1.僕の名前はカッシーナ!~物語の始まり~
うんち・おなら系の言葉が頻出します。気をつけてください。
僕は今、荒野を歩いている。ボロボロのマントを羽織ってね。なんでボロボロなものを着ているのかって?いいかい、こういうのは気分なんだよ。き・ぶ・ん!
さて、今日は依頼が入っている。昨日泊めてくれた村の人から、「村の安全を脅かす鬼を退治してくれ」という話をきいたからだ。この先にいくと、目的地である鬼の家があるはず。
しばらく歩くと「安田」とかかれた一軒家が見えた。やはりだ。この家に鬼の安田佐久郎が住んでいるはず。
インターホンを押す。するとマイクから返事が聞こえた。
「抹茶でもどうですか?」
お言葉に甘えるとしよう。僕としても戦わなくていいならそれに越したことはないのだ。家の中にはマンガがたくさんある。かなりのオタクだな。同じマンガの記念ポスターが十枚もある。
抹茶が出てきた。美味しい。これはとても美味しいぞ。まるで天に召されそうな気分だ。
などと考えていたら、いつのまにか本当に魂だけになって浮かんでいる。頑張って自分の体に戻ったが、体中がかなり痛い。こいつ、毒を盛ったな。
「馬鹿め!それには濃硫酸が入っているんだぞ!飲んだら終わりだ!ぐふっ ぐふっ げへへへへへへえっへへへっへ!ぎょひゃひゃははは! ウェヒヒヒヒヒ!」
笑い方気持ち悪っ!
それはそうとして、濃硫酸?甘いな。○ーティーワンのバナナアンドストロベリーより甘いぜ。濃硫酸なんて僕の敵ではない!
「〈激臭領域〉!」
僕は必殺技の一つであるすかしっぺフィールドを発生させた。おならの臭いをあたりに充満させる技だ。すかしっぺフィールドに入ったものは、そのあまりの臭さに弱体化する。それがたとえ嗅覚がない生き物でも、生き物ではない物質だとしてもだ!
濃硫酸はたちまち弱体化し、僕の体も元通り。濃硫酸で溶けた内臓が戻るって意味が分からないね。
今、目の前の鬼は鼻をつまんで転げまわっている。さぁ、楽にしてあげよう。
ズボンを脱いで、シャッ! パンツを脱いで、シャッ!
鬼はそのお尻から放たれるまばゆい光に思わず目をつぶった。放たれる鮮やかな黄色の閃光。すさまじい風圧とともに鬼が後ろに吹っ飛ばされ、続いて精神崩壊級の激臭が襲う。家は跡形もなく消滅したのである。一般人がまともに食らったら死ぬのではないか。直撃した鬼はなすすべもなく廃人に・・いや、廃鬼か? になっていく。
だが、やはり鬼。その頑丈さはなかなかのもので、精神崩壊寸前で止まり、気絶――目覚めるのに三日かかった――で済んだようである。しかし、これはカッシーナの本気ではない。威力はまだ一割しか出していないのだ。自分でも恐ろしいおならである。
村の牢屋で目覚めた鬼はまだ反省していなかったようだが、僕がズボンを下ろそうとした途端、全力で謝り始めた。
さて、そろそろ旅にもあきてきたし、日本に戻るか。幼馴染のラッシーナにも久しぶりに会えるだろう。
面白かったでしょうか?かなりギャグよりのシリーズになる予定ですので、これからも読み続けていただけると嬉しいです。