18.ポケモンボールは便利だな ~だーれだ?~
扉の先は、一面が白いタイル張りの部屋だった。作者が適当に設定したことがうかがえる。その部屋の中で、政子とライプニッツが、ルサンチマンと戦っている。
ルサンチマンの攻撃はあまりにも速い。レイピアを構え、次の瞬間には避ける前の自分の場所に刃がある。速すぎて、政子の目には一筋の光に見える。
レイピアと同じ、白銀の閃光が瞬く。ライプニッツはそれを認識できているようで、ステップでかわす。ルサンチマンがレイピアを構えなおす。これの繰り返しだ。政子はライプニッツと違い、ルサンチマンの攻撃を見てから避けると間に合わないので、ひたすら後方からリボルバーを撃ちまくる。少なくともルサンチマンの行動を阻害するくらいのことは出来ているはずだ。
ライプニッツはぎりぎりの戦闘を続けているが、なぜか焦りは感じられない。何か策があるのだろうか。
「くたばれぇええええええええええ!」
ルサンチマンの剣はさらに速くなる。今までは一回の攻撃ごとに構えなおしていたが、一度の構えで数回の刺突が繰り出されるようになった。半透明のバリアと、ロボットアームのガトリングガンでライプニッツが応戦する。しかし、このままではジリ貧で負けてしまう。
「フッ・・・さすがはルサンチマンだ。君、一つ僕と交渉しないか?」
政子はライプニッツから何一つ聞かされていない。いったいどのような交渉をするのか?
ルサンチマンの後ろから回ってきた手が、ルサンチマンの両目を隠した。そして、手の主がルサンチマンに語りかける。
「だーれダ?」
ルサンチマンが質問に答えず、手を振り払って後ろを向く。そこにいたのはチャラおだった。
「どういうことだ?ライプニッツ?お前が助けてくれたのか?」
チャラおが死んだと思いこんで暴走していたルサンチマンが、冷静に質問する。ライプニッツは説明を始めた。
***
まず前提として、チャラおは気絶しただけだった。カッシーナには殺す気が無かったので、宇宙一のおならコントロール技術で臭いを弱めていたのである。その出力は、七割だったそうだ。「カッシーナ王子は人を殺さないよ。それにもし殺していたら、あんな平然としてないよ。」と、ライプニッツは言っていた。
そして、UFOに入る前、ライプニッツは自分の発明品、「超スーパーアルティメット究極めっちゃんこポケモ〇ボール」の中にチャラおを入れて、そのボールもポケットに突っ込んだのだ。
***
「いヤー★あのボールの中には、テレビも任天堂〇イッチも、漫画までたくさんあって快適だっタ★ライプニッツはいい奴だし、もう地球は制服しなくてもいいヤ★」
「確かに、我らが征服するより、人間どもの好きにさせた方が、この星の文化は進化が速いかもしれないな。」
「つまり、征服しない方が、漫画は面白くなり、ハンバーガーは美味くなるってことカ★」
こうして、作者によるご都合主義展開が発生し、ルサンチマン+チャラおとの和解に成功したのだった。
馬鹿なッ!このエピソード、主人公本人が・・・一度も・・登場していないだとッ・・・・!?