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無気力な悪魔とお隣さん。

 

 水の精霊、イシュとの会話の流れで自分の名前を付けてしまった。


 それもイシュの雰囲気に影響されたのだろう。イシュは俺が名乗る前は警戒心を剥き出しにして顔を顰めていたが、俺が悪魔であり、化け物熊を倒した事が分かったらさっきまでの態度と逆にまるで友達かのように親しみを込めて接している。


 そんな彼女の不思議でもあり親しみやすい雰囲気で俺も彼女の警戒をしていなかった。


 というか精霊か、森の中で急に話しかけられた驚きと焦りで気にすることが出来なかったが、改めて考えると精霊という存在と話しているって中々無いんじゃないか。というか、精霊っているんだ。まあ、魔法なんてのもあるんだからファンタジー的存在はいると考えていいだろう。


 「そういえば、イシュは精霊なんだろ?こうして話している事ってもしかして珍しいことか?」


 「うん?まあ、そうかな?人間達の間だと精霊の存在を神聖視する人もいるね〜。あたしは人間の前にはそんなに現れたことないかも。」


「そうなのか?人間の前に現れないことに何か理由があるのか?」


「うん、人間はね。あたしみたいな精霊を襲う時があるのよ。だから人間の前には現れないようにしているの。ダーリーはこんな森の奥に一人でいて泉を汚していたから文句言わないと気が済まないって思ってを掛けたのよ。」


 おいおい、この子は何をあっけらかんと言っているだ。精霊が人間に襲われる?


「...襲われるってどういう事なんだ?」


「そのままよ。人間に狩られるのよ。人間全員が襲うわけじゃないんだけど、一部の人間が精霊とか竜とかを襲っているのよ。あたしも襲われて再生してそんなにたってないのよ。」


 頭がぶっ飛ぶほどの内容を話されたがまとめると、どうやら一部の人間(おそらくどこかの国や地域だと思われる)が精霊や竜といった生物を襲い、それで得た素材や魔力、土地などを利用し富を得ているらしい。精霊、竜はもちろん対抗するが対策をとられている大勢の人間に各個撃破されているとのこと。


 精霊、竜などの特別な生物は死なず自分に縁のある土地などから再生できるようだが、ジリジリと土地が奪われて再生出来なくなってしまった者もいるようだ。イシュも人間にやられて土地を奪われてこの森の奥の泉で再生したようだ。


 元々、精霊や竜などの超自然的生物達はこの世界に溢れる魔力を制御する存在のようだ。

   

 魔力が溢れすぎていると魔力に充てられて凶暴化する生物や、気候、天候が乱れてしまうようだ。この魔力に影響されて凶暴化したり、生み出される生物を魔物と呼ぶそうだ。(倒した化け物熊も魔物のようだ)


 そういった事にならない様に魔力、自然の秩序を整える存在として超自然的生物がいる。人間達もそれを理解し、感謝をして超自然的生物を拝めていたようだが、一部の人間達が襲うようになり、昨今の魔力の制御どろこではなく困っているとの事だった。このまま、狩られ再生出来なくなったら世界は混沌としたものになってしまう。イシュはそんな感じの事を話してくれた。



 えぇ〜...。精霊とか竜を狩る人間って何を考えているんだよ...。中々バイオレンスな奴らだ。しかし、再生するか。イシュは大人びてクールな見た目、雰囲気であるのに対し、話してみると親しみやすく子供のような時があり見た目と性格が一致しない時があったと思ったら生まれたばかりだったのか。納得した。


 人間が超自然的生物を襲うというなら、俺もそんなに人前に出ない方が良いな。この角じゃ、一目で人間じゃないってわかるからな。


 ん?おかしくないか?イシュも一目見て俺が人間ではないと分かるはずだが、はじめは警戒していたな。


「イシュ、何で俺を最初は警戒していたんだ?この角を見れば一目で人間じゃないって分かるだろ?」


「あ〜、それね。襲ってくる人間達の中にダーリーみたいな角を持った奴がいる時があるのよ。そいつらはやたらと強くて苦戦しちゃうの。だから襲ってくる人間に対処できないっていうのもあるわね。でも、ダーリーはなんか抜けてそうだし、化け物熊も倒してくれたからそんな事ないって思っちゃったわ!......大丈夫よね?」


 また、ぶっ飛びそうな話が出た。俺みたいに角を持っている奴が混ざっているだと!直感だが、そいつら俺みたいに悪魔かそれに近い奴らなのではないか?なんかややこしくなってきたなぁ。もっと外に出たくなくなってしまった...。


 「そうか。そうだったのか。不安にさせてごめんな。実は俺もこの世界に生まれてばっかりなんだ。しかも、俺はのんびり寝ているのが一番好きだからそんな事しないよ。安心してくれ。これからはお隣さんとして仲良くしてくれ。」


「分かったわ!ダーリーも生まれたばっかりだったのね。じゃあ、これからは色々助けてあげるわ!よろしくね、お隣さん!」


 イシュはお隣さんというのが嬉しかったのだろか。喜んでいるようだ。それもそうか、人間に狩られ森の奥で一人だったのだ。少し心細かったかもしれない。


 俺もこんな可愛いお隣さんができて嬉しくなった。やっぱり一人でいるのは寂しかったからね。

ここまで読んで頂きありがとうございます。

僕もこんなお隣さんが欲しかったなぁ!!!!(クソデカ声)

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