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カッシーナ物語  作者: チョコファッション
銀河帝国⁉歴史の勉強になるね!
2/24

2.加魔苦羅~めっちゃ当て字~

 久しぶりの日本だ。東京タワーが見える。さて、まずは二年間もの間家賃を払わずほったらかしにしているアパートの大家さんに謝らなければ。

「こんにちはー。大家さん。これ二年分の家賃ね」

 そう、旅先ではちょくちょく村人の相談に乗って金を稼いでいたのだ。大家のおばちゃんもこれで満足だろう。

「馬鹿たれ!なんでこんな放置してたんだ! まぁ、ちゃんと家賃を払うところは認めてやろうか。それに、あんたの幼馴染があんたの代わりに家賃払ってたしね」

 なんですと⁉ラッシーナがずっと払っていてくれたとな?では僕が家賃を払う必要はなくなり――

「カッシーナ?久しぶり。ずっとお家使わせてもらってたわよ。誰かが住んで掃除しないとけいないから。全くあんたは世話が焼けるわね」

 なくなり――

「二年放置した迷惑料。大家さんに払ってあげなさい」

 ――ませんでしたね。はい。

 今現れたのはオシッコ・モ・ラッシーナ。僕と一緒に、「気付いたら日本にいて記憶なくなっちゃった」状態に陥っていた人だ。

 それにしても、ありがたいことこの上ない。ラッシーナがいなかったら僕は今頃大家さんに追い出されていただろう。許されたのはラッシーナのおかげだ。

「ラッシーナ、ありがとう」

「どういたしまして」


***


 ラッシーナへのお詫びとしてショッピングモールで何か一つ買ってあげることになった。僕としても久しぶりの東京を観光出来て良い案だと思う。さぁ、ショッピングモールの入り口はすぐそこ・・。

「カッシーナ王子、お久しぶりでございます。元気そうでなにより。ラッシーナ嬢もお久しぶりです」

 いきなり、スーツにサングラスというコスプレ星人が出てきた。かなりやばい奴だな。普通こんな怪しい恰好で知らない人に話しかけるだろうか?

「王子。今、我々オナラ王国は危機に瀕しているのです。我々の都合で今更連れ戻すことがどれほど無礼かは重々承知しております。なにとぞ我らにお力添えを!」

「ラッシーナ。こいつ何言ってんだろうね?」

「さぁ?」

 王子とかオナラ王国とか言われても意味が分からない。

「わかりました。私が最初からお話いたしましょう」

 ということで説明が始まった。

 ――十年前。僕は銀河の果てに存在する「オナラ王国」の王子だったらしい。元気にすくすくと育った。王の弟の子供で幼馴染のラッシーナと仲が良かったそうだ。だが、幸せな時間は長く続かなかった。

 かつて繁栄し、今は滅びた宇宙の大国、〈銀河帝国・加魔苦羅(かまくら))の王族の末裔、政子が復活したのである。政子は先祖が遠い未来に向けて託した加魔苦羅の希望であり、加魔苦羅を復活させる使命を背負った者だったのだ。政子は同時にコールドスリープから覚醒した義経と頼朝を幹部に、強力な御家人型ロボット「HOUKOU」を多数起動。勢力拡大のためにオナラ王国を攻めてきたのである。

 オナラ王国は抵抗したが、日に日に戦況は悪化していく。そこで王は自分の身内の子供のなかでも一番年若の子供達、五歳のカッシーナとラッシーナを地球という平和な惑星へ逃がすことにしたのである。だが、自動運転型宇宙船で地球に移動するとき、運転のコンピュータがエラーを起こし、火災が発生。万が一のためにつけていた超高性能の防護服で無事だったが、不時着のショックで記憶をなくなしてしまったのである。

 とのこと。はっきり言って信じられない。日本で目覚めるまでの記憶を失くしていたことの説明はつくが、地球以外で生命の住める星なんてあるとは思えない。

「信じられない。といった顔ですね。ですが『カッシーナ王子を連れ戻す』というのは王の命令です。失礼ながら、従わないなら実力で連れ戻すまで」

「何?」

「私の名前は『らっきょうマン一号』です。王家に代々仕える、らっきょう一族の当主。では、よろしくおねがいいたします」

 こうして、やばいコスプレ星人改め、らっきょうマン一号との戦いが始まった。

らっきょう!らっきょう!食べたことない!

らっきょう!らっきょう!見たことない!

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