではない。この人は、いつ仕事をしているのだろうか?

「ん。適当に書いて、保険証と一緒にだしといて。後で見るから」

 そう言って受付表を渡された。「オナラ・ス・カッシーナ(十五)」と書いて、保険証と一緒に出す。

『カッシーナ』

 アナウンスが入った。僕は、院長から仲良し判定されているので、呼び捨てである。変態から親しくされるとは、不服極まれり。診察室に入って、「花粉症で鼻水が止まりません」と言ったら、「超即効型の改造薬品を出しておくから。一日一粒、夕食の後ね」といって処方箋が出された。よし、ドラッグ薬局で薬をもらって帰るか。

 クリニックを出たら、らっきょうマン一号が出てきた。

「お逃げください、王子!」

 今度はなんだ?このストーカーめ。僕のことを王子とか呼んでいるけど、嘘つくにも限度があるよ。そろそろ警察に突き出してもいいだろうか。

「で、今度は何?」

「我らがオナラ王国から通信が入りました。政子が宇宙船でこちらへ向かっているとのことです。このような事態は予想されていなかったので、地球には私以外にオナラ王国の者がいません。らっきょうロボRは修理中です。恐らく、戦闘力の無い上に護衛のいないラッシーナ嬢を人質に取ろうとしているのでしょう。王も追手をだしたようですが、政子が精鋭を連れて地球につくほうが速いようです。政子がいきなり休戦を提案したのも、これが狙いで・・!」

「あっそ。じゃあどっか行って」

 薬局に向かって歩き出すと、らっきょうマン一号もついてくる。

「ですから王子!私が信用できないこともわかります。ですが信じてください。ラッシーナ嬢を連れて逃げるのです!」

 信じられないな。そう思って薬局へ行くも、らっきょうマン一号はいてくる。薬局へついて、薬をもらっても話は続く。

「王子、そろそろ政子一行が地球へ到着する時間です!悔しい限りですが、ラッシーナ嬢にも取り合ってもらえませんでした!しかも、私だけでは政子一行に勝てない!王子の強力が必要なのです!」

 ・・・まさかこいつ、本気か?

 なんか本当に必死な気がするし、演技とは思えない。しかし、宇宙の果てに国?僕が王子?やはり、信じるか迷う――


「――――ッ‼」

 すさまじい悪寒。後ろに、何かとてつもなく悪いものが存在している気がする。後ろを振り返りたくない。信じたくない。しかし、やはりいる。とてつもない強者が左右に二人。真ん中に主と思わしき者が一体。そいつが腕に抱えているのは――。

「オナラ王国の王子、カッシーナだな?」

「「我らが政子様の指示により、貴様の幼馴染は人質となった」」

 政子に続けて、義経と頼朝が同時に喋っている。

「――ラッシーナ!」

「ほう、こいつの名前はラッシーナというのか。・・さて、こやつに降伏する気はなさそうだ。帰るぞ、義経、頼朝」

「「ハハッ」」

 ラッシーナが人質?奴らめ、逃がしてたまるか。

 らっきょうマンを信じなかったことでラッシーナを巻き込んだことへの後悔が沸き上がる。

「〈激臭領域(すかしっぺフィールド)〉!そして〈おなら砲〉!」

 出力五割、六割、七割。まともに食らったな。このまま全員消し飛べ!

「焦っているな。技の質が低い」

「我らの剣技の前には無力」

 煙が晴れた時、義経と頼朝が政子を守るように抜刀していた。すかしっぺフィールドの効果は食らっているようだが、おなら砲は防がれたようだ。剣でおならが切れるとはどういうことだ?

 らっきょうマン一号も全力で攻撃を開始する。

「らっきょうの皮スプラッシュ!」

「「弱いな」」

 らっきょうの皮が全て真っ二つになり、その場に落下する。絶望的な実力差だ。こうなったら、町一帯が消滅するかもしれない。

「クソッ!出力十割!くらえ!〈おなら砲〉!」

 ――びえっくしょん。

 こんな時に花粉症だと⁉ええい、忌々しい、医者からもらった花粉症の薬、緊急事態だ。夕飯を食べる前だが飲ませてもらおう。

 効いている。体のどこかがすっきりする感覚。さすが速攻で効く改造薬品だ。これで体調万全!いくぞ、〈おなら砲〉!

 ・・・

 ・・・

 出ない。おならが出ない。不味い。自分でもわかる程に混乱している。わかっていても混乱が止められない。まず原因を突き止めよう。

 薬を飲んでからすっきりして、おならが出なくなった。そしてどこかすっきりしたのか。混乱する頭をフル活用して思い出す。すっきりした場所、それはお腹。

 恐る恐る薬の袋を見る。なんというタイミングの悪さだろう。医者が処方箋を書き間違えたに違いない。しかも、よりによって「違法改造」についてだけは間違えていないではないか。

 その薬の袋には、「おなら防止薬 即効型・違法改造有」と書かれていた。

おなら防止薬ってどういう原理だ?意味わかんないよ!

考えたやつ出てこい!

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